漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

吃驚紳士と尋問執事

2010年08月08日 09時45分53秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 執事さんのイライラが爆発して、
ハリソンさん、遂にとっ捕まって尋問されようって所なんですが、
果たして、手紙の差し出し主の少女に会う事が叶うんでしょうか?!

 第17話の開始は、8月後半~9月4日 ( 土 )
   の内のどこかです。

   「 トリシャンカノ紳 version. 3 」 も、どこかに1回入る予定です。

逡巡紳士と追撃執事

2010年08月07日 14時55分54秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 このお二人さん、
大雑把な性格分類では、
同じ仲間同士なんですけどねー。

 それなのに、
何かお互い天敵っぽい感じになっちゃうんですよねー。

 まあ、ハリソンさんの方が年上で、
身分も高くて、落ち着きがあるのが、
せめてもの救いなんですが、
反対なら相当悲惨だわな!

 …カラスが一方的に、
小動物を突っつくみたいになっちまいますわい。


 今日の続きは明日。
   第16話完結編。


気苦労執事

2010年08月01日 16時23分31秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、手紙をくれた少女の住所へと
向かった模様です。

 この、あるお屋敷の執事さん、
もうすでに神経質っぽくて、
取り越し苦労が多いという特性が出ちゃってますな。

 執事さんというと、

燕尾服 + 容姿端麗 + 頭脳明晰 + 冷静沈着

― という印象が、
TVドラマや漫画の影響であるのですが ―― 。

 18世紀は、後の時代に比べて、
まだいろいろとえーかげんな所が多かったので、
使用人の服装についてだけ言うのなら、
職場によってで、
いろいろだったようです。


 次回の更新は、8月7日 ( 土 ) ・ 8日 ( 日 ) の予定。
       
   引き続き、堂々巡りハリソン VS. 気苦労執事。

懐かしい名前

2010年07月31日 16時18分54秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 いや~、これからまたしばらくは、
頭でっかち文学歴史&c.のお勉強とかとはほとんど関係なく、
ハリソンさんのほのぼの個人ヒストリー&
プロットの方に重点を置く内容なので、
作者も楽できる。
―なのでした。

 カンディ君、ハリソンさんがいきなり起き上ったので、
すってんころりんしてしまったようですな。


 今日の続きは明日。
   新キャラ登場。


喋りまくるか、黙りこくるかのどっちか

2010年07月25日 13時55分07秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 4コマ目のハリソンさんの心理ネーム、
話中頓絶法になっています。
続きは一部が本日のタイトルにもなっていますが、

「 こいつら、実際シャンディに会ったら、
自分の知っている事を一方的に喋りまくるか、
何を言っていいのか分からなくなって、
黙りこくるかのどっちかだろうな。 」

― だそうですが、
ハリソンさん自身が、
現時点でも、意外に気難し屋のシャンディ氏に手を焼いていて、
第3部で正体を現した時には、
声も出せないくらい、
驚いていたようでしたからね。

 ミゲル・デ・セルヴァンテス・サヴェードラさん著の、
「 ドン・キホーテ 」 の始まりの方で、
ドンキさんが騎士道物語を片っ端から読みまくる場面があって、
フェリシャーノ・デ・シルバさんの著書からの引用もあるのでしたが、

「 ことわりなきとこわり 」 とか、
「 ふさわしきふさわしさ 」 とか、

そういう表現が出て来て、
一文章全体が成ると意味不明となるのでした。
訳者の会田由さんは意味が分かったんでしょうか?

 トリストラム・シャンディさん、
第3巻で誇張&教会関係をスルーして聖者に列していますが、
ドンキの後編第40章に出て来る、
冒険を成し遂げたけれども、
従者の協力についての記述が省略されて、
手柄を独り占めしてしまう、
騎士道物語の主人公のセコイ騎士、
ドン・パラリポーメノン・デ・ラス・トレス・エストレッリャスさんの
事なのでした。

