漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

黄昏のエア (32/32) 続きは史実から予想してみてね!

2009年11月07日 20時02分32秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 去年と一昨年は、明るい雰囲気で終わっているのですが、
今年は、どんよりぃ~ → ♪ 真っ黒けのけ~ ♪ で終わる事になってしまいました。

 ただ救われるのは、去年の最後にアップした第11話の最後で、
ランズバーグ夫人と楽しそうにダンスをしているのが、
一番近況のハリソンさんだという事で、
本ページ最後のベタゴマの後で、何とかなったからという事なんでしょうが ― 。

 But , 第12話では、ホリー・ウォルポール兄貴がハリソンさんへと、
「 ダメ人間なくせして、なぜ大勢の人から慕われてるんだ?! 」
― と、クールな外観の下でメラメラと嫉妬してて、
― 第13話では、共通のお友達、デュポンせんせーの心に疑惑を吹き込み、
これから知人友人の手を借りて、ハリソンさんをいたぶり追い詰めて行こうとしている所で、
話が宙ぶらりんのまま、数年前のハリソンさんの恋バナに遡ってしまっていました。

 By the way , 最後から2コマ目の背景、
墨流し模様 ( マーブリング ) になっていますが、
どういうテクニックか分ります?

 … 何て事はない、そういう模様のスクリーントーンが、
上手い具合に画材店で売っていただけなのでした。


 専門の業者が商売で本を売る時代になった以上は、
こーゆー出版部門責任者さんのような人が出て来るのもしょーがないのかもしれませんが…。
意外な事に、直感に比べると数値分析ってーのは、たいてい的外れなもんだぜ!
 
 明日は、ハリソンさんとトリストラム・シャンディ氏との関係について、
今までのまとめ & これからの展開予定。

 

黄昏のエア (31/32) 反論できるものなら反論してみな!

2009年11月01日 10時25分03秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 どぅお~なんでしょ、この人、
「 だったらお前自身が何か書いて出してみろよー。 」 とか、
ムカつく人いませんか?

 そんから、紳士的を通り越したハリソンさんの腰の低さにも
イライラして来る人もいたりしてね。

 18世紀は、出版が王侯の庇護 ( パトロン制 ) を離れて、
専門の業者が文筆家と読者の橋渡しをするように変化して来た時期なのですが、
文筆家が出版者から派遣社員や請負社員みたいな扱いを受けていたにしたって、
ハリソンさん、卑屈になり過ぎですぜッ!!

 もっとも、史実上でも、 「 トリストラム・シャンディ5・6巻 」
の売り上げ数が、既刊に比して激減したのは事実でした。
最初はドッズレイ書店から1~4巻まで出して、大ヒット作だったのですが、
5・6巻を出す時に、もっと高い金額で版権を買ってもらいたくて、
スターン聖下、ドッズレイ書店と揉めたんでしょうか?
― 別のベケット書店から出した所で総崩れになっちゃったみたいなんですがね ― 。

 漫画の方に戻って、書店の出版部門の責任者さん、― 名前をまだ考えていませんが、
― は、データ御宅騎 ( オタッキー=マニア ) で、 ― この都市でこの日に 「 トリシャン⑤⑥ 」 が
何冊売れたかなんて調べ上げた詳細なデータまで収集してやがって、 ( ハリソンさんへは集計した物を渡しているけど。 )
― 統計的方面からも不確定要素方面 ( ただしこれも経験の積み重ねから得たデータ )
からも攻められて、ハリソンさん、どう反論する?!

 
 責任者さんは、ハリソンさんがシャンディ氏を 「 連れて来た 」
宣 ( のたま ) っていますが、閲覧者の方々には、これでまたさらに訳が分んなくなっていただけたでしょうか?

