漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

C'est un secret.

2011年10月03日 22時04分51秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ハリソンさん、マー坊をほめながらも怪訝な様子です。
でもマー坊、食事時なのに、
「 実はトイレ掃除をする代わりに食事代タダにしてもらえたんです。 」
なんて言えないですよね。

 第21話は、クレールさんがマー坊からハリソンさんの話を聞いて興味を持ち、
ある方法を使ってハリソンさんの気を引こうとする話なのですが、
マー坊の壮絶厠掃除現場も描く事になると思います。

 そこで、あまりリアルになり過ぎないようにと、
画材店へとモザイク処理風のスクリーントーンを買いに行きましたが、
ドットが大きくて粗すぎるので買うのやめました。
となると、隠さずに作者の画力の許す限りの真実を描かなくてはならなくなるんですけど、
閲覧者の方々…耐えられますか~?!

 まあ、作者の絵柄、昔、某求人チラシ用に描いたイラストが、
「 品が良すぎるから。 」
という理由でボツになった事があるくらいなので、
そーゆートコが救いになったらいいんですけど。


 第21話 「 薬包紙 」 は、また出来次第のアップとなって行くと思います。
 



決死隊志願

2011年10月02日 12時04分14秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 今話、タイトルが 「 麗しのクレール 」 なのに、
何故終いにはマー坊がトイレ掃除するなんて話をしてるんだろう、
脱線しまくりでは?
―― とお思いの方がほとんどでしょう。

 But , 第21話の冒頭は、マー坊が薬屋へ掃除に必要な物を買いに行き、
( といっても、まめピカとか、店オリジナル商品のお手頃価格の拭きシートとかでは無い事は確か。 )
看板娘クレールさんとハリソンさんのとある失敗話をしている所から始まるので、
クレールさんとハリソンさんとの架け橋となるきっかけとなっている点において、
決して脱線では無いと思われます。

ちなみにハリソンさんの失敗話、
「 トリストラム・シャンディ 」 第7巻にある、
「 無花果と卵の話 」 と関係があります。
前にも予告しましたが、ここで描けるタイミングとなりました。

 オテルのおかみさん、
接客業にはあるまじき言い訳がましい態度と思われるでしょうが、
本当にスタッフ不足で、
自らも 「 よっこらしょ 」
と、洗濯物運びをしているくらいなのでした。

 このオテル、各部屋にトイレは無くて、
ポットも置いてはいないようです。
ニホイが立ち込める事無く
邪気も溜まらず清潔そうなのですが ―― 。

 But, トイレが客室から分離した所にあっても、
トイレ自体が汚れていると、
お客様方は仕方が無く使い、
汚穢を避けるためにさらに汚してしまう ( 駅のトイレみたいに ) 。
もしくはトイレに行きたくなくて、部屋の暖炉をトイレ代わりにしてしまう。
( 当時の人は、 「 猫&火鉢 」 みたいな感じで本当にそうしていたらしい。 )

 … そういう悪循環が続いていました。
そうして、それから2世紀以上後になって、
18世紀の欧州旅行について書かれた本の中にある、
プロヴァンス地方の宿の悪評の一例となってしまうのでした。

 マー坊、そこまでやるかって感じですけど…。

 隊員は一人だけですが、尿素 931 との戦いもありますし、
その他にも体にイクナイ放射性物質がガンガン窯の奥底から放出されているし、
制御棒なんて当然無いし、汚水も大量に出るし、
単位は、今では専門用語からすっかり日常用語と変貌してしまったベクレルやシーベルトじゃなくて、
ppmなんでしょうが、撤収の目安のための測定機も無いしで、
まさに決死の覚悟と言っていいでしょう。

 以前、どこかにも書きましたが、
当時はトイレ掃除で本当に死亡者が出たとの記録があるのでした。

 By the way , 今度の冬は、節電&家電 ・ 暖房製品の性能UP&職種によっては土日出勤で対応なんでしょうか?
もう東電さん管轄区域だけじゃなくて、
日本全国どこ行っても逃れられそうに無いんで心配。


 今日の続きは明日。第20話完結編となります。
 


王様だろうと許せません!

