ゴエモンのつぶやき

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視覚障害者10人死亡=駅ホームで転落・接触-10~17年度、負傷も5人・国交省

2019年04月29日 15時43分15秒 | 障害者の自立

 全国の駅で列車に接触して死亡した視覚障害者が2010~17年度に計10人に上ることが27日、国土交通省への取材で分かった。18年度も視覚障害者の死亡事故は発生しており、ホームドア整備など防止策の加速が求められそうだ。

目で指で「読める」点字=若手デザイナー発案、庁舎に採用

 国交省によると、10~17年度に視覚障害者がホームから転落したトラブルは計605件、ホームで列車などと接触した事故は計15件。同期間中の負傷者も5人いた。  注目されるきっかけになったのは11年1月に起きた事故。JR山手線目白駅(東京都豊島区)でマッサージ師の男性=当時(42)=が線路に転落し、列車にはねられ死亡した。

 国交省はこの事故を受け、1日の平均乗降客数が1万人以上の駅を対象に、視覚障害者が転落の危険性を把握できるよう警告用点字ブロックの整備を鉄道各社に要請。また、同10万人以上の駅では点字ブロックに加え、ホームドアの整備も優先する考えを示した。  ホームドア、警告用点字ブロックのいずれかは18年3月末時点で、同10万人以上の全275駅で整備された。また、同1万人以上の2161駅中93.3%の2017駅でも整備され、100%達成も視野に入る状況だ。  ただ、ホームドアの導入はまだ全体の一部にとどまり、視覚障害者が犠牲になる事故は近年も続いている。16年8月には東京メトロ青山一丁目駅(港区)で盲導犬を連れていた会社員男性=当時(55)=が線路に転落し、列車にひかれて死亡。17年1月にもJR京浜東北線蕨駅(埼玉県蕨市)で盲導犬を連れたマッサージ師の男性=同(63)=が転落し、列車にはねられて亡くなった。  JR富木駅(大阪府高石市)で17年10月、白杖(はくじょう)をついていた無職男性=同(59)=が、18年9月には東急大井町線下神明駅(品川区)で鍼灸(しんきゅう)師の男性=同(71)=がそれぞれ転落し、列車にはねられて死亡する事故が起きている。

時事ドットコムニュース        2019年04月28日


障害者採用「配慮不足」

2019年04月29日 15時07分08秒 | 障害者の自立

統一選考など質問

衆院厚労委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は26日の衆院厚生労働委員会で、中央省庁での障害者雇用率の水増し問題を受けた政府の対応についてただしました。

 政府は今回、初めての障害者統一選考試験を行い、3月に正職員として754人の合格者を出しましたが、知的障害者は0・4%(1人)しか合格していません。高橋氏に、人事院の三田顕寛人材局審議官は「障害の種別にかかわらず同一の筆記試験で障害の特性によってはなじみにくいところもあったかと考える」と認めました。

 一方で三田氏は、今回の同試験の第一選考では受験申し込み者数8712人のうち1524人が配慮を希望し、視覚障害者には点字での受験、拡大鏡や音声読み上げパソコンの使用、聴覚障害者には試験官の発言事項を書面で提出するといった配慮が行われたと紹介。高橋氏は、2015年に厚労省が出した指針には試験時間の延長や支援機関の職員等の同行なども書かれていたとして、試験段階でのいっそうの合理的配慮を求めました。

 その上で、各省が採用時点でどのような配慮をしたか厚労省の責任で把握し、次の試験に生かすべきだと要求。根本匠厚労相は「関係閣僚会議のもとでフォローアップを行って着実に取り組みを推進していきたい」と述べました。

 高橋氏はさらに、難病や発達障害が雇用促進法の障害者の範囲には入っているのに、なぜ試験の対象外かと追及。難病は就労中に発症することが多いが、合理的配慮があれば働けるはずで、障害者雇用率をかせげないから採用しないという「逆の意味で差別が起きている」と改善を求めました。

