ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

働く:第1部 逆風の中で/6 障害者 /広島

2009年01月09日 23時55分37秒 | 障害者の自立
◇就労現場にも不況の嵐
 白壁が印象的な土蔵の玄関に掲げられた「縄文あいす」の看板。JR芸備線沿いの県道を広島市から安芸高田市に入ると、知的障害者の共同ホームなどを運営する「ひとは福祉会」のショップ「ひとは館」が見える。地元産の古代米を使ったオリジナルのアイスクリームが人気。冬でも客足は途絶えない。

 隣接するホームで暮らす池岡心さん(24)は約3年前から、この店で働く。アイスを盛ったり、取り扱っている食品の注文、賞味期限の点検、レジ打ちなど、受け持つ仕事は多い。「最初はよく、計算間違いをした。今はお客さんといろいろ話しながら、楽しく働いています」と言う。

 アイスは職人から技術や素材を習った本格派。03年にオープンすると、街道沿いの立地もあって評判になった。同会は作業所なども手がけるが、ひとは館は収益の4割を稼ぐ。「安定した運営のためには、自主事業をしっかりとしたい」。理事長の寺尾文尚さん(62)は、最近の経済危機を前に痛感する。作業所部門では、自動車部品会社からドアパッキンの加工を受注しているが、秋以降に4分の1に減った。「運営を揺るがすほどではない」と言うが、長引けば支払う給与に響く。

 障害者の就労を巡る環境は厳しい。クッキーやパンなどの食製品は昨年の原材料高で利益が圧縮され、世界同時不況で受注事業は激減した。全国の共同作業所などでつくる「きょうされん」の県支部事務局長、井上一成さん(54)は「私たちには対処できない世界経済の事情で、しわ寄せを受けている」とさえない。06年施行の障害者自立支援法による事業所報酬の抑制なども影響は深刻という。

 理事を務める「もみじ福祉会」(中区)の作業所は、自動車会社の孫請けで受注していた段ボール製造の収益が3分の2に落ちた。「働くことが障害者の生きがいや達成感、社会参加につながる。どの施設も今は苦しい。競い合いではなく、協力しながら乗り越えたい」と前を向く。

 カタログやインターネットを通じた販売など各施設は知恵を絞るが、寺尾さんは「地域との結びつき」に心を砕く。山あいの小さな集落。祭りなどの行事に積極的に参加し、施設の催しにも来てもらう。「ひとは館」は交流の拠点でもある。

 池岡さんは「お客さんに『おいしいね』『ありがとう』と言ってもらえるのが、うれしい」と充実感を口にする。逆境の今こそ、「働きがい」が支えになる。

◇データ
 作業所などで働いた障害者が得る工賃(賃金)はどれくらいか。07年度の県調査(月額平均)では、身体障害者関係1万7176円▽知的障害者関係1万1992円▽精神障害者関係1万4876円--などとなっている。仕事の内容や障害の程度によって、工賃は大きく異なる。障害者自立支援法の施行を受けて、国は「工賃倍増5カ年計画」を始めたが、厳しい経済情勢下では容易ではない。


障害福祉サービス:負担軽減、対象拡大 貯金多い人も大丈夫--厚労省方針

2009年01月09日 23時51分59秒 | 障害者の自立
 厚生労働省は、障害福祉サービスの費用を障害者が一部負担する利用者負担について、一定の資産がある障害者が低所得者向けの軽減措置を受けられない資産要件を09年7月から撤廃することを決めた。08年度までの期限で行っている軽減措置は09年度以降も継続する。

 障害者自立支援法に基づき、利用者負担は原則1割だが、低所得の障害者は負担が大きい。継続する年限は検討中という。

 負担軽減措置は07、08年に2回実施された。厚労省によると、障害者の平均的な負担率は約3%。市民税などの非課税世帯で本人の年収が80万円以下の場合、負担限度額は月額1万5000円から1500円になった。

 ただ現行では、所有する現金や預貯金などが一定以下(単身の場合500万円以下)とする資産要件によって低所得でも適用されない障害者がいるため、要件撤廃に踏み切る。申請時に資産を確認することに対する批判も出ていた

障害者の地域移行促進 県がプラン見直し /佐賀県

2009年01月09日 23時47分35秒 | 障害者の自立
 県は、障害者施策の基本指針となる「県新障害者プラン」の見直し案をまとめた。実施計画となる「第2期障害福祉計画」(2009-11年度)の素案では、障害者の地域移行を重点項目に掲げ、第1期の目標から2倍前後引き上げ、11年度までに福祉施設入所者(05年10月時点で1731人)の2割以上を地域に戻すことを明示した。