2011年09月12日 22時11分34秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 マー坊、ボットン・トイレに吐瀉物を捨てようとしていたのですが、
あれ、戸を開けてみたらばさぁ―― !

 あまりに、あまりに邪気が溢れていたので、
― ( まぁ、それでも一旦部屋に戻って服装を整えてからだけど ) 、
― オテルのおかみさんに怒鳴り込みに行ったのでした。

 前回、例えヴェルサイユ宮殿でもトイレが汚れていたら、
国王陛下だろうと怒鳴りつけただろうと書きましたが、
以前、ヴェルサイユ関連の展覧会へと行った時に買ったガイド本を見てみたら、
宮殿内の見取り図が載っていましたが…どうもトイレは無かったようです!

 …現在では見学者や職員さん用のトイレは敷地内のどこかに設けてあるんでしょうけど。

 いにしえの宮中の方々は、
部屋でポットや便器付きの椅子を使っているのならまだいい方で、
階段や廊下の柱の陰に隠れて、
または庭の片隅で用を足してしまっていた方も多いようです。

 …だから、外観の優雅さとは裏腹に悪臭ぷんぷんだったんでしょうな。

 ヴェルサイユで働く一番下の身分の者だって、
良家のお坊ちゃまお嬢様に決まっています。
殿上人達が犬猫の粗相みたいな事してて、
それを片付けなくてはならないなんて、
辛くは無かったんでしょうか?

 By the way , 上記のヴェルサイユ関連の展覧会では、
「 ベルサイユのばら 」 の生原稿も展示されていました。
確か、マリー・アントワネット様が、次男坊の悪口を義理の弟が陰で言っているのにショックを受け、
「 私がしっかりしなくては! 」 と決意する場面でしたが、
もしかしたら墨汁で描いただけなのかもしれないし、
そんなにいろいろと描き込んでいる訳では無いのに、
スクリーンとか…今みたいに手が込んだ事一切して無いのに、
内容がとても濃く感じられんの!

 でもその後、ふと気付くと、
目の前で、知らない子供がアントワネット様が所有していたというハープを、
ポロンポロンなんて弾いていたのでした。
あわてて止めさせましたが、
親どこ行ってんだよっ!
ちゃんと付いてろよ!

 
 次回の更新は、でき次第。






まったく世話が焼ける

2011年09月03日 15時26分39秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 18世紀西洋を舞台にした物語というと、
宮中を舞台にした愛憎劇とか、
地方の富裕階級の邸宅を舞台にした恋の駆け引きとか、
他には階級上昇もしくは転落を到着点とした一本道、
――みたいな物が大方なんじゃないかという印象です。

 だから、この話みたいに、
主人公が時代に翻弄され、激しい愛と運命の渦に飲み込まれる。
―― 何て事が今の所無い。

 三代革命を控えて、
あちこち綻 ( ほころ ) びが見える中でも依然厳しい身分制度が続いていて、
それでも美貌や知力や才能や努力などで上手く隙間に入り込んで立身位を極める。
―― 何て覇気が全くとまでは言わなくても、
ほとんど感じられない。

 ―― 何て話は珍しいんではないでしょうか?
まあ、トリストラム・シャンディさんの縁者だという事は差し引いたとしても。

 しかも、話の後半はあまりにも卑俗な * * * * ( カタカナ四文字 ) 談となって行くのでした。

 このホテル、外観と内装はモダンで立派なんですけど、
とある場所が次回、マー坊の怒りを爆発させます。

 多分、マー坊、こういう事だったのなら…ヴェルサイユ宮殿でも激怒して、
たとえルイ15世陛下にであろうともモーレツ説教するんでしょうな!


