漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

また会えた時には…

2010年12月19日 13時18分36秒 | 第18話/親子ごっこ
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 今年は、ここまでです。

 第19話は、 「 真の才能 」 というタイトルで、
ハリソンさんが甥っ子ジョージさんの家で、
フランスとイタリア旅行の計画を述べて協力を得られる話と、
去年の年末に、第14話で出て来た、
あのベケット書店の意地悪っこ~い、
出版部門責任者さんとの和解の話が描かれます。

 で、その先は、第1部フランス通過編完結までに、あと4話ほど残っていて、

〈 第20話 〉 

 プロヴァンスに一行は入りますが、
ハリソンさんが風邪を発病、
従者マルセル君が再登場して、
「 トイレの神様 」
しちゃいます。

〈 第21話 〉

 マルセル君が薬屋さんで買った飲み薬の包み紙に書いてある文章を、
ハリソンさんが気になって仕方がなく、
続きを探して来いとマルセル君にワガママを言うのでした。

〈 第22話 〉

 マルセル君は薬屋の娘と親しくなり、
娘はマルセル君からハリソンさんが作家だと聞いて、
自分の不幸話を聞いてもらおうとするのでした。

〈 第23話 〉

 マルセイユでイタリア行きの船を待つ一行は、
パリへと向かう旅ピン芸人の青年と出会います。
才能があると見込んだハリソンさんは、
青年に援助を申し出、
マリアンヌさんが勤めているカフェ・ブルトンへ行くようにと
言うのでした。


…なんだけど、ネームはとっくにできてんだけど、
絵はこれから描く予定なんだぜ~。
それなのに、作画者の尼将軍さんが、
ユージン様みたいにさ、

「 私は外国の歴史モンじゃなくて、日本の等身大の女性を主人公にした漫画が描きたくなったのっ! 」

― なーんて、言いだしているのでした。

どーやら、転職を繰り返し、次から次へと来る縁談を破談にしまくる、
猫飼いで、破壊派無頼アンOLを描きたいらしい。

全然今風のフツーのOLっぽくねーよ!

 ま~、来年、できる限りの事はやってみます。
で、この4話のどこかで、トリストラム・シャンディさんの正体が半分くらい分かる事となります。


 第19話 「 真の才能 」 は、1月1日 ( 土 ) に予告編、
本編は、1月2日 ( 日 ) に開始する予定です。

 去年は、暗いトーンで終わりましたが、今年はほのぼのトーンで終われました。
それでは、よいお年を。
 

俺じゃ無理無理かも…

2010年12月18日 20時07分52秒 | 第18話/親子ごっこ
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 ハリソンさん、
人づきあいが得意じゃないと自分で言っている訳で、
自ら果敢に出向いて、ブラウン家へと挨拶には行けないようだし、
「 プライドと偏見 」 のベネット氏みたく、
「 それでも娘達の将来のためなんだから行ってよ! 」
― と、大義を説いて、せっついてくれる奥さんもいない訳ですからね。

 …まあ、でもそれなら、まいけるっちの御縁に連なってとか、
村の行事や教会の礼拝とかに参加すれば、
何とかブラウン氏に会えて、
挨拶から始めて次第に親しくなれるかもしれないじゃん
( 何か日本の中高生の友達作りみたいだな…。 )
― とは思っているようなのでした。

 バースの町は、現在でもローマ風呂で有名な観光地ですが、
当時はもっと、何ちゅーか、おセレブな方々が集まって、
コンサートや観劇やダンス・パーティや夜会が繰り広げられるような、
でも日本の温泉地とは違う趣って感じで、
行けばオッシャレーな社交地でした。

 By the way , お上品な甥のジョージさん、
ハリソンさんが、大ブレイク前のトリストラム・シャンディさんの代理で、
書店との交渉のために上京していたとは、
まだ知らないのでした。


 今日の続きは明日。



あいつのように富と地位があれば…

2010年12月12日 10時06分17秒 | 第18話/親子ごっこ

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさんとて、こんなんでもやっぱり男子なので、
こう考えてしまうんでしょうな…。

 お金や地位が無くて本当に辛いのは、
助けたい人や動物を助けてあげられなくて無力感に沈む時です。

 でも、ハリソンさん、
本当は自分が地位や富を持つ男子さえ凌ぐ凄い力を持っていて、
逆にそういった人達じゃあ決してできないだろうという事が、
やる気になれば易々とできるのだという事に、
未だハッキリと気付いていないのでした。

 ウォルポールさんは、今まで見て来たように、
何となくそれには感づいていて、
ハリソンさんと知り合いになって以来、
社会的優秀とされる男子の代表者として、
何かと突っ掛かって来ています。

 一方、トリストラム・シャンディさんは、
それを無意識で感じ取り、執筆活動から確信となって行き、
ハリソンさんが自らの人生を贖ってくれる救世主なのだと思い込み、
大きな期待を持ちます。