 どっちにしても、最後はホリー・ウォルポール兄貴も巻き込んで、
♪ きっと来るゥ~ ♪ ― ホリーは井戸アニキ~っ ― のホラー的展開になりますから。

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 来週は第14話完結編&来年分&年末年始アップ分の予告編となります。

〈 次回の更新は11月7・8日の予定 〉






黄昏のエア (30/32) ブッ飛ばしたい度200%

2009年10月31日 17時29分00秒 | 第14話/黄昏のエア

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 2週間ほど、待っていて下さった方、いらっしゃったらごめんなさい。m( u . u )m
でも、2週間の間、視聴率があまり下がっていないのですが、
「今日はアップされてるかな~?」
― とか、見て下さった方もいらっしゃったのでしょうか?
いずれにせよ、ありがとうございます。

 今回は、加筆分だったという事もありますが、
& … だいたいそうなのですが、今回もパソコンの具合が悪くて、
自力で直そうと格闘していて大幅に遅れました。
第14話が終了したら、お金がかかるのはイヤだけど、
観念してメーカー修理に出そうと思っています。

 そんな事もあって、今年は14話までで終わりにして、
来年から15話を始めようと思います。
話の内容の区切りの上からもその方がいいかも ― 。

 18世紀の中頃では、まだ出版社と印刷所と書店と製本所が
一緒になっていたようです。その後分離が進んで行きました。
漫画の中では、ショーウィンドウに、新刊&おススメ本の製本済み見本が展示されていて、
試し読み用のページが開かれている商品もあります。
もちろん店内にもいろいろあるので、いい本があったら本文を注文して、
よければ一緒に製本もやってもらって、できたらお渡しといった販売方法でした。

ハリソンさんがとある連絡を受けて、
浮かない顔して書店へと入って行くのですが ― 。


 うぅわぁ~っ、もういい機会だから、Windows7が入っているパソコンに変えちまおっかな~っ!!
ついでに地デジTVとデジカメも買ったら、店員におだてまくられていい気分に
なれんじゃないのか~!?
も~、パソコンの具合が悪いと、精神状態が最悪になる~っ!!

 書店の出版部門の責任者さん、
この話では今までいなかったタイプのイヤ味テイスト満載な新キャラなんですが、
次ページではさらにキツい事をハリソンさんに宣 ( のたま ) ふのでした。

今日の続きは明日。




黄昏のエア (29/32) また離婚騒動起こすのかよ?

2009年10月17日 17時46分19秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、若い頃はルーシィ・ニコルさんという人気オペラ女優のファンで、
ハリソンさんがファンレターを出した事がきっかけで、
彼女とペン友になって、ヨーク州に彼女がお仕事で来た時や、
ハリソンさんがロンドンに行った時に会っていました。

 ハリソンさん、当時は既婚者だったのですが、
ガードが緩甘で奥さんに勘付かれてしまいました。
その上にハリソンさんの他の女性関係も絡んで、
ショックを受けた奥さんが大事件を引き起こしてしまい、
とどのつまり泥沼離縁騒動となってしまったのですが ― 。

 …それも、漫画で描かれるのはかなり先の事なので、
詳細はお時間がある時にご想像下さい。


 イタチを 「 大きな白い猫がいる。 」 と見間違えた人がいるそうです。
カンディ君に片思いのまいけるっち、これからカンディ君にいろいろとあだ名を付けて、
決して本名では呼ばないでしょう。

 ラスト3ページ、まだこれから夕ご飯食べてからのペン入れだから、
見たいTVもあるし、明日の分がアップできるか心配 ― 。





黄昏のエア (28/32) 黄昏の後に来るは暗闇…

2009年10月11日 11時03分24秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 アラベラさんが、ハリソンさんから渡された本を見て、
読んでどんな反応を起こすかは、本話では取り扱いません。
扱ったとしても、かなり先の事になりますので、
その間にどんな風だったのかを各々の心の中で想像してみて下さい。


 ドロドロや激々や * * * * を期待していた方がいたとしたら、11話に続いて本話でも無くて残念でしたね~。
ハリソンさん、恋愛はセンチメンタル・ジャーニー系なんですよね~。
18世紀 + ドロドロ激々 * * * * を期待するなら、フランス革命を終結させたと言われている、
テレーズ・タリアン夫人の恋愛遍歴を描いた、 「 令嬢テレジア 」 が今10巻まで出ていて、
ロベスピエールさんが進める恐怖政治の真っ只中、運命の人タリアンさんと一緒にますますスゴイ事になってるんで、
そっちでたっぷりとご堪能して下さいや!


 次週からハリソンさんの運気が暗転。
今、英国が舞台の物語といったら、日本じゃ18世紀物じゃなくて19世紀ヴィクトリア朝物が主流なんだよな~。
作者もほとほと運が悪いぜ!