2019年4月28日         しんぶん赤旗


視覚障害者10人死亡=駅ホームで転落・接触-10~17年度、負傷も5人・国交省

2019年04月29日 14時49分06秒 | 障害者の自立

 全国の駅で列車に接触して死亡した視覚障害者が2010~17年度に計10人に上ることが27日、国土交通省への取材で分かった。  18年度も視覚障害者の死亡事故は発生しており、ホームドア整備など防止策の加速が求められそうだ。  国交省によると、10~17年度に視覚障害者がホームから転落したトラブルは計605件、ホームで列車などと接触した事故は計15件。同期間中の負傷者も5人いた。  注目されるきっかけになったのは11年1月に起きた事故。JR山手線目白駅(東京都豊島区)でマッサージ師の男性=当時(42)=が線路に転落し、列車にはねられ死亡した。  国交省はこの事故を受け、1日の平均乗降客数が1万人以上の駅を対象に、視覚障害者が転落の危険性を把握できるよう警告用点字ブロックの整備を鉄道各社に要請。また、同10万人以上の駅では点字ブロックに加え、ホームドアの整備も優先する考えを示した。  ホームドア、警告用点字ブロックのいずれかは18年3月末時点で、同10万人以上の全275駅で整備された。また、同1万人以上の2161駅中93.3%の2017駅でも整備され、100%達成も視野に入る状況だ。  ただ、ホームドアの導入はまだ全体の一部にとどまり、視覚障害者が犠牲になる事故は近年も続いている。16年8月には東京メトロ青山一丁目駅(港区)で盲導犬を連れていた会社員男性=当時(55)=が線路に転落し、列車にひかれて死亡。17年1月にもJR京浜東北線蕨駅(埼玉県蕨市)で盲導犬を連れたマッサージ師の男性=同(63)=が転落し、列車にはねられて亡くなった。  JR富木駅(大阪府高石市)で17年10月、白杖(はくじょう)をついていた無職男性=同(59)=が、18年9月には東急大井町線下神明駅(品川区)で鍼灸(しんきゅう)師の男性=同(71)=がそれぞれ転落し、列車にはねられて死亡する事故が起きている。 

4/28(日)          時事通信


和田光沙が「岬の兄妹」で考えた、女性と障害者の性

2019年04月29日 13時55分20秒 | 障害者の自立

足が悪い兄が生活のために、自閉症の妹の、売春のあっせんを始め、生活費を稼ぐ…そんな兄妹を通し、家族の本質を問う映画「岬の兄妹」(片山慎三監督)が全国で拡大上映されている。妹の道原真理子を演じた和田光沙(35)がニッカンスポーツコムのインタビューに応じた第2回は、兄にあっせんされた売春をする中、心が変化していく真理子を演じる中で考えた女性と障害者の性、愛情について語った。

-◇-◇-◇-◇-◇-

真理子は、男性に体を売り、金を渡されたことを知った兄良夫(松浦祐也=38)が売春をあっせんし始めると、さまざまな男性と肉体関係を結ぶ。「お仕事」と口にするものの、嫌がるそぶりを見せない真理子…和田は女性として、どう思ったのだろうか?

和田 女性から見て、どうのこうのというのを、あまり意識してなくて…でも、取材を受ける中で、女性目線からも、すごく衝撃的だったと聞きました。確かに話を作り、撮影していく中でも、真理子が女性として、どうしていくかというのは片山さんも最後まで悩んでいらっしゃって…そこが物語の1番、大きな問題だったんですね。

劇中では、幼少期の真理子が性に目覚めた場面も描かれる。和田は女性も男性と同じように性欲があるにも関わらず、そこにふたをするような世の中の風潮に疑問を呈した。

和田 そもそも、女性だから男性に比べて性欲がないみたいな風に世の中でされちゃっているだけで、女性だって普通に性欲はある。ましてや障害があるから(性欲が)ないって、隠されて、ふたをされちゃっていることに私自身、疑問があって。欲望に忠実な真理子だけに、その欲(性欲)にも正直でありたい…きっと発散も出来ていなかっただろうし、女性としての恋とか恋愛もしていないだろうし。多分「冒険」と言って外に出た時、いろいろしたかったことが解放されて、こうなっちゃうんじゃないかなと、私は想像でやっていました。

