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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

中3で初めて「性器の洗い方」を知る子どもーー障害者の「性教育」はどうあるべきか?

2015年07月19日 02時12分38秒 | 障害者の自立

障害のある人の「性」はタブー視されがちだ。障害をもつ人の性にどう向き合っていくべきか。その具体的な支援策や教育は不十分ではないか。そんな問題意識から、障害者の性や恋愛、結婚、セックスについて真正面から考えるシンポジウム「生と性のバリアフリーフォーラム2015」(主催・一般社団法人ホワイトハンズ)が7月11日、東京都内で開催された。

 シンポジウムに登壇した日本福祉大学教授の木全和巳さんは、障害を持つ子どもへの性教育の問題点を指摘。「これはダメ、あれもダメ」と上から禁止するような指導方法や、そもそも性教育を行わない教育の現状について、「性について知りたい欲求があるのに『学び』から遠ざけるのは、人権侵害だ」と訴えた。

 ●「男女が話すときはバドミントンをする距離で」

 木全さんは、児童養護施設や知的障害児施設などでの勤務経験があり、障害がある人とその家族の支援のあり方を研究している。木全さんのもとには「障害者の性」に関する相談が数多く寄せられるが、先日、ある特別支援学校の養護教諭から届いたメールにショックを受けたそうだ。

 「設立8年目となるその学校では、今まで、生徒たちの性教育について、職員研修をしたことが一度もないとのこと。他の子どもに抱きついたりしても、個別指導しかしていない。『小・中・高等部それぞれの段階で、どんな性教育を行えばいいのか』。メールにはそんな質問が書いてありました。それは今さら聞くことなのか、とショックでしたね」

 障害者の性教育をめぐる難しさは、障害のある子どもと一口に言っても、1人1人の性別や年齢、身体の成熟度合いや、障害のタイプ、育った家庭環境などが千差万別であることだ。それぞれが抱える性の課題は大きく異なるため、個別的な指導が中心となる。そのため、学校や施設で系統的な指導が行われていないことが問題だと、木全さんは指摘する。

 また、性教育の内容が「禁止型」になりがちなのも、悪い傾向だという。

 「性教育を行っているところでも、これをしちゃダメ、と押さえつけるような指導をしがちです。『男女が話すときはバドミントンをする距離で』とか、先生が定規を持ってきて『40センチ離れなさい』と指導するところもあります」

 ●模型を使って「性器の洗い方」を教える

 そこで木全さんは、学校や家庭で教えきれない部分をサポートすることを目的に、年に数回、地域の子どもたちを対象にした「性教育の講座」を開催している。

 たとえば、思春期まっただ中の障害のある子どもたちを対象にした講座では、自分の気持ちを他者に伝えるワークショップなどを行い、他者との関係の築き方を教える。木全さんのゼミに所属する学生と2人でお昼を食べに行く「模擬デート」を行うこともある。

 そのうえで、思春期の身体の変化や、赤ちゃんが生まれる過程を模型や映像で伝え、身体と心の変化を肯定的に受け止めさせる狙いだ。「男女に分かれて、模型を使って『性器の洗い方』も教えます」。その講座を受けた中学3年生の男子生徒は、母親に「お風呂でこうやって洗うんだよ」と誇らしげに話したという。

 「お母さんは『とっても嬉しかった』と言っていました。でも、それはつまり、中3になるまで誰も教えてなかったのか、ということなんです」と、木全さんは語る。

 「その子自身が、人生や生活の主人公として、他者と尊敬しあいながら生きて行くうえで、生と性の学びは欠かせない。たとえどんな障害があろうと、自分の身体に起こること、異性の身体に起こることを『知りたい』という欲求がある。それなのに、学びから遠ざけるのは人権侵害。『学習する権利』を奪ってはいけないと思います」

2015年07月18日     弁護士ドットコム


障害児の母ら、悩み共有

2015年07月19日 02時06分48秒 | 障害者の自立

 障害を持つ子の親に「あるある」という悩みを共有しよう――そんな団体が毎月1回、寺尾地区センターで活動を続けている。「ひらけ 生きづらい子どもの母親の会」だ。

 昨年4月に設立されたこの団体。きっかけは、障害者の見守り活動などを行う「りんくるつるみ」に勤めていた菱沼由美さん(52・北寺尾在住)が、障害者の母親のためのカフェに顔を出したことだったという。

 「悩みや不安を抱えている人が多かった。何かお手伝いできることがあるのでは」。菱沼さんが障害をもつ子の母親5人に声をかけ、自宅ではじめて集会を開催すると、会話はとめどなく溢れた。「ゆるくざっくばらんに話せるのがいい」。それぞれ知り合いを誘い、同センターで毎月開催するようになった。

 メンバーの藤代真由美さん(50・豊岡町在住)は「自分の意見を言えるし、『こうしてみたら』というアドバイスも返ってくる。みんな色んなことを知っていて、この場がとても楽しみ」と話す。

一人で悩まないで

 7月9日に行われた集会では、とある発達障害の子の母親が「検査に異常が無くても、学校側から再検査を要求される」と苦悩を吐露すると、他のメンバーが「うちも全く同じだった」と共感していた。菱沼さんは「一人で悩んでしまうお母さんが多い。一人じゃないということを伝えていきたい」と呼びかけている。

菱沼さん(中央左)とメンバー

2015年7月19日    タウンニュース


「手話言語条例」制定を

2015年07月19日 01時58分22秒 | 障害者の自立

 諫早市内の聴覚障害者が「手話言語条例」を求め、市内各地で署名活動に取り組んでいる。約5千人の署名を目標にしており、9月にも市議会に提出する予定だ。

 手話言語条例は、耳が聞こえない子どもが手話で教育を受けたり、市内の至る所で手話通訳が付いたりするなど、聴覚障害者が情報を得やすくする。九州では佐賀県嬉野市が同様の条例を制定しているという。

