ゴエモンのつぶやき

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障害者自立支援法は障害者権利条約に違反しないのか

2007年06月24日 23時28分28秒 | 制度の話し
負担は少し減ったけど
障害者自立支援法は障害者権利条約に違反しないのか

 福岡市で、障がい者を抱える母が心中を図り、障がい者が亡くなったのが2006年3月でした。「障害者自立支援法施行」を前に、将来を悲観したものだと伝えられています。その頃から、福岡市内の障がい者福祉関係団体の有志が集まり、この状況を変えるべく意見交換を重ねてきました。
 2006年7月19日、福岡市障害者自立支援法見直す会を結成し〔現在加盟10団体)、活動を開始して約1年が経ちました。そこで再度、会の原点を確認するための「検証!障害者自立支援法の問題点と課題」というタイトルで講演とシンポジウムを6月6日に福岡市で開催しました。
問題の中心は1割負担
 私たちの目標は1割負担の軽減を求めていくことです。福岡市は2008年度までの軽減策をとっていますが、それでも、次のような実態です。6日のシンポジウムで石松周氏が、具体的事例として発表したものです。
 45歳の身体障がい者
 収入 障がい者年金1級  月額 82508円
     特別障がい者手当 月額 26440円
合計117248円
 支出 保険料など  10000円
     利用料     12300円
 障がい者福祉サービス(身体介護・短期入所・移動支援) 福岡市の軽減措置を利用したときの昨年度分 昨年末の国の追加軽減措置で今年度は 6150円
 施設入所の場合は24600円上限に変更
   住居費など 40000円
     小計   62,300円
    リハビリ   6880円
   検診     1940円
    その他    4000円
    小計    12820円
   食 費    30000円
   通信費等  12128円
    小計    42128円
  支出合計 117,248円
 このように毎月収入の1割強が利用料となります。支出を抑えるには、ヘルパーの交通費も必要になる外出を控えるしかありません。
障害者自立支援法の新たな課題-障害者権利条約
 6月6日に「揺れ動く、障害者自立支援法」というタイトルで講演した、日本障害者協議会理事の福井典子氏は、問題点として、(1)手続きの拙速(2)障害程度区分の矛盾などを挙げ、今後の課題として、
(1)昨年末の特別対策は3年間の限定措置であり、恒久措置にすること
――先にあげた例のように負担減になっていますが、介護保険との統合を予定していた政府は、期間の限定にこだわっています。この措置自体が、与党の選挙対策が狙いであり、制度化させる必要があります。
(2)関係者が幅広い運動を県段階でもつくりあげていく必要性
などが強調されました。
 シンポジウムでは、応益負担の実態、精神障がい者の社会的入院の問題、ヘルパーからみた問題などが論議されました。
 福岡市障害者自立支援法見直す会の、大きな動きは議会への請願です。負担軽減策の拡大を求めて、6万人余の署名を提出し、全会派の賛同で採択されましたが、今のところ実現されていません。選挙後の議会に向けた取り組みをどうするのか、私たちの大きな課題になります。
 
 国レベルでは、「応益負担」が日常化され、当たり前の状態になりつつあり、昨年末の追加軽減置で解決したかのような雰囲気もあります。マスコミの関心がなくなっています。厳しい状況にはありますが、新たな動きを作り出していく必要があると思っています。
 介護保険との統合が、予定通りには進まない面もあります。今後、特に障害者権利条約がいう社会参加を保障するための「合理的配慮」に、応益負担が抵触しないかを問うことも大事になっています。

皆で考えていかないいけみせんね。