次回の更新は近日。


 


フィルシーあるよフィルシーあるよ…

2011年08月13日 19時40分24秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 フィルシー = filthy = 汚ない 

この話、品のいい所はトコトンいいのですが、
悪い所はトコトン悪くなる傾向なので ―― 。

 ただ、悪い場合は悪い場合なりに、
できる限り品よく描こうと努めてはおります。
まあ、上手く行った所でこういうのを 「 駄目匠の技 」 と言うらしいんですけどね。

 今日アップの内容で、
一番トラウマを持ちそうなのは当の作者自身で、
1999年以来カリソンを食べる事がまたあるんだとしたら、
このページを思い出してしまうんでしょうな~。

 ハリソンさん、ポットを持って来いとマー坊に言っていますが、
英語で言う所の chamber pot の事で、
それというのも、
当時は現代のようなトイレや上下水道の設備が整っていなかったからなのでした。

 裕福な家庭では椅子としても使え、
謁見時に使っていた君主もいたというようなおまる ( 水洗式もありました。 ) や、
トイレ自体も ― ただし、日本でも昭和時代まであったようなボットン汲み取り式や、
川の上に設置してあって自動で流れて行く ―― タイプがありましたが、
一般ではボールとか洗面器とか壺みたいな形のに排せつをしていて、

そして…溜まったのを窓から投げ捨てていました。

 荷馬車に樽を乗せたり、桶担いだりして回収に来てくれる人もいたらしいのに、
待てなかったんですね~。

 花の都パリでも例外ではなく、
第5話の終盤 ( 7~10ページ ) みたいな事になって、
ここでもマー坊がハリソンさんに激怒していました。

 もしよかったら、今後の参考のためにもこちらもお読みください。
投稿当時、ヒジョーに評判悪かったんですけど、
あえて復活させときます。

 マー坊、とりあえず見つかったのは、
ハリソンさんが頼んだ物では無かったのですが、
髭剃り用の金盥 ( だらい ) を持って来たのでした。

 ちなみにこの金盥、
ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャさんが、
前編第21章で 「 マンブリーノの兜 」 と呼んでいる型なのでした。

 本来の使用法は、凹んだ所に首を突っ込んで、
剃ってもらう側が手で支えていて、
剃る方は剃った顔の毛や塗った泡を窪みに落としたりすると思われます。

 でも、ドンキさんは、
床屋さんが雨避けに被っているのがキラキラと輝いているのを見て、
自分が読んだ事のある騎士道物語の中の、
シャルルマーニュ帝の甥である、
騎士オーリー様が主人公の話に出て来たマンブリーノの兜だと思い込み、
床屋さんから喝アゲしてしまうのでした。


 何か作者さんよー、このテの話だと特に雄弁になってねーでか?


 次回の更新は、また出来次第です。
 

 

 




へっ、ナマイキに!

2011年07月31日 13時28分52秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 今話、 「 麗しのクレール 」 なんて、
岩波文庫収録作品の中でもなければ見つからなさそうな古雅なタイトルで、
出だしの典雅そのものさに
返ってお気を悪くした方もいらっしゃるかもしれませんが、
今度は反対に、お下品な方向で終結に向かって行くので、
それでお気を悪くする方もきっといる事でしょう。

 何しろ主人公の性格が複雑なために、
物語を1つのトーンにまとめる事が不可能で、
結果何でもアリの鍋状態なのでした。

 それからこの物語、
なにしろ原作群の一つに 「 トリストラム・シャンディ 」
入っているくらいなので、
ホリー・ウォルポール兄貴も、

― oddly coupled with a good deal of bawdy,

 奇妙っぷりが大量の品の無さと結託している。

…なんて悪口言っているくらいですからねー、
品の無いシーンが出て来てもしょうがないと。

18世紀物 = ① 気品ある宮廷ロマンス。 ② 疾風怒濤の革命。 ③ h@Za'/Za'k5\5\

…と思っている方で、これを見て下さっている方がいたら、
ここは一旦諦めて下さい。

 でも、①の宮廷ロマンス系の話はこれから出て来ますので、
それまでのガマンです。

 ついでに②もこの先出て来ますが、
アメリカ合衆国の独立騒動はまだ10年くらい先だし、
アントワネット様もオスカル様も10歳にもなっていないので。
令嬢テレジア様はまだ生まれてすらいないし…。
18世紀英国+革命と言えば産業革命でしょうから、
前2つを扱った話のような華やかさ、もしくは躍動感では無く、
ひたすら地味~っで堅実な物となるでしょう。

