・・・軽犯罪法か各条例に引っかかるのではないかと。
L .スターンの小説では、壺を使うのも省略して、いきなり上下スライド式の窓から放水して、
ギョチーヌの刑に遭った、まさに名前通りの「可愛そうな子」がいましたけどね。
ちなみにギョチーヌは1792年3月に革命期フランスで完成しましたが、
それ以前の約30年間にそういった物を、この小説のエピソードから誰も考え付けなかったんですかね?
まあ、当時の犯罪人に対しては、今みたいに人道的に扱おうなんて考えは、とんとなかったようですけどね。
ハリソンさんは今までを見ての通り、インテリで氏育ちも良いのですが、トロくさいとナメられがちな傾向があるようです。
第2話の英国ホテルの経営者デサン氏や第4話のコザカシヲトコ(仮名)の態度にも何となくそれが出ています。
「おめぇみたいなヤツは四の五の言わずにオレ様の言う事を聞いてりゃあいいんだョ!」
―みたいなトコですかね。
どちらもハリソンさんよりずっと賤しい出自なんですが、
ハリソンさんよりずっとお金持ちです。だからハリソンさんはハッキリとした形では抵抗しません。
でも抵抗しない事で、自分のそういう精神的世界が、金銭的世界や出自の賤しさを補うために
即席で身に付けた知識&情報の世界よりも上品で優位だという価値感を、控えめに表現してはいます。
でも、マー坊は明らかに出自も財産も自分より下で、狭い地域の暮らししか知らないし、
自分からお給料をもらう立場です。
そういうヤツにまで、注意力散漫でトロくさいとバカにされて、
「助けてやってる」とこれから扱われるんぢゃあたまらないってんで、カチン☆と来たんですわな。
しかし・・・腐ってもやっぱり英国紳士の一人、それをストレートに表す訳にも行かないんで、
ハリソンさん的歪んだ方向性で放射させてしまいました。
しかもこれは、端から見られる行動のトロさとは反対に、脳内処理と神経系統への命令の伝達は、すごい高速で行われています。
―だから他者にはハリソンさんの奇矯さが理解不能となります。
これから何度も、こういったハリソンさんの困った言動が出現します。
ハリソンさんの「改心」については、それを描く時まで作者&閲覧者の方々が生きていれば、
―日の目を見る事もあるかもしれませんが。
今回初めてご覧になる方で、第1話からご覧になっていただける方はこちらからどうぞ。
トロワ火山噴火の兆しが・・・次回は遂にマー坊がハリソンの言動にブチ切れます!
〈次回の更新は11月3・4日です。〉