『 ヘボのアルバム 』

“ヘボ”ちゃんをこよなく愛する蜂狂さんとのコミュウニケーションの場です・・・

     『 子捨てについて考える! 』

2012-11-28 22:43:46 | Weblog
             


今朝の凍みはキツカッタ!!!   この平地でも-4.5℃まで下がった!!!
愈々冬将軍到来だ!
無理も無い、カレンダーを見れば、11月も終わり!!! 早いモノで師走を迎える。
そして、老い耄れとて、何となく忙しさを覚える!

10時サテアンに入ると、昨夜の寒さで天井に留まって居た蜂群が、ドッサリ地面に落ちていた。 急激な寒さに堪え切れなくなったのだ!!!
それでも天井では彼方此方で交尾風景が!!! 凄い生命力だ!!! 何とかして子孫を!!!という現れだろう・・・
こんな時期になっても働き蜂は、ポツポツと子捨て作業を続けている。 中々、理屈に適った現象だとツクヅク思う・・・

こんな光景を横目で見ながら庭の松の木に攀じ登る・・・ 後僅かになった剪定作業・・・
寒かったが厚着をし、鼻水を垂らしながらヒネ葉を捥ぎ取る。 時々、鋏を使うチョキチョキという心地イイ音が百舌鳥の叩き囀りとマッチして静まリ還った初冬の庭に響き渡る!!! 
実に長閑な初冬だ!
こんな作業を4時間した・・・
流石に4時を過ぎると冷え込んで来る・・・ 鼻水を啜り上げながらの奮闘!!!
4時半、切り上げる。
こんな調子なので、思いの外能率が捗らない!!!

今日は「スズメバチ」の子捨てについて講釈を述べて見た・・・

「子捨て」?、大方の御人は、何の事か判らないだろう?
簡単に言うと、自分達の子供:蜂児(幼虫)を捨て子するという事だ!!!
スズメバチ」の世界は、どんな種類であれ、“栄養交換”という一種独特の食事形態を採っている。
即ち、親、ある時期までの女王蜂や最盛期の働き蜂は、蜂児に肉食、炭水化物の餌を与えて子育てをする。が、親:成虫になると固形物の肉食系タンパク質は、食する事が出来ない。 胸部と腹部の繋ぎが極端に縊れている為固形物を食べる事は出来ない。が、甘露や砂糖水等の流動食は食する事が出来る。
しかし、一般的には、蜂児が吐き出す唾液を貰って餌としている!!!
当然の事ながら親である、働き蜂(ある時期までに女王蜂も)は、主として食物連鎖の下位にある昆虫や昆虫、大型動物の死肉を狩りし、これを子供である蜂児:幼虫に与えて育てる。 
これ、当然の摂理!!! 当たり前の話である。
しかし、「狩蜂」族は、此処で、実に、奇妙な Give and Take の関係で成り立っている。
親が子である蜂児を育てる事は当たり前な話だが、蜂児(幼虫)は、食した餌を消化し、栄養分の一部を唾液として吐き出しこれを親である女王蜂や働き蜂に与える。 当然、晩秋~初冬に掛けては雄蜂にも与える!!!
これを「栄養交換」といい、「スズメバチ」族独特の食生活が成り立っている。

こういう関係は、営巣初期から晩秋まで続き、繁殖期の餌が枯渇する頃まで続く・・・
いわゆる扶養家族が少なく働き蜂と蜂児のバランスが取れている間は問題なく続けられるのであるが、晩秋から初冬に掛け、コロニー最大の行事である交尾期を迎える頃になると、大食感である新女王蜂の誕生、そして、雄蜂が爆発的に増え出すと栄養交換の方程式が成り立たなくなる!!!
所謂、扶養家族になる働き蜂+新女王、雄蜂の数の方が多くなり、蜂児は唾液を与え切れなくなる。 それでも扶養家族になる親蜂共は、餌として唾液を求めて蜂児から唾液の唾の字まで吸い出す!!! 当然の事ながら、唾液や体液を吸い出された蜂児は、痩せ細り、やがては死んで行く!!!
終焉を迎えたコロニーは、段々にこのアンバランスが進行し、死したる蜂児が育房に現れ出す。
死んだ蜂児は、腐り易く、悪臭を放つ!!!
綺麗好きの働息蜂は、どんな種類であれ、この死体を外に運び出す・・・ 
これが「子捨て」という現象である!!!
一見、モゴイ親の仕打ちのように感ぜられるが、これは、子孫繁栄の為には欠かせられない流れで、「スズメバチ」族なら何れもこのシステムを採っている!!!
「システム」と書いたが、言うなれば、蜂児は非常食の一つと考えるべきかも知れない?

晩秋、雨が降り続き、餌取りが儘ならなくなると、痩せ細った蜂児が多く、巣盤が軽くなる事があるが、この時もアンバランスが生じているのだろう・・・ しかし、まだ、新女王蜂や雄蜂が爆発的に生まれていないので子捨てまでは行かないが、これに近い状況下にある事は疑いない!!!

「スズメバチ」族の知恵の塊みたいな珍奇な食生活!!! 「子捨て」は、この一連の流れの中で発生している現象である!!!
   

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