 ③については、作者はNHK並みの倫理で取り扱いたいものですが。
第2部イタリア編で、
かなり危険な場面を描く可能性が浮上して参りました。

 ハリソンさん、今はこんなんでも、
始祖はある多情な国王と御内証の方との間の姫君で、
一時聖職貴族だった人もいる裕福な家系の出だし、
古代ローマ人の食事方法も勉強して知っているせいなのか、
悪びれている様子がありません。

 一方マー坊は実家が飲食店なので、
食いものを粗末にするのは許せんといった様子です。
そしてもう一つ飲食に関する事で、マー坊にはこだわりがあって、
それが今話の最後に、今度はオテルの女主人相手に大爆発するのでした。


 「 麗しのナントカ 」 ってタイトルなら、
あのジャイアンさんが仲間を集めての空き地でのリサイタルで歌っていたのの中に
確かあったわよね~?
「 麗しの乙女 」 だったっけかな?



 次回の更新は、また出来次第です。 


 

何でお菓子なら食べられるんですか?

2011年07月28日 21時07分47秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 作者が毎年会社で受ける、健康診断の結果成績表の説明書きによりますと、

体重 ( ㎏ ) ÷ 身長 ( m ) ÷ 身長 ( m )

で、男子の場合、数値が 18.0 より下の数値だと痩せている、
逆に 26.0 以上だと肥満なのだそうです。

 ランクとしては、

A 普通 20.0 ~ 23.9
B 痩せ気味 18.0 ~ 19.9
C 肥満気味 24.0 ~ 25.9
D 痩せています < 18.0 ← ハリソンさんはここ
E 肥満です ≧ 26.0

… なのだそうで、ハリソンさんの身長が 1.75m としたら、
体重はどれくらいになってしまうんでしょうか?

 作者、理数系の技術職に就いてて、
毎日毎日計算ばかりしているくせして、
実は数学が苦手で、この答えがパッと分からんのでした。

 でも、作者自身の身長と体重から計算すると、

A ÷ B ÷ B = C で、
C × B × B ≒ A となったので、

病気の出現率が最低となる理想数値の 22 では、

22 × 1.75m × 1.75m = 67.375㎏

―― なくてはならないのに、
それよりずーっと低い体重となってしまうんですけど。
ハリソンさん、アヴィニヨンの強風にブッ飛ばされなかったんでしょうか?

 この物語、日本では江戸時代 ( 将軍は10代目家治様 ) の頃なんですけど、
2コマ目、時代劇で時折お見かけする、
すっかり徳川の平和ボケなお殿様の、
おバカっぷりにうんざりしながらお説教する家来の図みたいですな~。

 それからハリソンさんが食べているお菓子、
何だかカリソンみたいなんですが、エクス・アン・プロヴァンスの名産なのに、
クレールさんとこでも売ってたんでしょうか?

 今の日本なら同じ都道府県内、あっちの方角の端の地域のお土産用お菓子が、
こっちの方角の端の地域の町のお土産物店やスーパーでも買えたりしますけどね。
それと同じような事が18世紀のフランスでもあったんでしょうか?

 カリソンは日本でも都市部のお菓子専門店では売ってるだろうし、
同じくフランス菓子の中で、
「 トリストラム・シャンディ 」 第7巻32章を読んで、
初めて存在を知ったマカロンなんてのは、
もーすっかりメジャーで、
田舎のスーパーでも安けりゃ1袋100円とかでも売ってるよなー。


 確かに不思議よねー。
お腹一杯でもお菓子は食べられたりするもの。
ハリソンさんは 「 別腹 」 の事言ってんのよね。


 次回の更新は7月31日 ( 日 ) の予定。



 

これじゃあ、ますます痩せちまう

2011年07月11日 21時15分11秒 | 第20話/麗しのクレール
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 マー坊はハリソンさんのロマンティシズムを、
ハリソンさんはマー坊の食を通しての現実主義を受け入れられず、
話が噛み合いません。