 ティックルトービーもパラライポメノンさんと同じく、
第3巻のマーブルペーパーと向かいのページに
出て来ますが、
ラブレーさんの第4の書の新序詞に出て来る、
性体験豊富な女性の事を意味するらしい言葉を、
アーカート卿が訳した英語、

thumpthumpriggletickletwiddletobied

― を、縮めて、
ちょっと意味を分かりにくくしたようですな。


 ―― 以上、何とも意地悪&悪趣味な
お手紙公開エピソードでした。

 御不快になられた方もおられると思いますが、
多分、話の展開上必要ならば、
また別の機会にも行われる事でしょう。

 そして、ハリソンさんが、
手紙が公開された読者の中の誰かと
実際会ってしまうなんて事も、
あ・る・か・も。


  次回からは、また 「 ほのぼのトーン 」 に戻るので、
そういうのがいいと思って下さる、
お優しい心の方々は、
どうぞホッとなさって下さいね。


 〈 次回の更新は、7月31日 ( 土 ) ・ 8月1日 ( 日 ) の予定。 〉

   そして、運命の少女からの手紙が――。





 

― & * ダッシュとアスタリスク

2010年07月24日 18時11分29秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 26番さん、anonymous ( 作者不詳 ) と書くつもりだったんでしょうか?

 もしそうだとしても、
アメリカの大統領さんですらも、
身近な食材名だかをスペルミスしてるくらいだしね~。
何語でもある事だよね~。

 アニノマスさん ( あえてそのまんまで ) 、
トリストラム・シャンディさんがいろんな巻で、
ダッシュ ( ― ) とアスタリスク ( * ) を多用した文章を書いているので、
それを極端な形でマネたんでしょうな。

 でも、最初から最後までこれじゃあ、
いかんせん何言いたいのか全く分からんぜよ!

 
 29番さん、 「 主よ憐れみたまえ 」
という、カトリックでのミサ曲名の一つを
仮名にして名乗っているのですが、
全然憐れんでなんていないよね?!
「 男 」 かもしれんが、「 漢 」 じゃないしね~。

 キリエさん、
「 トリストラム・シャンディ 」 5巻に書いてあった、
窓枠落下事件の事を言っているのですが、
…この事件が本当はどういう事なのかが、
第3部 「 英国編 」 での、
ハリソンさんとシャンディ氏との
対決シーンで明らかになる予定なんですけどね。

 いずれにしても、アニノマスさんもキリエさんも、
書いてる時は楽しくってしょうがなかったんでしょうなー。
ギディディジーさんもアーナルフさんも、
シャンディ氏に会えれば、
自分達と一緒にふざけてくれる人だと、
あっ軽ーく信じてるんだろーなー。


 今日の続きは明日。





 




現実界で周りに迷惑かけてるタイプの読者達

2010年07月18日 14時26分13秒 | 第16話/天才少年と手紙
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ダーシィさんみたいな人、
現代の日本にも実在するらしく、
作者は、 「 銭形金太郎 」 というTV番組に出演していたのを
見た事がありました。

 その人、想像がつくと思いますが、
高額な本物の西洋式甲冑を買っているせいでビンボーなのでした!
でもって、愛好者同士の交流試合もあって、
参加しているとか言っていたような気が ― 。

 銭金の方みたく貧乏さんなら、

「 そんな事やめなよ。 」

― とか、周りはなるのですが、
シカトされて、結局放っておく事になるのでしょうな。

 一方ダーシィさんみたく、
英国のお金持ちさんの場合は、

「 でも、お前が遊びに使うそのお金は、
そもそも誰から取ったと思ってんだよ。
そんな事してるくらいなら、
地域に還元しろよ。 」


― とは、領民の皆様、
いくらエキセントリック過ぎで、
フランス貴族的な傾向がある方だとしても、
まさかご領主様相手には言えないので、
同じく放っておく事になってしまうのでした。

 当人がそれなりに、英国的 「 高貴なる者の義務 」 を果たしていたり、
奥様がいて、夫の愚行を補ってお釣りが来る程の賢夫人なら、
余計言えなくなる事でしょう。

 ロチェスター司教アーナルフさん、
「 トリストラム・シャンディ 」 の3巻11章に出て来る、
随所に、

「 呪いたまえ~。呪いたまえ~。 」

― という、フレーズを繰り返し入れた、
破門の書の作者の名前をパクったんでしょうが、
全くしょーもねぇヤッちゃな!