 8日の県障害者施策推進協議会(会長・斎場三十四佐賀大教授)で提示。地域移行の目標は国の目標値の2倍になっており、委員からは「自立支援法の見直し前に、こんなに高い目標設定をするのはどうか」などの意見が出された。県では2月下旬からパブリックコメントを実施、その意見や委員の提言を受けて、3月末に最終案をまとめる。


 「プラン」は04年に策定。その後、障害者自立支援法の施行や障害福祉関係の法改正など環境が変わったため見直しを検討。本年度までで第1期が終わる「計画」と一緒に素案をまとめた。


 「計画」では、施設入所者の地域移行に重点を置く。第1期(06-08年度)では11年度までに入所者の1割以上を地域のグループホームなどに移行させるとしていたのを、第2期では2割以上に設定。入所者総数については新規入所を含め8%以上減の目標を、14%以上に引き上げた。受け皿としてグループホームの整備、地域自立支援協議会の設置、短期間の試行雇用の促進などを進める。


 県障害福祉課では「市町から実績、見通しを積み上げた数字なので、高すぎる目標だとは考えていない。受け皿整備など幅広く展開しており、さらに取り組みを進めたい」としている。


 「プラン」には、発達障害者、高次脳機能障害者への相談支援、自殺者対策の充実などを新たに盛り込んだ。


どちらが切符用?カード専用改札機増加で視覚障害者が困惑

2009年01月09日 23時45分16秒 | 障害者の自立
 「Suica(スイカ)」や「PASMO(パスモ)」などICカード乗車券専用の自動改札機の導入が鉄道各社で進む中、視覚障害者の間から不満の声が出ている。

 視覚障害者は改札機が表示する残高が見えないことなどから切符を使う人も多いが、ICカードと切符の両方が使える従来型「併用機」と、ICカード「専用機」との区別がつかず、専用機の前で立ち往生してしまうという。

 専用機の配置場所は駅ごとに異なっており、識者から「配置する際のルールを考えるべきだ」との指摘が出ている。

 2001年に導入が始まったICカード乗車券は、カードをかざすだけで改札機を通過でき、切符を買う手間が省けるため、急速に普及が進んだ。鉄道会社での利用率は約7割に達する。

 当初は、ICカードと切符などが両方使える併用機だけだったが、ICカードが普及したため、JR東日本の場合、2005年2月に新宿駅で初めて専用機を正式導入。昨年3月末時点で、専用機は同社の駅の自動改札機の1割強にあたる494か所を占める。首都圏の私鉄9社でも導入が進み、最も多い東急電鉄の場合、4割近い274か所が専用機となっているという。

 専用機は、切符などを内部に取り込んで読み取る併用機より故障が少なく、鉄道会社にとっても維持費削減のメリットがある。

 こうした中、東京視覚障害者協会(東京)は昨年10月、JR東日本に改善を求める要請書を提出した。同協会によると、視覚障害者はICカード乗車券を使う人もいるが、改札機の残高表示が見えず、接触不良や残高不足でブザーが鳴った時に混乱するため、慣れた切符の方を使う人も多い。しかし、改札機にじかに触れるまで専用機か従来機かの区別がつかず、切符で専用機を通過しようとして立ち往生するケースが相次いでいるという。

 同協会では「専用機は廃止してほしい。廃止できないなら、どれが専用機か分かるようにして」と要望。これまでJR東日本は障害者に対し有人改札口の利用を勧めてきたが、これについても協会側は「問い合わせの客で込み合って長時間待たされることも多い」とし、「自動改札で戸惑っている時に後ろの客から舌打ちされてつらい思いをしてきた。便利さの陰に隠れがちな障害者のことも忘れないで」と訴えている。

 これに対し、JR東日本では「構造上の理由などで駅ごとに専用機の配置が異なる。安全上の問題も含めさらに対応を検討したい」としている。東急では、点字ブロックで併用機に誘導する対応をとっている。

 自身も盲ろう者の福島智・東大教授(バリアフリー論)は「各社や駅ごとに専用機の配置がバラバラで、『併用機は必ず端に残す』などのルールもない。障害者団体の意見を聞くなどして統一すべきだった。各社には、専用機近くでアナウンスを流したりする工夫が求められる」と指摘している。

タッチスクリーン人気に視覚障害者が懸念

2009年01月09日 23時44分16秒 | 障害者の自立
iPhoneが火付け役になり、タッチスクリーンが人気だが、目で見て操作しなければ使いこなせないこともあり、視覚障害者の懸念を呼んでいる。(ロイター)
2009年01月09日 16時59分 更新
 AppleのiPhoneが火を付けたタッチスクリーンガジェットのブームを受け、家電製品が視覚障害者の手が届かないものになるのではないかという懸念が高まっている。

