漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

幸せかを確かめ続けたい…

2010年10月24日 14時09分56秒 | 第17話/瞼の娘

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、
村一番の上流家庭の旦那だった頃、
地域の警察及び裁判関係の仕事に携わっていました。

 昔は、私生児を出産した女性は処罰されていたらしいのですが、
…当然ながら、地位の高い方々&ご側室の方々には処罰の手は及びませんでした。

 そういった方々の中で史上最高に凄いのは、
かの名高きボルジア兄妹のお父様、
ローマ教皇アレクサンデル6世聖下 ( 在位1492-1503年 ) なのでした。

 それから、当時は妊娠の正確なタイミングも分かっていませんでした。
排卵日が生理の12-16日前に起こる事が分かったのは、
1924年、大正13年の日本でなのでした。 

 そういう訳なので、
アレックスさんのお父さんは死んだのに、
何故9ヶ月以内に生まれず、
10ヶ月とちょっと後になの?
― などと噂になっていたのでした。

 ハリソンさん、
何らやましい所は無いので、
またこの母子を助けて行こうと思うのでしたが ―― 。

 でも、今度も騒ぎや深刻な対立が起こってしまい、
その中でも最悪なのは、
甥ジョージさんの奥さん、エリーズ妃殿下が、
お砂糖屋さんのおウチからの玉の輿で、
貴族の出身では無いっちゅーコンプレックスを刺激されて、

「 んまぁ、何ですって~っ!! 」

― と、アンジェラさんと大ゲンカになってしまうのでした。


 第18話は11月からの開始となります。

休暇が取れた

2010年10月23日 16時27分38秒 | 第17話/瞼の娘

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、
母子二人を Fountain & Forest Garden という、
プレジャー・ガーデン ( 遊園地 ) へと連れて行こうとしているのですが ― 。

 実はこの庭園、ウォルポールさんが設計と運営に関わっていて、
ハリソンさん、その事で後々悩まされる事となるのでした。


 今日の続きは明日。

 

思い出それぞれ

2010年10月17日 10時10分56秒 | 第17話/瞼の娘

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 アレックスさんが身分不相応な馴れ馴れしさを
ハリソンさんに対して見せているのに対して、
アンジェラさんは距離感のある言葉使いをしているし、
ハリソンさんも苗字にさん付けで呼んでいます。

 アレックスさんは、子供だったから詳細が分からず、
美しい思い出にすら変わっていたのかもしれませんが、
大人のアンジェラさんにとっては、
不快な記憶であったのかもしれません。

 ハリソンさん、鳥さんにちょっかいを出しているようですが、
この鳥さん、後で騒ぎを巻き起こすのでした。


 次回の更新は、10月23 (土) ・ 24日 (日) の予定。

適当にして充実

2010年10月16日 12時10分37秒 | 第17話/瞼の娘

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 モーツァルトさん、
父親レオポルドさんがテキトーに付けた名前にしては、
大そうな充実っぷりで。

 ヨアネス・クリュソストムスは、1月27日が祝日の聖人( 344-407年 ) で、
見事な説教ぶりから、「 黄金の口のヨアネス 」 と呼ばれた人物から取ったものだし。

 ウォルフガングは、 「 狼と行く者 」 という意味で、
つまり 「 剛の者 」 ちゅーこっちゃっしょ~?

 テオフィールは、 「 神を愛する 」 だし。
愛すりゃ愛されるでしょーし。

 雄弁で勇敢で信仰心に厚い…と、
全部まとめて一言で言うと、

素晴らしい人

― という意味じゃんよー!

 でも、モーツァルトさんのキャラとは全然合っていないよな…。
評価のし所からも全然外れてるし。

 そういう所からも、
テキトーに付けたというのが分かっちゃうよね~。
異様なまでに名前に願いを込めていないから、

その名にふさわしき人物となれ!