 実際は、
女性でも口先や腕っ節が達者なのには、
反撃できないような、
そのくせ一旦自分より弱いヤツとみたら、
性別関わりなく、徹底的に苛めまくるという、
マッコテひょろっちいげな冴えないヤツなんでしょうがね…。


 〈 次回の更新は、7月24 ( 土 ) ・ 25 ( 日 ) 日の予定。 〉

   さらに手紙の悪ふざけの内容がエスカレート!







 

 

日本人も知らない名前の妖怪

2010年07月17日 22時56分42秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 チューチェディというのは、
ロバート・バートンさんの
「 恋愛憂鬱症の解剖 」 という本に書かれているのですが、
日本の妖怪らしいです。
作者は、斎藤美洲さん訳の 「 恋愛病理学 」 で読んだのですが、
何ページに載っていたか忘れてしまいました。

 どうも、文章の感じから、大蛇 ( おろち ) とか、
人食い狐の事のようなんですけど。
水木しげる先生やその他の妖怪の専門家の先生方が書いた妖怪百科には、
チューチェディなんて、
イタリアンな名の妖怪は載っていませんでした~。

 ジェニーさんというのは、
トリストラム・シャンディさんが自作の著書の中で、
あーゆー事があったとか、
こ―ゆー事があったとか書いていたり、
時たま、呼びかけをしたりしている女性の名なんですが、
ホント誰なんでしょ?

 史実上では、ローレンス・スターンさんの
彼女の一人がモデルらしいんですけどね。

 この物語にも、ジェニーさんという名前の女性が、
第2部のイタリア編での登場予定ですが、
ナポリの青空が虚しくなるくらいに不幸過ぎな方で、
ハリソンさんがどう救済すんのよ。
― って話なのでした。

 ナミュールの戦い他、ウィリアム3世の時代の戦争については、
友清理士さん著の 「 イギリス革命史 ( 上 ) ( 下 ) 」 ( 研究社刊 )
という本でも読めますので、
未読の方で、興味のある方は探してみて下さい。

 何か3コマ目最後のハリソンさんの言い回し、
王・皇室の妃殿下みたいですが、
キャロライン様やオ―ガスタ様や、
シャーロット・ソファイア様の
口真似でもしたんでしょうか?


 今日の続きは、明日。



 

 
 

 




お前もすでに逝っている!

2010年07月11日 12時43分29秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 コーガンさん、清廉潔白の士のように見受けられますが、
深層心理では、第15話に出て来た、
20代半ばのフレディ君と大差ありません。

 ―― とはいえ、フレディ君には、ちゃんと自覚症状があるのですが、
コーガンさんには、あるようには見えないのでした。

 見かけ上はフレディ君の方が、
コーガンさんに比して、
断然バカっぽくて、
精神発展途上のように見えるのですが、
果たして本当にそうなんでしょうか?

  コーガンさんが言及している場面

  ハリソンさん&フレディ君の解釈の違いの場面

― は、こちらを参照して下さい。

 ギディディジーは、英語では giddy-dizzy となっております。
意味は、 「 バカバカしくて頭がクラクラして来る。 」
―― とかいうつもりなんでしょうか?

 ギディディジーさんの手紙の内容の段階で、
もうすでにかなり Punk★ な感じに見えるのですが、
まだまだ序の口だったのでした!


 〈 次回の更新は、7月17 ( 土 ) ・ 18 ( 日 ) 日の予定。 〉

次週も手紙の続き。
某有名大学在校生、もしかして、あの人の親戚?!
―― から&その他のお手紙を、
4通公開。

 

 

 



自分的にはお気に入りの巻

2010年07月10日 18時45分47秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *




 トリストラム・シャンディさん、
6巻のお終いで、トゥビー叔父さんとウォドマン夫人との恋愛話を書く事を
予告しておきながら、3年も間を空けてしまい、
行方をくらましていました。

 そして1765年に出た7巻では、
恋愛話の続きから始めず、
実は今までフランスを旅行していたんだと、
その時の話をおっ始めてしまい、
8巻からやっとこ本題に入り始めるのでした。