 でも、マー坊の食い意地の張りっぷりに対しては、
ハリソンさんが大目に見ているので、
和やかとは言えずとも険悪という訳でも無い晩餐のようです。

 多分煮物には、肉類とニンニクとハーブの何種類かとか、
豆や初冬でも食べられる野菜とかが入ってグタグタになってるんでしょうし、
―― 生ハムもハーブの風味が付いていて、
―― ついでに何かの ( これもハーブ ) 葉っぱが傍らに添えられていて、
―― そもそも原料になった豚さんの飼料の中にもハーブが入っているんだろうし、
―― もう食卓上全てがハーブまみれなのでした。

 で、ハリソンさん、身長に対して体重が無さ過ぎなのが、
食事も満足に取れないんじゃ、
ますます痩せてしまいそうです。


 でも、ホントに、
ニンニクってちょっとだけなら食欲をそそるいい匂いだけど、
入れ過ぎると悲惨よ~。
辛くなっちゃうしね。

 母さん、健康にいいってんでポテトサラダに
パウダーニンニク入れようとしたら入れ過ぎちゃって、
凄くマズイ味だった事あったよね。

 そう、手が滑って袋から出過ぎちゃってね。


 次回の更新は、出来次第です。

マー坊がハリソンさんのワガママに激怒。 
 



恋煩い、それともただの風邪なのか?

2011年07月03日 22時02分46秒 | 第20話/麗しのクレール
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 前回、カラーページが増えたのは、
スクリーントーンの節約のためと書きましたが、
本ページもトーンを全く使わず、インクのみで描けました。

 本物語、最初の方はかなりトーンを使っていますが、
初心者は背景ナシの顔面アップとトーンの多用が目立つとの事なので、
これでも作者の画力が上がって来てはいるという事なんでしょうか。

 まあ、何度か繰り返し書いているように、
話の最初の方は理屈っぽくって議論が多かったので、
顔ばっかしトーンばっかしでも、
それはそれで合っていたのかもしれませんが ―― 。

 南フランスとはいえ、緯度は北海道より高い所だし、
初冬の朝は、まだ真っ暗な中を小学生が通学していました。
同じ頃、作者は5時起きでもした気分でホテルの食堂で朝食を取っていました。

 プロヴァンス地方全体的に、
昼でもかなり寒くて、
特に曇り空+強風の日は堪え難しといった感じでした。

 「 トリストラム・シャンディ 」 の第7巻41章でも、
アヴィニヨンは強風が吹く所とありましたが、
確かに到着した日の風は強かったです。
でも、作者はレ・ボーの町での風の方が、
荒涼とした風景と相まってさらに強いと感じました。

 ハリソンさん、
具合の悪い時には温かい物でも食べて早く休もうってトコですが、
ご存じ、プロヴァンスはハーブの聖地なので、
食事もフツーにハーブまみれなのでした。

 で、英国のアッサリ味に慣れたハリソンさんは、
オテル法王庁の食堂で、
何も食べられずにどーしよーと困っているのでした。


 旅行の楽しみはなんてったってご当地料理ですもの!
それが合わないんじゃつらいわよねー。
 

 次回の更新は、7月17日 ( 日 ) の予定。
 

ドラッグストアのきれいなおねえさん

2011年06月26日 11時53分22秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 現在の日本のドラッグストアでもそうなんですけど、
18世紀のフランスでも、
薬屋で食料品や雑貨品が売られていました。

 薬剤師もいたようですが、
食品販売者と分離されたのは70年代後半のようで、
それまでは同じ組合に属していたそうです。

 でも、その後も、
現在の日本のホームセンター内で薬品を売る際には、
ちゃんと薬剤師の資格を持つ人を置いているというのとは違ったようで、
買う側からも曖昧な区別しか無かった様子です。