― なんて強要もされなかったんだろうし。

 「 お母 ( 父 ) さんはね、 ×○ にね、
こーゆー人になって欲しくて、 ×○ って付けたんだよ。 」
とかね~。

 モーツァルトさん、もし親が強い願いを込めて命名していたら、
将来はローマ教皇を目指させられていたって事だよね?
まあ、かの天敵、ザルツブルク大司教を部下にはできたんでしょうけど。

 一方、トリストラム・シャンディさんなんですが、
誕生の際に、お医者さんが分娩鉗子の使用ミスをしてしまい、
鼻が潰れてしまいました。

 で、ウォルターお父さんは、
錬金術の神、トリスメジスタスの名を与えようとしました。
不幸を幸に変えるというのを錬金術に例えたんでしょうね。
結局上手く行きませんでしたけど。

 教育や躾も失敗したらしく、
現在どこにいるのかが不明なのですが、
自分の分身や身代りとも感じて、
今まで助け合ってやって来たハリソンさんに対して、
正直な所、不満を感じ始めている事でしょうね~。



 今日の続きは明日。

 

Name&Triumph ~ 名前と成功 ~

2010年10月10日 15時52分08秒 | 第17話/瞼の娘
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 モーツァルトさんの本名について何度も書いてますが、

ヨアネス・クリュソストムス・ウォルフガング・テオフィール・モーツァルト

―― といいます。

現在呼ばれている、

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト

―― は、本名を元にして後から付いた芸名のようなモンなのでした。

 ハリソンさんのセリフにあるように、
モーツァルトさん、背丈が小っちゃくて、
大人になっても150センチ台だったようで、
その事を自分自身で冗談のネタにもしていたようです。

 モーツァルトさんのお父さんのレオポルドさんは、
子供の命名には無頓着でした。

 ウォルフガングさんは生きている間には、
必ずしも才能と努力が報われていませんが、
結果としては、現代では18世紀の歴史上人物全員の中でも屈指の有名人となったのでした。
全部の世紀を合わせても相当上位なんじゃないでしょうか?

 音楽家としては、18世紀では多分一番でしょうね。
小学校低学年や幼稚園児でも楽器を習っていれば知ってるでしょうし。
バッハさん、ヘンデルさん、ヴィヴァルディさんのバロック三大巨匠は、
もっと年が上行ってからでないと分からないでしょうし。

 一方、 「 トリストラム・シャンディ 」 のウォルターお父さん、
子供の命名には相当のこだわりがあって、
キリスト教の聖人名や昔からある名前は退けて、
次男を異教の神と同じ名、トリスメジスタスと名付けようとするのでしたが、
メイドの物忘れと、洗礼を授けた牧師の、
ウォルターさんよりも知識量が少なかった事から来た思い込みから、
トリストラムという、
パッと見、わざわざ不幸を呼びこんでしまいそうな名前が付いてしまうのでした。

 ウォルターさん、
人生の幸・不幸の原因を名前に帰していますが、
シャンディ家の男子の方々、
残念ですが、こういう性格の人達は、世界津々浦々どこへ行っても、
また、どんな時代であっても、
組織内での出世は望めませんよ~。

 表面的な世界は、理路整然とした思考力を持ち、
断固たる態度で力強く主張し、
行動的で、手段を選ばず他者を従わせられる者を
中心にして回るようにできていて、
組織の覇者がすなわち社会の成功者とされるんです。


 トリストラムさんも、
多分現代なら、注意欠陥性障害とか発達障害とか
レッテルを貼られてしまい、
周りにいる人次第では、

人気者で可愛がられるか、
徹底的に言いがかりをつけられて苛めぬかれるか、


 天国から地獄へ。
 地獄から天国へ。

…どっちにしたって、相当苦労すると思いますよ。

 この物語の結末近くでも、
その事についてかなり突っ込んで描くつもりでいますがね。
それに対して、作画者の尼将軍さんが以前にも書きましたが、
かなりキツイとビビっているのでした。

 まぁ~でも、作者、ぶっちゃけで名前と運勢の関係では、
画数占い本とかで自分に都合のいい事が書いてあると、
将来に期待してしまうんですけどね~。

 晩年運 


― とか、あったりすると、まだ間に合うから特にね! 