 作者も、これ程じゃないだろうけど、
昨日のアップ予定をはずしてしまったのは、
実は、金曜日には見たいTV番組が目白押しだという事に、
当日朝刊を見て気が付いてしまったからでした。

 後は、信じがたい事かもしれませんが、
案外完璧主義者だからだという事ですかね…。


 今日の続きは明日。

だって、本当の事だから…

2010年07月04日 12時20分30秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 
 「 トリストラム・シャンディ 」 5・6巻は、
史実上でも実際相当に売れ行きが悪かったらしく、
初版は4000部だったらしいのですが、
再販が出たのは、最終巻を出した1767年だったそうです。

 8巻の第6章を書いている段階では、
「 まだ荷車10台分の在庫があって、どうやって売り捌いたらいいのか分からない。 」
― とか、書いてありました。

 …いったいどこが悪かったんでしょうか?
やっぱり、情緒より頭脳に訴える書き方をしていたから?

 それから、

 戦闘ごっことか、

 頭脳に自信満々な方々がみんなで集まって議論とか、

 艶々ばなしとか、

― マッコテ男祭りで、
当時台頭著しい、
女性読者が疎外されてるとか、
見下されてると感じてしまう内容だったんでしょうね。

 「 ル・フィーヴァー中尉の話 」
すらも肝心の泣き所で、
シャンディさんが機知をひけらかして余計な事を言い、
ブチ壊しのオチにしてしまったりして、

「 泣かせなさいよ! 」

― と、がっくりした人もいたのでしょうな。

 ちなみに、 「 ル・フィーヴァー中尉の話 」 を、
スターン聖下が献呈した相手のスペンサー伯爵夫人って、
故ダイアナ元妃さんのご先祖様で、
キーラ・ナイトレイさん主演映画の主人公の、
母親だったっていう人じゃないかって?
…ふと思ったのですが。

 作者だって、
大人気猫まんが 「 くるねこ 」 で、
仔猫の引き取り手がみつかり、
くるさん with 愚連隊のみなさんとの別れの時が来たって辺りで、
または、拾った仔猫が看護の甲斐無く衰弱死してしまう辺りで、
くるさんがシャンディ的オチにしたら、
きっと怒りたくなるに違いない!
( 今の所、そーゆう事は全くありませんが。 )

 …でも、もしかしたらシャンディさん、
自分が泣いている時に、
助けてもらえないどころか、
指を差されて嗤われるなんて事すらされたっていう、
屈辱の経験があるのかも。

 自虐ネタで苦難を乗り切れたりすると、
人は心が強靭になれるのかもしれませんが、
案外、人の気持ちが分からなくなり、
辛い立場の人の気持ちへと素直に寄り添えなくなります。
品性も低下して行き、
海援隊の 「 贈る言葉 」 の歌詞が、
心にじーんと沁み入って来る事もありません。


 う~ん、それにしても、
「 トリストラム・シャンディ 」 、尼将軍様によりますと、
今時の歴女様方々や腐女様方々でも萌えん感じの、
…よく分からん、言語化できんが、何かが足らん…。
――だとの事です。


 〈 次回の更新は、7月9(金)・11(土)日の予定。 〉

 次回から3週に渡って、お手紙公開!



 


お手紙がたっくサン届きましたよ!

2010年07月03日 20時19分52秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 三人の合奏編成は、
もう当時でもかなり古めかしい物だったのでしょう…。
いろいろな意味での革命がせまっている時代の要請で、
リコーダーは横吹きフルートに、ヴィオール属はヴァイオリン属に、
ハープシコードはピアノに取って変わられる運命なのでした。

 シンプソン家の人達、
カンディ君の名前をそれぞれ呼びたいように呼んでいます。
こんな場面、 「 動物のお医者さん 」 の第1巻でも見たような気が――。

 カンディ君の本当の名前は、
カンディドゥス・ミカエリウス・キンプゾニウス
― っていいますが、
古代ローマ貴族か?!
 