 この後、マー坊は乾燥無花果の箱を担いで、
法王庁のご近所にあるオテルまで歩かされましたとさ。
同じ量を現代の日本のスーパーで買ったらかなりお値段が高そうです。

 By the way,
「 トリストラム・シャンディ 」 第7巻最終章の中で、
シャンディ氏がプロヴァンス名産の無花果を買うか買わないかで、
売り手のオバさんと揉めた話が載っていますが、
カノ紳 version. ではどうなったのか、
これから3話以内にどこかで描こうかと予定しています。



 ▲ネームではこんな感じ。

 シャンディ氏、

「 悪魔がその場にいたらしい。 」

と書いているんですが。
実際その後、ハリソンさんは、
売り手のオバさんに気を使った事と天然ボケから、
自分は悲惨、
でも他人から見たら大笑いなひでぇ目に遭うのでした。


 オバさん、お客さんに対して高慢チキじゃね?
 今の日本じゃ、
一部地域を除いてありえねーだね。



 次回の更新は、7月3日 ( 日 ) の予定。
 
 次回からはまたモノクロページとなります。
カラーページが増えたのは、
実はスクリーントーンの節約のためです。
  

追憶に浸らせておいてくれよ!

2011年06月19日 12時35分42秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 この物語、
ハリソンさんがセンティメンタルな雰囲気に浸ろうとすると、
必ず何らかのお邪魔虫が入ります。

 アヴィニヨンの町は城壁に取り囲まれ、
ローヌ川と12世紀に架けられた、
童謡で有名なサン・ベネゼ橋は、
その外側にあるのでした。

 この後、ハリソンさんは、
マー坊がオテルの従業員さん達や城門の監視をしている人達から仕入れた情報によって、
アヴィニヨンが誇る絶世の美女という、
クレールさんに会いに行く事となります。


 次回の更新は6月26日 ( 日 ) の予定。

 


君は今いずこ

2011年06月12日 11時00分36秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 男性の作家さん達は、
どうも自作の創作動機について、
壮大な理想をもってした事と人に語ってしまうようなのですが――。
世の中の利益のためにしたとか…ホントなんでしょうか?
結果的にそうなったのなら良し良しという所なんでしょうが!?

 作者、実はアラベラさんの言っている事の方が真実を突いていて好感が持てるんです。

 ところで話が変わりますが、
作者、十数年前にアヴィニヨンでひでぇ目に遭いました。
今思い出しても苦痛なのですが、
そこからハリソンさん&マー坊主従にこれから起こる事件を思い付いたのでした。


 アヴィニヨンの夕暮れってロマンティックそうだわ~。

 どうせこの話だから、
何らかの方法でそれをブチ壊して、
笑いの方向へと持って行くに決まってる。

 んで、アラベラさん、金持ちのダンナとインドにでも戻ったのかな?

 住所不明…高校時代のクラスメートにも有りがちだわ~。
結婚して引っ越しとか、ダンナさんの転勤先に付いてっちゃって、
それっきり分からなくなるの。

 でよ、だから時々名簿作るからこの人の行方を知っている人は教えてくれって、
卒業校からハガキが来るんだね。

 このページで言いたい事とは、
何事についても男子たる者が壮麗壮大な事を申しても、
女子たる者には感心できるとは限らぬという事じゃな。

 で、トゥビーさんもウォドマンさんにフラれちゃったのね。

 おじいちゃんとママンの話を聞かなければ、
わたしには何にも繋がりが分かんなかったよ。

 え゛、俺は 「 トリストラム・シャンディ 」 についてみんなが言ってるように、
トゥビーが tamanasitanenasi だからフラれたんだと思っていたぜ!

 つーかよ、それ以前の問題で、
トゥビーのオヤジ、
ウォドマン夫人の質問に対する答えになってねぇんだよ!