〈 次回の更新は10月17.18日の予定 〉

黄昏のエア (27/32) 全てを話そう

2009年10月10日 11時31分48秒 | 第14話/黄昏のエア

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 ハリソンさん、確か第7話でデュポン先生に、
「 ロミジュリのノヴェライズお仕事をアラベラさんの弟に取られた上、
自分の仕事よりそっちの評価が上々だったのが悔しかった。 」 とか、
「 でも、トリストラム・シャンディ氏が60年の新年早々、
自分の代わりに敵を取ってくれてうれしかった。 」
とか、言ってるんですが ― 。

 アラベラさんは、前述の如く、 「 ロミジュリ 」 の影の監修者なので、
ハリソンさんの敵だし、ハリソンさんがシャンディ氏と何らかの関わりが
あるからには、アラベラさんの敵となるのでしょうな。

 ちなみに、アラベラさんは、ハリソンさんが 「 ロミジュリ 」 執筆者募集に
応募していた事も知らなかったのでした。

 さらに固い友情を結ぼうと、ハリソンさんは 「 英国古今演劇小説 」 企画段階から、
「 めぐり逢う魂 」 & 「 トリシャン 」 On Sale に関わる秘話をアラベラさんに
洗いざらい話してしまおうと、
雰囲気に呑まれて思ってしまうのでしたが ― 。


 20代の女の子じゃあるまいし、40代のいい年したおじちゃまが、
ロケーションやら、相手の出方やらその他にも様々な要因があるんでしょうが、
感情に流されて、大卒で決して知性や教養も無いわけじゃ無いはずなのに、
立ち止まって考慮せず、その場ですぐに言動に移してしまうのは失敗の元なんじゃないのか?

 明日は、まいけるっちが再登場。
ハリソンさんの過去の大失敗を暗示する嫌味をぶっこいちゃいます。




 

黄昏のエア (26/32) 自分だけの世界から…

2009年10月04日 17時34分25秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 逆に、何でハリソンさんは、上っ面ばかり誉めそやされて、
同性から嫌われそ~な、年の離れたお嬢様タイプの女性にばかり惹かれるのでしょうか?
パリで仲良くなった伯爵令嬢兼女社長ジェイン・ランズバーグさんや、
亡くなった奥さんもそんな感じの女性なのでしたが ― 。

 ― 塚、この点は、ローレンス・スターンさんにも
そっくりそのまま当てはまるような気がするのですが、
そこんトコをズケズケ書いて、それじゃどんな女性が合うんだってトコまで想像して、
書き溜めた論文集の中にそれらを何気に混ぜ込ませて、
一般書店流通向けに出版して下さる大学の先生はいらっしゃらないでしょうか?!

 ― 作者、是非読んでスカッとしてみたいですわい。


 アラベラさん、青鞜会にも入れなかったし、
自分が書いた物を自分以外の人に見せるのも初めてで、勇気がいたんだろうな。
 この中に、 「 黄昏のエア 」 も入っていて、
ハリソンさんはこの後、何かある事にこの詩を思い出すのでした。

 次週、ハリソンさんは、自分のある作品も
アラベラさんに読んでもらおうと決意するのですが ― 。

 ところで、アラベラさんが、「 トリストラム・シャンディ 」 を嫌う理由って、
何だと思います?
実は、自分のセールス上のライバルだとか、Y本という評判の他にも訳があって、
もしかしたら、こっちの方がずっと大きいのかもしれないのでした。

〈 次回の更新は、10月10・11日の予定 〉

黄昏のエア (25/32) お父さんが使命を終える時…

2009年10月03日 16時09分21秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 まだ 「 熟女 」 ではない女性が、
年上の男性にお父さん代わりを求める事はありがちな事です。
必ずしも不倫とは限らず、25歳のOLが30代前半の中間管理職者である、
直属の独身上司の彼女って事もあったりしますが ― 。

 不思議なのは、そういう女性達は家柄が良さそうで、
高い教育を受けて、幸せそうな暮らしぶりをしている人が、
意外に多いという事です。
美人でいい洋服着ていたりもする。
一見何でも持っているように見えるのですが
実は、 「 平均値的同性集団 」 に反感を持たれ、
すごく嫌われていたりする…。

