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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

模索続く米国の障害者教育 カギ握る社会との関わり

2014年10月26日 01時12分25秒 | 障害者の自立

 米国で障害者教育のあり方について模索が続いている。米国では障害者も通常の学校に通うのが一般的だが、実際には別々に授業を受けているケースが多く、障害者の教育機会は十分ではないとも指摘される。2011年から可能になった、ダウン症など染色体異常に関する新出生前診断が障害者排除を助長しかねないとの懸念も出るなか、障害者と社会の関わりの深化が求められている。

 「ワン、ツー、スリー、フォー」。ボストン近郊のウィリアム・ヘンダーソン・インクルージョン・スクールの5歳児クラス。子供たちは目の前の担任教員に合わせて大きな声で歌いながら、数字の勉強の真っ最中だった。しかし別の教員に付き添われた1人の男の子は歌っている様子はない。手元の冊子を見つめ、手にした棒でページに印刷された文字をうれしそうにたどっているだけだ。

 「彼は障害で授業に集中することが難しいけど、印刷された歌詞と棒があれば落ち着くことができる。これが彼がみんなと同じ授業に参加するための一番の方法なんです」。同校のマーク・オコーナー校長補佐が解説してくれた。

 同校ではダウン症や自閉症などの障害をもった生徒と障害のない生徒が全て同じ授業を受ける。昨年までは5歳児から5年生までの小学校だったが、今秋からは高校生も受け入れ、生徒数が約660人に増えた。各クラス二十数人のうち5人が障害を持っており、担任教員1人、補助教員2人がチームで授業を進める。タブレット型端末で各自の発達程度にあった読書の教材を選んで使うなど、IT技術も活用されている。

 米国では3~21歳の障害者に無償の公的教育が提供される。しかし授業の8割以上を通常クラスで過ごす知的障害者は約18%にとどまる。知的障害者への心理的な壁も高く、知的障害を伴うことが多いダウン症の出生前診断が陽性の場合、夫婦の93%が妊娠中絶を選んだとの統計もある。

 米国では11年10月から、母体への負担が少ない血液検査だけで胎児に染色体異常がないことを判定できる新出生前診断が可能になり、障害を理由にした中絶に拍車をかけるとの指摘も出ている。

 ボストン市内のマサチューセッツ総合病院でダウン症の研究を続けるブライアン・スコトコ医師は「社会にはダウン症者は不幸な人生を送るという思い込みがある」と残念そうに話す。

 しかしスコトコ氏らが12~51歳のダウン症者276人を対象に行った学術研究では、ダウン症者の99%は自らを幸せだと考えていると結論づけられている。

 自らもダウン症者の妹を持つスコトコ氏は「ダウン症者が公共の場で過ごす機会を増やして、障害のない人たちにダウン症のことを知ってもらう必要がある。出生前診断が陽性だった夫婦にはダウン症者の家族と会う機会を設けるなど、バランスのとれた情報提供が重要だ」と強調する。

 「この教室にいるのは23人だ!」。同校の5歳児クラスでの授業で、各自に配られたブロックを集めて教室にいる子供の数が分かると、障害の有無を問わず全員から笑みがこぼれた。

 理解が追いつかない部分で補助教員と1対1で授業を受ける子供がいても、授業に集中しきれずに短時間だけ遊具室で遊ぶ子供がいても、学校全体の調和は乱れない。実際、同校の学習成績は学区内トップで、小学校だけだった昨秋には入学待ちのリストが750人に達していたという。

 同校の補助教員、ビクトリア・コンラッドさんは手足のまひや言葉の障害を抱えながら同校で学び、その後、大学まで卒業した。

 「全ての子供の能力や個性には違いがある。その違いを受け入れるオープンな心が大切なのです」

インクルージョン・スクール

 障害をもった生徒と障害を持たない生徒が同じ授業を受けるシステムを全校規模で採用している学校。専門知識を持った補助教員やコンピューターなども活用し、知的障害、視覚障害、聴覚障害などを持ったさまざまなタイプの生徒を受け入れる。障害者向けの特別学級を設けるケースよりも障害者側の学習意欲が向上するうえ、障害を持たない生徒の側も多様性を受け入れる価値観が身につくとされる。

2014.10.24 17:00   産経ニュース


障害者ファッションショー:元タカラジェンヌ指導 上尾できょう /埼玉

2014年10月26日 01時08分36秒 | 障害者の自立

 障害を持つ人がリハビリを行う県総合リハビリテーションセンター(上尾市西貝塚)で25日、利用者自身がモデルとなるダンス・ファッションショーが開かれる。今年が2回目で、川越市に住む元宝塚歌劇団の中山真弓=芸名・飛翔ひかる=さんがダンス6曲を振り付けた。午前10時半開始で入場無料。