真理子は売春を繰り返す中、客として関係を結んだ障害を持つ男性に対する愛情が芽生えてくる

和田 真理子にも、ちゃんと恋をさせたいというか、女性としての恋愛する喜び…体だけのことじゃなくて、心が通うセックスをさせてあげたいと思いました。それ(愛情が芽生えるところ)は、やりたかったんですけど、うまくできたかどうか…。片山さんに「そこ、真理子が好きだって分かるかなぁ」って結構、言っていたんですが、荒い編集の段階で見て、大丈夫だろうと。(男性役の)中村祐太郎君は結構、共演していたり、長編デビューもされている監督なので、彼が監督している作品に出演もしている。お互い知っているので。中村君が出てくれて本当に良かったですね。

 <映画「岬の兄妹」和田光沙インタビューその2>

真理子の心の中に愛情が芽生えたのに気付いた良夫も、変化していく。生活のために売春という犯罪に手を染めた2人の兄妹愛が、スクリーンからにじみ出す

和田 (演じている時は)そんなに兄弟愛も意識していなかったんですけど(兄妹愛が見えるのは)女性としても妹としても傷ついた真理子を、お兄さんが見捨てないで最後まで、寄り添っているところなのかなぁと。(売春を)やりたいか、やりたくないかということ判断を、ちゃんと妹にさせているところも…。ちゃんと真理子の将来のことを考えていますよね。

映画の終盤で、真理子がじだんだを踏むシーンは、和田自身の感情がむき出しになったように感じられる

和田 元々の台本では「ただ真理子が立っている。2人、寂しく帰っていく」みたいなシーンだったんですけど、何回かリハーサルと本番をやったら、片山さんが突然「ちょっと泣いてみましょうか」みたいに言ってきて…。最初は「何でですか?」みたいなことを言ったかもしれないですけど…。実際に泣いてみて気付いたんですけど、気持ちはあるけど、追いつかなくて、いろいろなことがどうしようも出来ない、抱えきれない真理子の気持ちが爆発した感じでした。

役と一体になった、ということなのだろうか?

和田 そうかも知れないですね。どっちかというと、真理子のことを思いながらという感じでした。叫んでみたら、気持ちが後からついてきた…それが片山さんのすごいところですよ。

和田は真理子を演じて、自らの価値観にも変化があったという。

和田 やっぱり私も、この作品でこの役をやるまでは、障害がある人たちは、かわいそうで助けなければいけないみたいに思っていたところがありました。そこが、全く自分たちと変わらないところで生きているということを実感できました。そういう価値観を1つ、得られたことで周りの人を見る目が、ちょっと変わったのかも知れません。

作品が高評価され、拡大公開される中で、早くも今年度の映画賞レースに絡むのでは? との期待の声も一部で出始めている。

和田 本当にビックリですね。まず、上映されるかどうかも分からない状態だったので。全国、何カ所かでやるというのは公開前から聞いていたんですけど、これだけ満席が続くとは本当に思っていなかった。やっぱり世の中の人たちが、それだけ衝撃的なもの、見ちゃいけないものとして入ってくれているのかも知れないですけど…どういう理由でも映画館に来てくれるのはうれしいですね。

真理子を演じたことで注目されながら「(映画賞レースは)特に…いいです」と苦笑いする和田に、女優業について聞いた。

和田 誰から頼まれたわけでもなく、元々やりたくて始めたので。仕事になっているかどうか、と言ったら結構、不安というか自信がないところ…女優業というところには、なっていないと思うんですけど。役者って、作品にしか育ててもらえないと思うんで…どういう作品と出会うかというのは結構、大事。映画も舞台も大好き。舞台は見るのも大好きですが最近、2時間なら2時間、ずっとその人物を演じ続け、お客さんに全身を生で見られる…役者が育つのは舞台だろうなと思っていますね。お客さんと一緒に作っている感じですし。舞台は機会があれば…でも、やっぱり映画は好き。やりたいですね!!

映画の、どこにひかれるのだろうか?