 外観の整いぶりに対して、心の未熟さのコントラストが
際立ち過ぎてしまうんでしょうな。

 アラベラさんも、現時点では同性から 「 イケ好かない 」 と思われるタイプに属するんでしょうが、
これから何かが起こり、この物語の最後の頃にはすっかりたくましく変貌し、
多くの女性が憧れて自らの未来の希望とするような、
真の 「 ジェントル・ウーマン 」 となった御姿をお見せできる事があるのかもしれません。

 …But , そうなるためには、お父さん代わりの現夫とハリソンさんは、
それぞれ 「 逆三行半 」 や 「 お役御免 」 とならざるを得ないのでしょうな。
…トホホ。


 さあ! ここで、もしあなたが 「 トリストラム・シャンディ 」 読者の方でしたら、
ウォルター・シャンディさんの言うセリフ、 「 夫たる資格なしとなれば、
種牛にとっては死刑の宣告と同じ事。 」
― を思い出してみましょう。

 アラベラさんが、自分の本当の姿と向き合い、
他者に心を開く始めの一歩。

今日の続きは明日。


黄昏のエア (24/32) 別離と再会へのプレリュード

2009年09月27日 18時05分34秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 アラベラさんにしても、ハリソンさんにしても、
「 自分達の本当にしたい事 」 がまだ分っていません。

 二人には気付きのための別れと旅立ちが待っています。
二人が 「 本当にしたい事 」 に気付き、
各々の文才をどう役立てたらいいのかを
考えて実行できるようになった時、
またどこかで出会えるのかもしれません ― 。


 2コマ目で、カンディドゥス君が近付いて来ていて、
この猫ときたら、ハリソンさんの事を、
飼い主一家の人達よりも大好きなんですが、
名前の通り ♂ です。

 そして、アラベラさんがハリソンさんに渡す物とは…?
秋は夕焼けが美しい季節。
来週の土日も晴れて美しい夕焼け空になりますように ― 。

〈 次回の更新は10月3・4日の予定 〉


黄昏のエア (23/32) 夕暮れ時の来訪

2009年09月26日 21時11分24秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ♪ 日が暮れてぇ~ 夕闇が かぁーねーの響くー街を~
優しくつぅーつみいぃ込んで あぁ鳥たっちも岸へと帰る~ ♪

この場面のBGMは、
ヘンデルどんの組曲 「 水上の音楽 」 の中にある、 「 エア ( Air ) 」 という曲ですな。
ジョン・エリオット・ガーディナーさん指揮の、
イギリス・バロック管弦楽団の演奏って事でお願いしますだ。


 こんな風に、ケンカしてから数日後の夕方、
アラベラさんがハリソンさんと仲直りするために、
シンプソン家へとやって来たのでした。

 雰囲気を高めるためには、今日は無理だったけど、
これからは夕方までにアップしといた方がいいんでしょうか?

今日の続きは明日。





黄昏のエア (22/32) ブルーの靴下が履けなくて…

2009年09月21日 13時44分39秒 | 第14話/黄昏のエア

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 「 青鞜会 」は、上流階級&専門職者で、知性と教養のある男女がメンバーとなり、
夜集まって紅茶を飲みながら、当時の一般的な夜会よりはずっと真面目な内容で交流をしていました。

 メンバーの一人、ベンジャミン・スティリングフリートという人が、
青い靴下をうっかり履いて来た事から 「 青鞜会 」 と名付けられました。
ちなみに、当時の夜会では黒か白の靴下を履くのがフツーで、
青い靴下なんてーのは、労働者階級の履くモンなのでした。

 女性メンバーの中には、文化・慈善・社会活動をしている人達もいました。
会の女ボス様、エリザベス・モンタギュー夫人は、
― この人、史実上ではローレンス・スターン聖下の奥さんの従妹なんですが、
― 才能ある新人女性の発掘も行っていたのだそうです。

 アラベラさん、「 男子もべっくらこく程の古代ローマ武将萌えの歴女様 」 という設定
( にも関わらず、その具体的描写が、漫画でも作者の解説文でも皆無なのだった。
― いや、別の話で書く事があるかもよ。 ) なのだし、
社交界の華でもあったから、青鞜会へも評判が伝わって、
ひょっとしたら女ボス様直々のお誘いがあったのかもしれません。