 モータウンの代表的アーティスト、スティービー・ワンダーなど、視覚障害者の権利擁護派は今週、ラスベガスで開催の世界最大のガジェット展示会Consumer Electronics Show(CES)を訪れ、メーカー各社に視覚障害者のニーズを考慮するよう求めた。

 スティービー・ワンダーは同イベントで、実現してほしいものとして、彼が自分で運転できる車――実現には「ほど遠い」だろうと彼自身も認めている――や、自分で操作できるSirius XMの衛星ラジオなどを挙げた。

 「皆さんがもう数歩踏み出すことができれば、われわれにガジェットを使うことの興奮や喜び、自由を与えられる」と彼は語った。

 一部の企業は自社の製品を視覚障害者にも利用できるようにしており、場合によっては意図せずにそうなった場合もあるとスティービー・ワンダーは話した。彼はお気に入りのガジェットとしてiPodとResearch In Motion(RIM)のBlackBerryを挙げた。

 権利擁護派は、製品設計者が視覚障害者のニーズを考慮に入れれば、視覚障害のない人にも使いやすい製品ができるだろうと主張している。

 喜ばしいのは、メーカー各社がアクセシビリティのある製品を製造するのに、多額の費用を掛ける必要も、革新を断念する必要もないということだと、National Federation For The Blind(NFB)の広報担当者クリス・ダニエルセン氏は言う。

 「技術の進歩を止めようとは思わない」と同氏。「われわれが主張しているのは、シンプルになるようにインタフェースを考えて作ってほしいということだ。製品のユーザーインタフェースがシンプルであるほど、視覚障害者のある人でもない人でも、より多くの人に訴求する」

タッチスクリーンで操作が難しく
 タッチスクリーン人気により、テレビやステレオのようなかつては単純だった製品が、視覚障害者にとって使いにくいものになっている。そうした機器をうまく使いこなすには、複数のメニューを目で見て操作する必要があることが多い。

 「新しいデジタルデバイスでそれが問題になってきている。メニューやサブメニューの下に埋もれる機能を次々に加えるのは簡単だ」とアクセシビリティある選択肢に取り組むNational Public Radio(NPR)のCTO(最高技術責任者)マイク・スターリング氏は言う。

 メーカーは電卓や腕時計からコンピュータ、音楽プレーヤーまであらゆるものにタッチスクリーンを導入している。

 視覚障害のあるSendero Groupのマイク・メイ社長は、「私はスキーで時速60マイルで滑り降りることができるが、電子レンジのフラットパネルは操作できない」と冗談を言う。同社は視覚障害者向けに音声出力を備えたGPSナビゲーション機器を製造している。

 電話のメニューを音声で読み上げる機能もあるが、NFBのアクセス技術ディレクター、アン・テイラー氏は、タッチスクリーン携帯を使うときにはまだ役に立っていないと指摘する。

 同氏は、タッチスクリーン携帯が目で見なくても使えるようになれば、視覚障害のない人々が運転中に使ったり、視力が悪くなりつつある高齢者が使うのに便利だろうと語る。

 画面読み上げソフトは300ドル以上出せば買えるが、一部の携帯電話、たいていは高額なスマートフォンでしか機能しない傾向がある。Senderoは、アクセシビリティ技術は高価であることが多く、米国の全盲者の約70%は無職だと指摘する。

 テイラー氏は、視覚障害のある人にもない人にもメリットがあると思われる製品設計をベンダーに提案する場としてCESを利用している。

 例えば、簡単に使えるやり直しボタン、メニューごとに異なるサウンド、優れた触覚フィードバック付きのコントロールなどをメーカーは取り入れるかもしれない。

前進も
 ベンダーはタッチスクリーンのトレンドをあきらめないだろうが、彼らが障害のある消費者を考慮する姿勢を高めているかもしれない兆候がCESの前に幾つか見られた。

 Googleの開発者は、Androidソフトを搭載した端末も含め、視覚障害者にも使えるタッチスクリーン携帯を作り出す方法に取り組んでいる。

 NPRは、デジタルラジオを動的な点字作成デバイスに接続する特別なラジオ受信技術とソフトを発表した。その日の新聞を読み上げるデジタルラジオチャンネルも設けた。

 Dice Electronicsは、NPRの技術を取り入れたラジオのプロトタイプを開発した。NPRのスターリング氏は、2009年に商品化されると期待している。

 同氏はまた、NPRの技術の採用を期待して、CESでほかのメーカーとも会合した。情報を求めても無視されることが多いが、今年は反応がずっと活発だったという。

 不況で主流の製品への需要が弱まる中で、メーカーの中には、自社の製造施設でこの種のデバイスを作るところもあるかもしれないと同氏は言う。

 「全般的に、アクセシビリティが新たな市場になる可能性があるという見方があるのかもしれないと思う」