  ショーは「障害のある人にも着たい服を着てほしい」と、県が昨年度から開始。ショーでモデルが着る洋服のデザインは大妻女子大学家政学部被服学科の学生が行った。

 モデルを務めるのは利用者6人。さいたま市北区の公務員、中川則子さんは跳び箱を跳ぶ際の事故で頸椎(けいつい)を損傷し、両足まひの障害で車いす生活を送っている。中川さんは「一緒に練習した飛翔さんが後ろから車いすを自然と押してくれたので、やりやすかった。最後のポーズは決めたい」と意気込む。飛翔さんは「やっている人自身が楽しんでほしい」と話した。

毎日新聞 2014年10月25日 地方版


盲導犬、深く理解を 古川学園中で研究発表

2014年10月26日 01時02分57秒 | 障害者の自立

 古川学園中(大崎市)の2年生グループが、26日の学園祭で「盲導犬について-助ける命と助けられる命」と題する研究発表を行う。「7月に埼玉県で起きた、盲導犬刺傷事件がきっかけ」と生徒。日本盲導犬協会仙台訓練センターの協力で、盲導犬育成などにかかわる人たちの生の声を伝え、募金も呼び掛ける。

 この研究発表を提案した佐藤幸君(14)は「盲導犬刺傷事件にショックを受けた。9月28日の河北新報くらし面に載った『補助犬、正しい理解を』という記事を読み、何かできないかと考えていた」と語る。
 学園祭に向け、クラスで共同発表者を募ったところ、16人が賛同。仙台訓練センターの紹介で、子犬を育てる人、訓練する人、役目を終えた老犬の世話をする人の声を手分けして集めた。
 「盲導犬がほえないのは、厳しく訓練されているからでしょう?」「それは動物虐待に当たらないの?」といった疑問に関する回答や、視覚障害者の日常について理解を深めてもらう内容になりそうだという。
 学校側は「お化け屋敷などアトラクション的な提案が多い中、文化祭にふさわしい展示になる」と見守る。仙台訓練センターは「視覚障害者だけでなく、障害のある人全般に目を向けてくれる若者に育ってほしい」と、生徒たちの活動に期待している。
 学園祭の一般公開時間は午前10時半~午後2時。連絡先は、古川学園中学校・高等学校0229(22)2545。

 

盲導犬に関する研究発表の準備をする、古川学園中の2年生グループ

2014年10月25日土曜日     河北新報


障がい者 日中連携を 沖国大でシンポ、中国の実情紹介

2014年10月26日 00時57分11秒 | 障害者の自立

 障がいを社会や文化の視点で捉え、逆に障がいを切り口に社会や文化の在り方を考える「障害学」の東アジアでの連携に向けたセミナーとシンポジウムが18日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれた。50人余が訪れた。「中国の障害学から学ぶ」(沖縄国際大学南島文化研究所主催)とシンポジウム「東アジアの障害学のネットワークに向けて」(障害者の権利条約の実施過程研究会、エンパワメント沖縄、障害学会沖縄大会実行委員会主催)で、中国の障がい者権利運動の実情を聞き、国境を超えた連携を模索した。
 11月8日に同大で開催される「第11回障害学会沖縄大会」の事前企画として実施された。進行には音声文字通訳と手話通訳がついた。
 セミナーに登壇した中国の障がい者団体「ワンプラスワン」のカイ・コンさんやフ・ガオシャンさんによれば、中国における当事者運動は1980年代以降ようやく動きだしたという。その中で障がい者の権利擁護という観念を打ち立て、新たな職域の確保を推進してきたのが同団体だ。コンさんは「過去40年間、障がい者の権利運動は政府に進められ、管理される歩みをたどってきた」と振り返るが、2008年の北京パラリンピック開催と相まって障がい者の権利意識は一定程度向上したという。
 08年、中国政府は国連の「障害者権利条約」を批准したが、条約履行義務の実施状況に対し「ワンプラスワン」は非政府組織としてのシャドーレポートを同国内で初めて国連に提出した。例として第10条「生命に対する権利」では、貧困や差別のために人身売買や誘拐の対象となり労働力として搾取される農村や貧困地域の障がい児について、強制労働も人身売買とみなして処罰対象とすることを提案した。一方でガオシャンさんは、政府との対立を招く結果にならないよう苦心して活動を進めている現状も語った。
 コンさんは「日本の障がい者福祉団体のレベルは高く、外国から見ても垂ぜんの的だ。日本の団体と連携して一緒に権利擁護に取り組んでいきたい」と話した。

東アジアの「障害学」の連携に向け、中国の事例を発表したフ・ガオシャンさん(右)=18日、宜野湾市の沖縄国際大学

2014年10月25日     琉球新報