漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

王様だろうと許せません!

2011年09月12日 22時11分34秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 マー坊、ボットン・トイレに吐瀉物を捨てようとしていたのですが、
あれ、戸を開けてみたらばさぁ―― !

 あまりに、あまりに邪気が溢れていたので、
― ( まぁ、それでも一旦部屋に戻って服装を整えてからだけど ) 、
― オテルのおかみさんに怒鳴り込みに行ったのでした。

 前回、例えヴェルサイユ宮殿でもトイレが汚れていたら、
国王陛下だろうと怒鳴りつけただろうと書きましたが、
以前、ヴェルサイユ関連の展覧会へと行った時に買ったガイド本を見てみたら、
宮殿内の見取り図が載っていましたが…どうもトイレは無かったようです!

 …現在では見学者や職員さん用のトイレは敷地内のどこかに設けてあるんでしょうけど。

 いにしえの宮中の方々は、
部屋でポットや便器付きの椅子を使っているのならまだいい方で、
階段や廊下の柱の陰に隠れて、
または庭の片隅で用を足してしまっていた方も多いようです。

 …だから、外観の優雅さとは裏腹に悪臭ぷんぷんだったんでしょうな。

 ヴェルサイユで働く一番下の身分の者だって、
良家のお坊ちゃまお嬢様に決まっています。
殿上人達が犬猫の粗相みたいな事してて、
それを片付けなくてはならないなんて、
辛くは無かったんでしょうか?

 By the way , 上記のヴェルサイユ関連の展覧会では、
「 ベルサイユのばら 」 の生原稿も展示されていました。
確か、マリー・アントワネット様が、次男坊の悪口を義理の弟が陰で言っているのにショックを受け、
「 私がしっかりしなくては! 」 と決意する場面でしたが、
もしかしたら墨汁で描いただけなのかもしれないし、
そんなにいろいろと描き込んでいる訳では無いのに、
スクリーンとか…今みたいに手が込んだ事一切して無いのに、
内容がとても濃く感じられんの!

 でもその後、ふと気付くと、
目の前で、知らない子供がアントワネット様が所有していたというハープを、
ポロンポロンなんて弾いていたのでした。
あわてて止めさせましたが、
親どこ行ってんだよっ!
ちゃんと付いてろよ!

 
 次回の更新は、でき次第。






まったく世話が焼ける

2011年09月03日 15時26分39秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 18世紀西洋を舞台にした物語というと、
宮中を舞台にした愛憎劇とか、
地方の富裕階級の邸宅を舞台にした恋の駆け引きとか、
他には階級上昇もしくは転落を到着点とした一本道、
――みたいな物が大方なんじゃないかという印象です。

 だから、この話みたいに、
主人公が時代に翻弄され、激しい愛と運命の渦に飲み込まれる。
―― 何て事が今の所無い。

 三代革命を控えて、
あちこち綻 ( ほころ ) びが見える中でも依然厳しい身分制度が続いていて、
それでも美貌や知力や才能や努力などで上手く隙間に入り込んで立身位を極める。
―― 何て覇気が全くとまでは言わなくても、
ほとんど感じられない。

 ―― 何て話は珍しいんではないでしょうか?
まあ、トリストラム・シャンディさんの縁者だという事は差し引いたとしても。

 しかも、話の後半はあまりにも卑俗な * * * * ( カタカナ四文字 ) 談となって行くのでした。

 このホテル、外観と内装はモダンで立派なんですけど、
とある場所が次回、マー坊の怒りを爆発させます。

 多分、マー坊、こういう事だったのなら…ヴェルサイユ宮殿でも激怒して、
たとえルイ15世陛下にであろうともモーレツ説教するんでしょうな!


次回の更新は近日。