 聴覚障害者や手話通訳者らでつくる「手話でGO!実行委員会」(原田保宏実行委員長)が中心となり、今年4月から署名活動を展開。具体的には市内の病院で聴覚障害のある子どもを診察する際、保護者に手話について正しい知識を伝えたり、地元のケーブルテレビで手話通訳を付けたりすることを求めている。

 署名活動は不定期に市役所前やアーケードなどで実施。JR諫早駅や諫早消防署、銀行など市内の主要機関には同会のメンバーが出向き、同条例の趣旨を説明し、協力を求めている。

 現在、署名は約2千人。13日は市内の聴覚障害者ら約10人が、市役所前で同条例の必要性を訴えた。同会の原田育子さんは「手話であいさつしてもらえる地域にしたい」と手話で伝えた。

「手話言語条例」を求め、署名を呼び掛ける諫早市内の聴覚障害者ら

(2015年7月17日更新)
長崎新聞

読み書き苦手な子、手助け

2015年07月19日 01時50分08秒 | 障害者の自立

 読むことや書くことが不得手で、支援を必要とする子どもの学習に、ICT(情報通信技術)が活用されている。

 6月中旬の放課後、東京都葛飾区立高砂小の教室で、3年生3人がそれぞれのタブレット端末をのぞき込んだ。画面には走る子どもの絵の左側に「かっけこ」「かけっこ」「かけこ」と三つの選択肢が並び、正解を選ぶと花丸が表示される。「よっしゃ」と声を上げ、次々と問題を解く児童も。戸惑う児童には塩田太郎教諭(40)が声を掛け、一緒に単語を読み上げた。

 児童が取り組んでいるのは、学研教育みらい(東京都)などが、読むことが苦手な子どもを早期に把握し支援するために開発した指導法のデジタル教材だ。プリント版はすでに市販されており、文部科学省の委託で同社が昨年度からデジタル版の開発に取り組んでいる。

 同小は同社の協力校で、全児童対象のテストを今春実施。促音の「っ」など特殊音節でつまずいた児童が給食準備中や放課後の約15分間に学年ごとに集まり、問題に取り組む。デジタル版では音声で理解を助けるほか、児童がタブレットを操作して何回もチャレンジできる。「子どもから『またやりたい』という声が必ず出る」と塩田教諭。

 読むことが苦手な児童は早めに支援しないと、教科書を理解できず、授業についていけなくなる場合が多い。木室忠明校長は「教科の勉強や日常生活に影響する前に児童の力を伸ばしたい。デジタル版は楽しんで取り組むことができ、学習意欲が高まる」と話す。

 文科省の2012年の抽出調査で公立小中学生の約6・5%に発達障害の可能性があると推定され、このうち個別の支援を受けていない児童生徒は38・6%だった。11年の障害者基本法改正で「適切な教材等の提供」が盛り込まれ、同省は「発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック」の発行を委託するなど、ICTによる支援を後押ししている。書き順を動画で確認するデジタル教材や、タブレット端末で板書を撮影する例などが広がっている。

 ただ、ICTの導入だけで、学習が進むわけではない。西日本の公立小学校で長年、発達障害の児童らを指導してきた教員は、「一人ずつ苦手なことは違い、教員がそれぞれに適した支援をすることが重要だ」と指摘する。教員の指導力が求められ、熊谷恵子・筑波大教授(発達障害心理学)は「ICTになじみが薄く、抵抗感を抱く教員もいるが、学習内容をより深められるので、活用方法を模索してほしい」と話している。

2015年07月17日     Copyright © The Yomiuri Shimbun


障害持つ子ら、オペラの舞台に…プロと共演

2015年07月19日 01時45分11秒 | 障害者の自立

 地方都市でのオペラ上演の新しい試みとして、3月15日に岡山シンフォニーホール(岡山市)で行われた、20世紀米国の作曲家メノッティの「アマールと夜の訪問者たち」公演に注目が集まっている。

 この公演は、障害を持つ人が入所する施設などを運営する社会福祉法人旭川荘と同ホールが共同企画した。三宅理恵、永井和子、直野資、高橋啓三ら一流の歌手陣に加え、障害を持つ児童・生徒9人と介護職員ら合わせて約40人が合唱で参加。地元の岡山フィルハーモニック管弦楽団と園田隆一郎の指揮で見応えのある舞台となった=写真=。

 約1時間のこの作品は、足が不自由な羊飼いの少年と母親の愛を描いた物語。3年前から計画してきた総監督の瀧井たきい敬子・くらしき作陽大特任教授は、「障害を持っていてもプロの音楽家と同じ舞台に立てることを、大勢の人に見てもらいたかった」と狙いを話す。

 合唱は5か月かけて練習を積み、演出を担当した粟國あぐに淳の指導で純朴な羊飼いたちを熱演。車いすで参加した合唱メンバーもいたが、その演技はハンデをほとんど感じさせず、音楽を楽しめた。約1300人の観客からは終演後、盛大な拍手が送られた。

 障害者が参加する音楽イベントは、ともすると「参加することに意義がある」で終わりがちだ。しかし、明確な目標と入念な準備の下、目的意識を共有するハイレベルの出演者・スタッフが集まったことで、関係者の間に強い一体感が生まれた。

 今回の上演は旭川荘の60周年記念事業の一環で、潤沢な予算を組んで行われた。採算性を考慮する必要がなかったという点で特別なケースといえるが、「こういう形でオペラが社会貢献できることを示せたことが重要」(瀧井総監督)。地方でのクラシック音楽振興の新たな可能性につながることを期待したい。

2015年07月18日     Copyright © The Yomiuri Shimbun