和田 舞台の場合は、ある程度、役者の思い通りになるところが多い気がするんですが、映画は自分の想像を超えてくるからですかね。映画の場合は、編集なりカメラマンの撮り方、演出、場所、空間もそうですし…いろいろな要素があって、いろいろな人の力で作っていく総合的なものなので、自分の想像もしないものが出来上がってくるので面白いですね。

映画にこだわる裏には悔しい記憶がある。映像作品に初めて出演した、2009年(平21)に日本映画学校の卒業制作「溺溺」だ

和田 「溺溺」は主役だったんです。1つの作品で、ちゃんとせりふがあって演じる初めての経験で結構、思い入れがあってやったわけです。役作りもして、気持ちも作って、もうやり切ったと思って…出来上がったものを見たら、自分の感情が全く、何も映っていなかったんですよ。講師の先生から「映画において気持ちは映らないんだぞ」って言われて…私、その時、何を言われているのか分からないし、とにかく打ちひしがれて、自分は何をやったんだろう…何も残せなかった、みたいな。そこが、私の中にずっとあって…映画って私にとって、ずっと分からない存在なんですよ。舞台だと残らないですし、お客さんが見たその瞬間ですから、その時の満足感でできちゃったりするんですけど、映画は残るし、正体が知れない…その怖さと面白さがあると思います。

和田にとって「岬の兄妹」は特別な作品になった

和田 どの作品もそうなんですけど、関わった作品は、やっぱり自分の財産だし、背負ってやっていきたいというのはあるので。今までやってきた作品も、どれも同じように大事…でも、これだけ多くの方の力をお借りしてやっている「岬の兄妹」は、大きく広がって欲しい。自分がどうのこうのと言うよりも、本当に1人でも多くの人に見てもらいたいということだけですね。女性にも、ぜひ見て欲しい。子供を産むとか産まないのを選ぶみたいな、どうやって生きるかという権利を、ちゃんと(女性も)持っているんだという主張…固く言っちゃうと、女性の権限みたいなものも描いている。受け取って、プラスの気持ちになってくれる女の人がいてくれたら、うれしいですね。

インタビューの最後に、和田に聞いた。

「『岬の兄妹』に兄妹愛はあったと思いますか?」

和田 今は…あると思っています。そもそも、私と松浦さんにも、信頼関係がすごいあると思うので、そこのベースがあっての作品。私たちが意識しなくても、ちゃんと届いたんだろうかなと期待しています。

「岬の兄妹」が3月1日に公開されてからも、和田は走り続けている。ピンク映画初主演作「牝と淫獣 お尻でクラクラ」が同月、上映された。そして今、岡山県真庭市を舞台にした映画「やまぶき」(山崎樹一郎監督)の撮影に臨んでいる。東日本大震災の被災地・福島から母子避難した身重女性らを描いた、社会派の群像劇だ。ジャンルを問わず、和田は作品と向き合い続ける。

2019年4月28日        日刊スポーツ


聴覚障がい者は推計1000万人以上、まだまだ必要なバリアフリーとは?

2019年04月29日 13時42分34秒 | 障害者の自立

 耳が不自由な人たちは、電車の遅れ・緊急停止が起こるたびに、そのような不安定な状況に立たされる。鉄道会社や公共施設の関係者に限らず、一般の健聴者にもそのことを踏まえた配慮が求められるだろう。

耳が不自由な人たちがもっとも苦労する「駅の利用」

 障害者手帳を所持する聴覚障がい者の数は、約24万2200人(平成23年度厚生労働省『生活のしづらさに関する調査』)。手帳の交付を受けていない聴覚障がい者も含めると、その数は少なくとも1000万人以上といわれる。日本人の約8%が耳に何らかの障害を抱えていることになる。

 昨今では、「聴覚情報処理障害」(APD)も認知されるようになった。聴力には問題ないが音の認識力が不足する症状で、脳の部分的な障害が原因といわれる。周りに人が多い状況や雑音が入り混じる時の聞き取りに困難が伴うことから、災害時の避難や電車の遅延で混雑する状況ではとくに周囲のサポートが欠かせない。

 聴覚障がい者が最も不便を感じるのが、公共交通機関を利用する時といわれる。彼らにとって情報のよりどころとなる電光掲示板の設置は、大きな駅では進んでいるが地方へ行くとまだ足りない現状がある。文字情報を伝える電光掲示板や電子モニターは車内設置も進んでいるが、電車の遅れや緊急停止を知らせる情報までは表示されない。駅員によるアナウンス放送が流れても、聴覚障がい者には何が起きているのか分からない状況だ。電車の遅延理由、待たされる時間、振り替え輸送で乗り換えるホームなどの情報が伝わらない限り、どう動けばよいか判断できない困難がつきまとう。