 By the way, 本日アップ分から 「 手紙編 」 となります。
モーツァルトとトリシャンには何の接点も無いのに、
何で今まで無理やり出演させてたんだよ!
―― と、お思いの方もいらっしゃるかもしれませんが。

 …いいえ、ウォルポールさん&御方様の話の時と同じで、
絶対どっかで繋がっていますので。

 
 今日の続きは明日。

 先にお断りしておきますが、
手紙編、ひょっとしたらトリストラム・シャンディ愛読者様方には、
赤面&激怒物の内容も含まれているかもしれません。


百の天才少年少女よりウチの孫ッ!

2010年06月27日 12時45分48秒 | 第16話/天才少年と手紙
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 夏の日暮れの遅いロンドンの残照の中で、
馬車に揺られながら、ハリソンさんが心に叫ぶセリフ、
作者自身にもガツーンと来ますな!

 ― と、いうのも、作者、
モーツァルトさんが少年時代に作った曲達の方を、
大人になってから作った曲達よりも、
愛聴しているからなのでした。

 By the way, どうでしょうか?
今日のタイトル&2 ・ 3コマ目、
お孫さんをお持ちの方々、もう大いに共感していただけるのでは?
― と思うのですが。

 漫画のおじい様、ロンドンに住んで商売している、
べリンダさんのお父様なのでした。
モーツァルト少年の楽譜を唸りながらジロジロと眺め、

「 ふん、なんだいっ! 」

― って、感じで、

「 でもさっ、わしには、自分の孫達が一番だね!
なんてったって、側にいるだけでわしを喜ばす事ができるんだから。
それこそが本物の天才だよ! 」


― の、ようです。

 …いいんだよ、全然それでさ! 

 ジュゼッペ・サンマルティーニさん ( 1695-1750 ) は、
イタリアのミラノに生まれて、
現在では、 「 新 ・ 交響曲の父 ( 旧・父はハイドンさん ) 」 と呼ばれている、
弟のジョバンニ・バッティスタさん ( 1698頃-1775 ) と一緒にロンドンに渡り、
オーボエ奏者&作曲家として活躍していたそうです。

 ローレンス・スターン聖下の 「 センティメンタル・ジャーニィ 」
に出て来る、ミラノのジョバンニ・バッティスタ・マルティーニさん ( 1706-84 )
とは別の人なのでした。

 音楽の話ついでに、同じく 「 センティメンタル ― 」 の中で、
パリに滞在していたヨリック氏が、 B * * * 伯爵の縁で知り合った、
徴税請負人 P * * * * 氏というのは、ラ・ププリニエールさんという人で、
私設オーケストラを持っていました。

 マルティーニさんは作曲家、音楽理論家として活躍した人で、
モーたんが後にイタリアへと武者修行&就活に行った時に、
お師匠様となった人です。

 先週に書いた、モーたん映画では、
一緒に付いて来た父親の機嫌をうかがって、
モーたんが世間受けする曲ばかりを書こうとするのを心配して、

「 たとえ、壊れた時計でも、一日に2回は時間が合うものだ。
だから、世の中に媚びず、世の中が自分に追いついて来る時を待つのだ。 」

― と、諭していたのが、作者の心にずっと残っているのでした…。


 〈 次回の更新は、7月3 ( 土 ) ・ 4 ( 日 ) 日の予定。 〉
        
次回からは、 「 トリストラム・シャンディ 」
愛読者の感想文 Vs. ハリソンさんの感想の感想編となります。


 



 

モーツァルト少年の楽譜を衝動買い

2010年06月26日 21時19分03秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、アレックスさんとは、
次の第17話で、やっと話ができるのですが、
果たして、後姿美人で終わりではない、
前から見ても美少女キャラなんでしょうか?

 べリンダさんが買ったという、
モーツァルト少年の楽譜は、
現在、「 ロンドン・ソナタ 」 作品3 ( ケッヘル10-15 )
と呼ばれているソナタ集のようです。
…きっと、ずっと持っていれば、
シンプソン家の子孫達のお宝になるね。

 この曲の楽譜は、父親のレオポルドさんが、
宿泊先やその他で開いたコンサートでも売っていて、
売れ筋商品だったようなのですが、
も~最後の最後まで売ってやるゾ~っ!
―― って感じなんでしょうか?!