 次回の更新は、10月16(土)・17日(日)の予定。
 
次回は、ハリソンさん ( バツイチ ・ 干物男 ) のお嫁さん候補の一人、
メイン・ヒロインの登場。
  

  


僕は、今お礼を言わないとね

2010年10月09日 17時23分10秒 | 第17話/瞼の娘

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさんのオレンジ煉瓦の屋敷、
奥さんとの離縁でブリングストン伯爵夫妻に奪われてしまい、
借家となった屋敷は、やがて借主からの購入要望を受けて、
売却されてしまいました。

 アレックスさん、
ハリソンさんの奥さんからハープシコードの
弾き方を習っていたようです。
でも、お嬢様のたしなみ程度の奥さんとは、
才能が格段の違いでした。

 ちびっ子モーツァルトさんとも、
ずば抜けた楽才で理解し合える所があって、
友達になれたんでしょうね。

 And, アレックスさん、
ハリソンさんの著書を、
大人買いではなくて、ちょっとずつ買い足して
行こうという事なんでしょうが ―― 。

 ハリソンさんが執筆活動の他にも、
当代一の悪名高きエロ・グロ・ナンセンス本、
「 トリストラム・シャンディ 」 の出版に関わっている事を知ったら、
― 若い女の子だし ― どげかすんでしょうか? 


 今日の続きは明日。

芸は身を助ける

2010年10月03日 16時38分41秒 | 第17話/瞼の娘

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 アレックスさん、お母さんと一緒に行ったんでしょうけど、
まさしく、

「 13歳のハローワーク 」

ですな~。

 バーンズ夫人、貴族の家の出身で未婚との事ですが、
ある程度の年も行ってしまっているので、
Mrs.+実家の苗字を名乗っています。

 ハリソンさんの甥のブリングストン伯爵は、
爵位名と家の苗字が一致しています。

 一方、ウォルポールさんの甥のオーフォード伯爵は、
お祖父さんが総理大臣引退記念に貴族へと列せられ、
紋章院というお役所との話し合いで決めたんでしょうが、
苗字とは別の爵位名を名乗っています。

 バーンズ夫人の実家は、オーフォード伯爵家と同じパターン
でしょうな。

 アレックスさん、絶対音感&耳コピー能力の持ち主で、
それを利用して、紙に描いた鍵盤でも、
実際に楽器を弾くように練習ができ、
この職を得られたようです。

 
 次回の更新は、9日 ( 土 ) ・ 10日 ( 日 ) の予定。 

声をかけそびれてしまったのは…

2010年10月02日 18時27分15秒 | 第17話/瞼の娘

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ヨアネス・クリュソストムス・ウォルフガング・テオフィール・モーツァルトさん、
本名長っ! ― アレックスさんからもらった珍種のバラを、
果たしてザルツブルクの家に持って帰って、
育てられたのかが謎なのですが…。

 まあ、最近やっとホームセンターでも、
予約購入できるようになり始めた青いバラよりは、
ずっと育てやすい品種なんでしょうけどね~。

 By the way,
昨日のTBS系TV、
「 感動再会!逢いたい!涙・涙・涙 スペシャル 」
の徳光さんwith査定員さん達みたいに泣いていた、
ブルック執事さん ― 。

 前ページで退場し、
多分第3部まで出番が無いんでしょうが、
帳簿以外読書してないという訳で、
特に教養があるようにも見えないし、
その他にも華麗なる執事のお仕事シーンが描かれてないと
…お思いの方もいらっしゃるかもしれません。


 ▼ 一応、お茶汲みとぽとぽシーンを、ネームの状態でですが、どうぞ…。





 But, このネームのシーンの時には、
もう執事ではなく、
社長秘書に転職しているんですが ― 。
後姿の 「 若様 」 と呼ばれている人、
実はもうこの物語の中のどこかに登場しているのでした。

 トワイニング社は、1706年の創業ですが、
この物語の頃は別の名前で呼ばれていたかもしれません。

 妹からもらった、英国で実際に販売されているのを輸入した紅茶の箱にも、

OVER 300 YEARS

― と、書かれていました。

 妹ーっ、

味、濃厚過ぎるでよォ~っ!

わしにゃ、日本で売ってるスーパーのオリジナル商品の、
完全日本人向けアッサリ味で十分じゃ!


 今日の続きは明日。