 このような状況で頼りにしたい駅員も、混雑時だと全体的な対応に追われて個別配慮が難しくなる。そもそも手話が通じるかどうかという問題もある。駅員が常駐する改札口まで行けば筆談対応も期待できるが、こうした非常時の改札口には問い合わせや払い戻しの乗客が殺到し、長蛇の列になることが多い。障がいを持つ人に個別配慮したくてもできないのが現状だ。

 兵庫県聴覚障がい者協会のろうあ者らで構成される「鉄道バリアフリー推進検討委員会」が数年前に実施した聴覚障がい者向けアンケート調査によると、約6割の人が「電車利用で不便を感じることがある」と答えた。実際に何に困ったかという問いに対しては、「遅延・停車時の情報不足で行動を決められない」という回答が最多。望むバリアフリー設備としては、「電光掲示板を含む情報の可視化」がもっとも多く、そのほか「コミュニケーション器具の設置」「駅員の常駐」「手話を理解するなど接遇改善」などが挙がっている。

 駅によっては、電車の接近を点滅ランプで知らせたり、窓口に簡易筆談器を常備したりするなど、聴覚障がい者向けのバリア解消に積極的なところもある。一部にとどまらず、全体的に広げていけるかが今後の課題だ。

バリアフリー新法に問題あり?

 2006年に制定された「バリアフリー新法」は、施設ごとに格差が生じないようバリアフリー化基準を統一するために作られた法律である。「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインを目標に掲げるが、最善を尽くした設計になっているのだろうか?

 法律を管轄する国道交通省では、毎年、鉄道事業者からの報告をもとに、バリアフリー化の改善状況を公表している。平成29年の報告書には、「駅ホームの段差解消」「転落防止線および視覚障がい者用誘導ブロック」「障がい者対応トイレ」などの設置状況が鉄道会社ごとに表されている。もちろん、段差解消や点字ブロックの設置は重要であるが、電光掲示板や筆談器具の設置など、聴覚障がい者が改善を求めるバリアフリー化の記述がないのが気になるところだ。

 2012年には、全日本ろうあ連盟が国土交通省に対し、聴覚障がい者のためのバリアフリーが不十分として、バリアフリー新法の改正を望む要望書を提出している。そのなかで連盟は、電車内外や駅構内における電光掲示板の表示改善、音声放送の文字化などを求めていた。

 緊急の文字情報を流す電光掲示板の設置を全駅に普及させるにしても、莫大なコストがかかる。鉄道事業者だけにその負担を負わせるのは現実的ではない。国と自治体、事業者が連携していくためのスキームも必要ではないだろうか。

全国に先駆けた鳥取県の取り組み

 バリアフリーは設備の設置といったハード面だけでなく、手話教育などソフト面からのアプローチも重要だ。それをわからせてくれるのが、鳥取県の取り組みである。鳥取県は全国初の「鳥取県手話言語条例」を制定した自治体として、国土交通省から表彰を受けた。県は手話施策を特に重視し、県民や事業者と協力しながら聴覚障がい者向けバリアフリーの普及を目指している。

 駅・バスターミナルを含む県内9カ所には、職員がタブレットを使って聴覚障がい者と会話する「遠隔手話通訳サービス」が導入されている。遠隔操作システムでつながった手話通話者を介したコミュニケーションで、職員の発した声を文字情報に変換する「音声文字変換システム」も同時利用できる。またJR鳥取駅では、手話研修の実施や毎朝の点呼時に手話を10個覚える取り組みなどを通して、手話理解のための教育に励んでいる。

 手話に通じた駅員が増えれば、いざというときのコミュニケーションに役立ち、行動の手助けともなる。しかも、大がかりな工事も必要なくローコストだ。鳥取県の取り組みが全国に広がれば、緊急時における情報障害もだいぶ改善されるのではないか。

 冒頭でお伝えした『令和』発表のアクシデントに対して、新しい時代の幕開けにふさわしいという評判もあった。評判だけで終わらせないためには、政府・自治体・事業者の中身ある取り組みと、聴覚障がいに対する国民の理解が欠かせない。

wezzy        2019.04.28