 本当は、チェロで弾くんですが、
ハリソンさん、チェロについては、仮に現在弾けなくても、
練習すれば弾ける素養はあるのですが、
肝心の楽器を持っていません。

 代わりにハリソンさんは、
現代では、中世から18世紀半ば頃までの、
古楽の演奏に使われる、
ヴィオラ・ダ・ガンバという名前の、
低音部パートを受け持つ、
弦楽器を持っているのでした。

このヴィオラ・ダ・ガンバ、
べリンダさんはイタリア語のまんま、
しかも前方省略形で呼んでいますが、
英国では、バス・ヴァイオルと呼ばれていたのでした。

 ローレンス・スターン聖下も持っていて、
冗談&演奏技術に対してのへりくだりが混じってなんでしょうが、
蔑称もしくは俗称である 「 フィドル 」 と呼びつつも、
愛奏していたようです。

 …そういう訳で、
べリンダさんが 「 ガンバで 」 と言っているのは、
「 頑張って、チェロを弾いてね。 」
という意味ではありません。


 今日の続きは明日。
 

 

どこかのお姫様にも同じ事言ってんでしょう?

2010年06月20日 19時14分07秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 モーツァルトさん、 「 ベルサイユのばら 」 の中にも、
それは出て来たし、
モーたん映画の中にもよく出て来るようですが
― とはいえ、 「 アマデウス 」 では出て来た記憶が無いけど、
― それはともかくとして、有名なエピソードなんですが、
6歳の時、御前演奏をするため、オーストリアの皇居を訪れた時に、
すっ転んだのを助けてくれた、

7歳だった、
かのアントワネット様にプロポーズしている。


― のでした。

 で、お姉さんが、その事をシッカリ覚えていて、
吹き出しているんですけどね。

 その後、ご存知のように、アントワネット様、
この物語終了後の2年後くらいに、
フランス王太子妃になって、
フランス革命で首チョンパの刑に処せられてしまうのですが、
最後に過ごした牢獄で歌っていたのは ―― 、

…ハイドンさんのある交響曲の第2楽章だったらしいです。

 モーツァルトさん、
大人になってから、雇用主のザルツブルク大司教さんとケンカして、
パリへと転職活動をしに行ったのでしたが、
その時は、子供の頃とは打って変わって、
王妃となっていたアントワネット様とは会う事すら無く、
もっと下の貴族階級の方々からも、
軽くあしらわれてしまうのでした。

 死の前年くらいに、
困窮状態を見かねた年の差友人であるハイドンさんが、
一緒に英国に行こうと誘うのでしたが、
ある映画では、

「 その頃まで生きていられるか分からない。 」

― と、モーたんが断っていました。

 ハイドンさんが、自分が老い先短いからかと誤解して、

「 おいおい、私はまだ長生きするつもりだよ! 」

と、憤慨する所か、逆に朗らかに言うのでしたが、
モーたんが、

「 いえ、僕の方が…。 」

― と、寂しげにつぶやいたのでした。

 ハイドンさん、モーたんに、
「 あんまり深刻に思い詰めない方がいい。 」
と言って励まし、帰って行ったのでした。

 その後、モーたんは、 「 魔笛 」 が大ヒットして、
これから事態が好転するかと思いきや、
上記の映画では、気を良くしたモーたんが、
行きつけのお食事処に行って、
店主へと仕事の成功を嬉しそうに語る一方で、
子供の将来の心配もしてたりしつつ…。

 その後一人で祝杯をあげていた時、
突然ワインを吐き出して倒れてしまい、
自宅に担ぎ込まれて、
医者や家族に囲まれて手当てを受けたけれど…
と、いう感じで完結してしまいました。

 ― そういう訳ですし、
アレックスさんと呼ばれているお嬢さんも、
モーたんが、たとえハイドンさんと1791年に渡英できていたとしても、
もう、誰かの奥さんになっているのかもしれません。


 〈 次回の更新は、6月26日 ( 土 ) ・ 27日 ( 日 )の予定。 〉

ハリソンさんが、ヴィオラ・ダ・ガンバを弾いて、
居候先のシンプソン家の人達とホーム・コンサート。