 そして、シャンディさんは、後にハリソンさんの命を危険にさらさせるような、
重い頼み事をして来るのでした。


 次回の更新は、12月18 ( 土 ) ・ 19 ( 日 ) 日の予定。
第18話の完結編です。



クール男子ってずるいよな…

2010年12月11日 18時34分41秒 | 第18話/親子ごっこ

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 シュターミッツ一族はボヘミア出身で、
18世紀には、ドイツのマンハイム宮廷やフランスなどで音楽家として活躍していました。

 今ではオーケストラの弦楽器奏者の弓の上げ下げは、
各パートで揃っているのが当たり前ですが、
当時は揃っていた訳では無いらしかったのでした。
演奏も楽譜をもらって、
ぶつつけ本番で弾いていても特にヘンでは無かったらしいです。

 マンハイム楽派の開祖、
ヨハン・ウェンテル・アントン・シュターミッツ氏 ( 1717-1757 ) 率いるマンハイム宮廷楽団員が、
ちゃんと練習もして、弓も揃えて弾いている姿が粋でカッコイイと評判になり、
欧米の他の楽団でも真似るようになって、
それがフツーになって行ったとの事らしいです。

 で、この物語よりちょっと後のマンハイム宮廷楽団は、
英国の音楽学者チャールズ・バーニー博士 ( 1726-1814 ) によって、

「 全員が将軍の軍隊 」 ← これ、スポーツ団体や会社の優秀部門の褒め言葉でも使えそう。

― と大絶賛されたそうなのでした。

 ハリソンさんのような優しさが基調の人は、
クールな人に対して両価的感情を持っているのでした。
漫画のセリフの一方で、ああなれたらいいのにと、
羨望してもいるのでした。

 ところが、クールな人は、
恐らく当人は、それで自分の人生が得しているとの思いはほとんど無いでしょうし、
スマートな振る舞いは上辺だけで、
真実の姿は、むしろ不器用で無様だとすら思っている可能性もあるのでした。


 今日の続きは明日。






あの人雑誌で見た事ある

2010年12月06日 21時27分22秒 | 第18話/親子ごっこ
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ウォルポールさんのお母さん、
ウォルポールさんが20歳くらいの時に亡くなっているので、
この 「 お母さん 」 と呼ばれている人、
本当は誰のお母さんなんでしょうか?

 それから一緒にいる若い方の女性も、
誰なんでしょうか?
お友達のランズバーグさんに似ていない事も無いですが ― 。

 By the way , 当時BLは犯罪なのでした。
最悪で死刑、軽くても属している社会から追放でしたから、
ハリソンさんの心の声は、
ウォルポールさんは同性の友達を大勢持っているという、
評判に対してのやっかみが半分混じった冗談なんでしょうけどね。

 ウォルポールさん、ゴシック風邸宅の苺ヶ丘城をいろんな人に見せたがり、
居住空間以外は一般公開もしているようで、
雑誌の取材も全英米各地向けの宣伝に利用してんでしょうな。 
アレックスさんが言っているのは、
第14話でアラベラさんの旦那さんが愛読している、

「 Who's the Gardener? 」 か、

第16話でハリソンさんがまいけるっちのロンドンの屋敷で借りて読んでいた、

「 The Gentlemen's Sunday 」

なのかもしれません。

 いずれにせよ、アレックスさん、
男子向けの雑誌をみずから進んで愛読する女性の、
18世紀英国版の一人だったんでしょうね。


 次回の更新は、12月11 ( 土 ) ・ 12日 ( 日 ) の予定。

憧れのステージ

2010年12月04日 19時14分57秒 | 第18話/親子ごっこ

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 当時のピアノは、まだ音が現代ピアノのようには大きくなく、
玉を転がすようなメロディーラインを出せるのも、
演奏者次第で可能となる程にはメカニズムも発達していなかったので、
公開の演奏会用楽器となるのはもう少し後でした。

 オルガン協奏曲ではヘンデルさんの曲が有名過ぎなので、
ハリソンさん、他の人の名前が浮かばなかったようです。

 ミシェル・コレットさん ( 1709-1795 ) は、
フランスのオルガニスト・作曲家・音楽教則本の著者でした。
演奏されているのは、「 オルガン協奏曲第3番ニ長調 OP.26 」
のようです。( 日本で販売されているCD有り。 )

 コレットさん、作曲したのは1756年なので、
結構前の曲ですが、
ヘンデルさんは数年前に没しているので、
ヘンデルさんの曲だったのなら、
さらに前の曲なのでした。

 ハリソンさん、アレックスさんの憧れをかなえるためには、
人事権に影響力を持つウォルポールさんと仲良くなれなければならないんでしょうが、
第15話の段階ではその反対で、
怒らせてすらいるようなのでした。


 今日の続きは明日。