応能負担を原則に
相談支援体制も強化
障がい者が福祉サービスを利用する際の負担について、所得に応じて上限額を設定する「応能負担」へ改めることを柱とする障害者自立支援法改正案が3月31日に閣議決定され、今国会に提出された。改正の主なポイントについて、与党障害者自立支援に関するプロジェクトチーム(PT)座長代理の高木美智代衆院議員(公明党)に聞いた。
――利用者負担はどうなるのか。
高木 今回の法改正では、2007年12月にまとめた与党PTの報告書に基づいて、さらに検討を行い、今年2月に与党PTの基本方針をまとめました。その結果、介護保険法との整合性を考慮した仕組みを解消し、障がい者福祉の原点に立ち返って、抜本的な見直しをすることとしました。
利用者負担については、これまでの「応益負担」「1割負担」を改め、利用者の負担能力に応じた「応能負担」を原則にします。すでに負担上限額を大幅に軽減する特別対策などを講じてきましたが、法律上も明確化するとともに、現行の負担水準を恒久化します。
さらに、障害福祉サービス費と補装具費を合算して基準額を超える場合、超える額が返還されることになります。
――障がい者の範囲を見直したが。
高木 今回、発達障がい者を障がい者の範囲に含めることを法律に明記しました。これによって、これまで以上に障害者自立支援法のサービスが受けやすくなります。また、高次脳機能障害についても、対象となることを大臣告示や通知などで明確にします。
一方、障害程度区分の名称や定義については、介護保険を基本とした判定の方法を改め、障がいの多様な特性を踏まえて、心身の状態を十分反映したものとするよう、ゼロからの見直しが求められていました。そこで、名称を「障害支援区分」に改め、障がいの程度を示すのではなく、必要とされる支援の度合いを総合的に示すための区分であるとの趣旨を明確にしました。
また、支給を決定する際、障がい者を取り巻く環境を含め判断することも法律上で明記しました。なお、現在、施設に入所している方は、今後も継続して利用できることとしています。
――相談支援体制の強化については。
高木 地域で暮らすためには、相談支援が必要不可欠です。しかし、現状は市町村で取り組みに差があることから、相談支援体制を強化するため、各市町村に中心となる総合的な相談支援センターを設置することとしました。
また、地域での基盤整備に重要な役割を果たす自立支援協議会を法律に明記し、同協議会の設置促進や運営の活性化を図ります。
――障がい児支援はどうなるのか。
高木 児童福祉法を基本とし、障がい種別に分かれている現行の障がい児施設(通所・入所)を一元化し、重複障がいに対応するとともに、身近な地域で支援が受けられるようにします。
さらに、学齢期での支援を充実させるため、「放課後等デイサービス事業」を創設し、小・中学校、高校段階で、放課後や長期の休み等に利用できるようにします。
また、児童発達支援センターが、通いによる指導・訓練等の支援に加え、放課後デイサービス事業や相談支援事業などいくつかの事業を併せて実施することにより、ライフステージに応じた総合的な支援を行うことが可能となります。
相談支援体制も強化
障がい者が福祉サービスを利用する際の負担について、所得に応じて上限額を設定する「応能負担」へ改めることを柱とする障害者自立支援法改正案が3月31日に閣議決定され、今国会に提出された。改正の主なポイントについて、与党障害者自立支援に関するプロジェクトチーム(PT)座長代理の高木美智代衆院議員(公明党)に聞いた。
――利用者負担はどうなるのか。
高木 今回の法改正では、2007年12月にまとめた与党PTの報告書に基づいて、さらに検討を行い、今年2月に与党PTの基本方針をまとめました。その結果、介護保険法との整合性を考慮した仕組みを解消し、障がい者福祉の原点に立ち返って、抜本的な見直しをすることとしました。
利用者負担については、これまでの「応益負担」「1割負担」を改め、利用者の負担能力に応じた「応能負担」を原則にします。すでに負担上限額を大幅に軽減する特別対策などを講じてきましたが、法律上も明確化するとともに、現行の負担水準を恒久化します。
さらに、障害福祉サービス費と補装具費を合算して基準額を超える場合、超える額が返還されることになります。
――障がい者の範囲を見直したが。
高木 今回、発達障がい者を障がい者の範囲に含めることを法律に明記しました。これによって、これまで以上に障害者自立支援法のサービスが受けやすくなります。また、高次脳機能障害についても、対象となることを大臣告示や通知などで明確にします。
一方、障害程度区分の名称や定義については、介護保険を基本とした判定の方法を改め、障がいの多様な特性を踏まえて、心身の状態を十分反映したものとするよう、ゼロからの見直しが求められていました。そこで、名称を「障害支援区分」に改め、障がいの程度を示すのではなく、必要とされる支援の度合いを総合的に示すための区分であるとの趣旨を明確にしました。
また、支給を決定する際、障がい者を取り巻く環境を含め判断することも法律上で明記しました。なお、現在、施設に入所している方は、今後も継続して利用できることとしています。
――相談支援体制の強化については。
高木 地域で暮らすためには、相談支援が必要不可欠です。しかし、現状は市町村で取り組みに差があることから、相談支援体制を強化するため、各市町村に中心となる総合的な相談支援センターを設置することとしました。
また、地域での基盤整備に重要な役割を果たす自立支援協議会を法律に明記し、同協議会の設置促進や運営の活性化を図ります。
――障がい児支援はどうなるのか。
高木 児童福祉法を基本とし、障がい種別に分かれている現行の障がい児施設(通所・入所)を一元化し、重複障がいに対応するとともに、身近な地域で支援が受けられるようにします。
さらに、学齢期での支援を充実させるため、「放課後等デイサービス事業」を創設し、小・中学校、高校段階で、放課後や長期の休み等に利用できるようにします。
また、児童発達支援センターが、通いによる指導・訓練等の支援に加え、放課後デイサービス事業や相談支援事業などいくつかの事業を併せて実施することにより、ライフステージに応じた総合的な支援を行うことが可能となります。