コムスン虚偽申請
障害者福祉も新規だめ
さいたまの男性 新たな不安広がる
「自分の身にどう振りかかるか怖い」と障害者。厚生労働省は八日までに、訪問介護最大手の「コムスン」が障害者福祉サービス事業でも虚偽申請を行ったとして、五年間、新たな事業所の指定をしないよう都道府県に通知した。不正があったのは東京都と青森県の事業所。高齢者だけでなく、障害者たちにも新たな不安が広がった。
車いすの介助をしてもらいながら階段を上がる障害者=さいたま市
さいたま市に住む脳性まひで体が不自由な男性(28)は、昨年から障害者自立支援法でコムスンを利用している。着替えから入浴介助と、彼を介護してきた母親が急死したのがきっかけだった。
男性は当初、メールで自宅近辺の介護事業者九社に当たった。返事が来たのは四社。その多くが土日が休みで、利用時間は原則午前九時から午後五時だった。その中で唯一、二十四時間、三百六十五日対応というのがコムスンだった。
事業所の多くは介護保険法でのサービスだけを行っており、自立支援法による障害者の居宅介護や外出介護も合わせて行っている業者は少ない。コムスンは事業所によっては両方を請け負っている。
男性はコムスンと契約、通院や身の回りの介助。外出などに付き添ってもらっている。「当初、大手にありがちな画一的な対応をしたヘルパーさんだったが、今では信頼関係もできた。人間らしい生活ができているのもヘルパーさんのおかげ」と話す。昨夏のキャンプにはボランティアで介護してくれた。
男性は今回、自分にも影響が及んだことに驚きを隠せない。ヘルパーからは六日、ケアの際に「事件前からの利用者と雇用者を切ることはない。事業所は、これから一年かけて合併などして減る」と説明があったばかりだった。
今後、事業者を新たに頼むにしても今と同様の人間関係を築き、二十四時間のサービスを受けられるのだろうか、と男性は悩み、不安は消えない。
コムスンのヘルパーの一人は「現場はお客さんで動く。会社はあまり関係ない」と話しているが―。
県障害者福祉課とさいたま市障害福祉課によると、県内でコムスンを利用している障害者は百十七事業所に計約四百人。
障害者福祉も新規だめ
さいたまの男性 新たな不安広がる
「自分の身にどう振りかかるか怖い」と障害者。厚生労働省は八日までに、訪問介護最大手の「コムスン」が障害者福祉サービス事業でも虚偽申請を行ったとして、五年間、新たな事業所の指定をしないよう都道府県に通知した。不正があったのは東京都と青森県の事業所。高齢者だけでなく、障害者たちにも新たな不安が広がった。
車いすの介助をしてもらいながら階段を上がる障害者=さいたま市
さいたま市に住む脳性まひで体が不自由な男性(28)は、昨年から障害者自立支援法でコムスンを利用している。着替えから入浴介助と、彼を介護してきた母親が急死したのがきっかけだった。
男性は当初、メールで自宅近辺の介護事業者九社に当たった。返事が来たのは四社。その多くが土日が休みで、利用時間は原則午前九時から午後五時だった。その中で唯一、二十四時間、三百六十五日対応というのがコムスンだった。
事業所の多くは介護保険法でのサービスだけを行っており、自立支援法による障害者の居宅介護や外出介護も合わせて行っている業者は少ない。コムスンは事業所によっては両方を請け負っている。
男性はコムスンと契約、通院や身の回りの介助。外出などに付き添ってもらっている。「当初、大手にありがちな画一的な対応をしたヘルパーさんだったが、今では信頼関係もできた。人間らしい生活ができているのもヘルパーさんのおかげ」と話す。昨夏のキャンプにはボランティアで介護してくれた。
男性は今回、自分にも影響が及んだことに驚きを隠せない。ヘルパーからは六日、ケアの際に「事件前からの利用者と雇用者を切ることはない。事業所は、これから一年かけて合併などして減る」と説明があったばかりだった。
今後、事業者を新たに頼むにしても今と同様の人間関係を築き、二十四時間のサービスを受けられるのだろうか、と男性は悩み、不安は消えない。
コムスンのヘルパーの一人は「現場はお客さんで動く。会社はあまり関係ない」と話しているが―。
県障害者福祉課とさいたま市障害福祉課によると、県内でコムスンを利用している障害者は百十七事業所に計約四百人。