 まあ、でもこの会合、後にユージン様が直江状やってイラつかせている、
大御所 J ****** 氏も出入りしてたって事だから、
アラベラさんが入会しなかったという選択は正しかったのかもしれません。

 ユージン様の事が無かったとしてもアラベラさん、ご覧の如くの複雑な性格なので、
距離感があって、見てくれの良さを一方的に崇拝される関係とか、
たまたま親しく打ち解ける事のできたごく内輪の関係ならまだしも、
頻繁な団体交流の中では、気難しくて取っ付き難いと誤解されたり、
潰されたりしやすい人なのかもしれませんから。


 漫画のように、ダンナや弟やハリソンさんが気にかけて、
助けてくれようとしていて、次週から6ページの間、ほのぼのとした雰囲気が続くのにも関わらず、
アラベラさんは、トンデモ過激な行動に出る決意へと行き着いてしまう結果に― 。


 ダンナのヘンリーさんも、ハリソンさんも同じような理由で、
アラベラさんから 「 死刑宣告 」 されてしまうんです…。
もちろん比喩に決まっていますが、何ともまあ、お気の毒に!
…でも、その理由とは何だと思いますか?

〈 次回の更新は9月26・27の予定 〉

黄昏のエア (21/32) 僕、放置民 ( ほうちみん )ですから

2009年09月20日 11時07分30秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 アラベラさんは、両親からの締め付けが厳しかったのですが、
ユージン様は、両親から放っぱらかしの 「 孤独っ子 」 になっていました。

 アラベラさんは、 「 嫁入り前の女性 」 という事を口実に言動を規制し、
精神世界に至るまで徹底的に管理しようとする両親に対抗するために、
私室でこっそりと詩を書いては、机の引き出しや棚に鍵をかけて隠していました。

 ユージン様は、事業の後継ぎだという事以外には自分に興味の無い、
家族も含めてあらゆる組織の存続のためには、個人間の感情交流など非効率的
― とすら考える両親から受けた育児放棄&内気で人見知りな性格から、
ひとり遊びに目覚め、やがては文章を書く方向へと向かいました。

 両親は、アラベラさんの文才にはあれこれと妨害をしましたが、
アラベラさんへの当て付けもあって、ユージン様の文才に対しては、
賞賛&協力もしない代わりに妨害もせず、全くの放置状態でした。

 お互い欠乏感のある姉と弟はいつともなく、
どちらともなく、歩み寄って結託していました。
そして1758年の事、ロンドンの某書店が企画した 「 英国古今演劇小説 」
シリーズの執筆者募集の広告
をアラベラさんが見つけ、
ユージン様に、 「 自分も協力するから、シェイクスピアのロミジュリに応募しろ。 」
とけしかけたのでした。


 …そして、それがハリソンさんの仕事を奪ってしまい、
文筆家としての危機感に煽られたハリソンさんを、
やぶれかぶれにさせて、ある破壊的な方向へと向かわせてしまったのですが ― 。

 ヘンリーさん、ホントにシドニー姉弟の理想的お父さんみたいじゃの~う。

今日の続きは明日。

黄昏のエア (20/32) 大人の男の話って何ぞや?!

2009年09月19日 17時08分16秒 | 第14話/黄昏のエア

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 ユージン様、キャンベル邸の温室の中で、
義兄ヘンリーさんへと人生相談を持ちかけていますが ― 。

ちなみにこのページを描いた頃のブラピの奥さんは、
ジェニファー・アニストンさんでした。
ジェニファーからアンジーに変えなかったのは、もうすでに似た名前の人が、
この物語の主要人物として、来年から登場する事が決まっているからです。

 こんな風に、gmpスタッフが知っている欧米の芸能人名から、
テキトーに名付けられてる登場人物も結構いたりします。
まいけるっちは歌手ジョージ・マイケルさん&同じく歌手の 「 あの人 」 のもじりっぽいし。

 マイケルっちの奥さんは、尼将軍様が20代前半に好きだった、
歌手ベリンダ・カーライルさんから来てるし…。

 マー坊なんて、作者がフランス人で初めて名前を知った人が、
パントマイム役者のマルセル・マルソーだったから。
「 フランス男子らしい名前っていったら、も~マルセルだよ~。 」
― っていう思い込みがあったのでした。

 ユージン様、綺麗だけど表情に乏しい顔&渋みのある美声の持ち主なのにもかかわらず、
ズケズケな物言いをするギャップが面白いと、社交界でキャラが立ちまくり、
語録も受けて、男性ファンもじわじわと増加中でした。

 ユージン様ときたら、某雑誌のインタヴューで、
「 * * 氏にあって、あなたに無いものがあるとは思わないんですか?」
と記者から聞かれて、 「 そんなものがあるとは思えない。逆に自分にはあって、 * * 氏に無いものなら
いくらでもあるし、 * * 氏が生きている間に one of them でも獲得できるとはとうてい思えない。 」

― とまで言ってしまったのでした。


 その雑誌を読んだ英国文壇大御所の J ****** 氏、
オリヴァー・ゴールドスミスさん辺りを聞き手に、
落ち着き払って、ユージン様への皮肉を一発ぶっこいただけらしかったのですが、
それが 「 英国読者公論 」 で、直江状を読んだ松方家康さんみたく激怒したかのように、
針小棒大&勝手にでっち上げられて面白可笑しく書かれてしまい、
それに対して結局激怒してしまったとの事でした。

 ユージン様の言う所の、 「 大人の男の話 」 って、
何なんでしょうかねー?
まさか、

「 インドで俺も考えた 」 とか、

「 ガンジス河で平泳ぎ 」

― じゃないよなっ?!

 今日の続きは明日。

 

黄昏のエア (19/32) WIN‐WINは難しい?

2009年09月13日 12時32分05秒 | 第14話/黄昏のエア

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 ハリソンさん、穏やか&優くて、
〈 現代の英国紳士のイメージ 〉 ― とは程遠いお下品系な方々も多かったという、
18世紀英国紳士社会の草食系男子って感じなのですが ― 。
前にも書いたように、ホリー・ウォルポール兄貴と比肩しうる程の
「 激情 」 と 「 高いプライド 」 を持っているのでした。

 だから、自分も大っぴらに負かされるはイヤだけど、
他人でも嬉しいという人 ( ← 「 おマゾ 」 の呼び方は当時無かったけど…。 )
― は、多くはないだろうと思い、
両方勝ち ( “ WIN ‐ WIN ” も最近聞くようになった言葉だよな? ) を良しとする
思想を持っていたのでした。

 そして、自分を一方的に負かして平気でいられるような人物に対しては、
その人物の死後に至るまで根深~い恨みを持ち続けるのでした。
( ↑ 自分の両親とか、先代ブリングストン伯爵様とか…。 )

 実はハリソンさん、アラベラさんの心の中についての評価なんですが、
男性作家の視点止まりで、アラベラさんの真実とはズレてしまっています。
アラベラさんが、 「 現状では物語の原案を作る事で解消するしかないっていう、
不満の中味 」
にまでは思い至っていません。


 その半端っぷりも、今までとこれからの転落悲劇を招く要因なんだよな~。

 次週からは、ユージン様の方の言い分で、
ユージン様がアラベラさんのダンナさん相手に、
アラベラさんへの不満のぶちまけ&今後の対策&根回しをします。

〈 次回の更新は9月19・20日の予定 〉




黄昏のエア (18/32) 人形を操る人形

2009年09月12日 13時06分10秒 | 第14話/黄昏のエア

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 アラベラさん気の毒に、
インドに軍人として赴任していて熱病死したキャンベル氏の次男坊と、
少女時代にちょっと淡いご縁が有ったってだけで、
利己的な両親からその事をいい事利用されて、
親子どんぶり婚させられてしまったのでした。

 アラベラさん、美貌と才知と淑やかな外見のために、
インドでもモテモテで、男性との浅くて広い準恋愛的お付き合いを
沢山していたのですが、
彼女が自分から何かを進んでする事が気に食わない
両親の妨害工作によって、
本当に好きだった人とも、親密には遂になれませんでした。
 

 アラベラさん、自分が本当はどんな事を望んでいるのかが、
彼女自身の意識の中で、まだ順序立ててまとめられていません。
でも、ハリソンさんとのやり取りの中で、自分の望みにだんだん気付いて行くのと、
現実からの制約による締め付けと、偶然からのめぐり合わせの要因が絡み合い、、
彼女自身も周囲もまさかと思うようなとある状況へと走って行ってしまうのでした。

 今日の続きは明日。