 そーねぇ。
私も将来に不安を感じて断るかも~。
こういう時に感じる直感って本当に大事よね~。



 次回からは、マルセル君が再度登場するので、
笑いの方向へと行くかもしれないっす。

 次回の更新は、6月19日 ( 日 ) の予定。
 

宿敵側の言い分

2011年06月05日 11時22分54秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 今週と来週のアップ分は、
初代トリストラム・シャンディさんが1767年に出版した第9巻の、
トゥビー叔父さんがウォドマン夫人を怒らせ、
ウォドマン夫人はプロポーズを断ろうと最初に決意する場面との繋がりがあるようです。

 ずい分と大人しい落とし方だよねー。
わたしはアラベラさんがもっと感情的な反応するかと思っていたよ。

 専門家曰く、 「 肩すかしの手法 」
ってーのを真似たんだね、こりゃ。

 感情的っていうと、
「 そなたは敵 ( かたき ) じゃ~! 」
って、涙流して抱きついたりしちゃってとか?
まるで大河ドラマの茶々さんが秀吉さんにしたみたいな感じね。

 母さんがどわい好きな令嬢テレジアさんが相手だったら、
トゥビー叔父さん上手く行ったかもね。

 え゛~っ?!

 いっそテロワーニュ姐さんならもっとよかったかもよ…。
 「 英国軍人の意地を見せろ! 」
ってな感じでさ~。

 うぉおおおお…さらなるトラウマが俺を襲うっ!!!

 現代の表現上の制約が少なく、
社会経験を積んだOLや主婦層に向けて、
女性週刊誌で連載されたというテレジア殿の話に比すれば、
市民社会とその価値観の台頭による厳しい制約と攻撃が為された時代のシャンディ殿の話は、
現代人の目で見れば、登場人物が大人し過ぎるよう見えても仕方が無いと
わしには思えるのじゃ。

 ちゅーか、ローレンス・スターンさん、
本当は草食系の大人しい人だったんじゃないの?

 ところで、クレールさんはこの部分と何の関係があって、
いつ登場すんのかな?


 そう、確かにタイトルは、 「 麗しのクレール 」 だもんね。

 ウォルポールさんを落葉の御方様が恋慕しているって話と、
ハリソンさんのカコクな運命との繋がりも中断されて、
未だに接続先が不明だしね~。
この話、そーゆーとこが多いよ。

 これはの、作者殿の怠慢や無能さでは無く、
シャンディ殿の話の雰囲気に揃えるための努力なのじゃろうよ。


 クレールさんの登場は5ページ目からです。 

 次回の更新は、6月11日( 日 ) の予定。





心の友と信じた人が…

2011年05月29日 17時33分19秒 | 第20話/麗しのクレール

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 何とか再開はできましたが、
続きを描いては、少しずつアップして行く事になると思います。
だもんで、休止する事もちょくちょくあるかもしれません。

 ▼ 本ページのネームはこんなんでした。





 ほとんど変わらないですが、
2ページ後からの展開の都合で、
ロンドンのテムズ川沿いにある、
まいけるっちの家の中で話している所を、
敷地内の川べりまで出て行って話しているという設定に変更しました。

 アラベラさん、
18世紀的センティメンタルな友情で結ばれていると信じていたハリソンさんが、
妖怪だと罵倒した宿敵トリストラム・シャンディさんだと知って、
いったいどーするんでしょうか?


 何かこの話、最初はすごく理屈っぽく無かったっけー?

 そー、何かロマンティックなお城の中でもぶつぶつと議論してたよね。

 まあ、でも、段々にドラマティックにして行くとはどこかで言っていたしの。

 おりゃ、どーせ激しい展開にするなら、
エロエロ系の激しさが見たいだに。

 18世紀物のドラマ&エロティックといえば、
令嬢テレジアさん、もう結構経つけど終わっちゃったわねー。
革命終結を喜ぶパリ市民が投げたバラの一枝を拾って、
「 皆さん、楽しみましょう人生を。 」
なんて心につぶやく…感動しちゃったわー。

 でも俺、テロワーニュ姐さんが未だにトラウマ…。
爆乳揺らして全裸の伯爵様をブン殴ってたのが…悪夢で、
あそこまでハードなのはダメだーっ!
「 わたしこんなに大きいのよ。 」
だって、
あ゛あ゛あ゛あ゛~っ!!!!

 おでこかほっぺにチュッ ってくらいまでなら描いてもいいんだけど、
それ以上はこの絵柄では何か見たくないな~。

 私はそれより第3部で予定されているらしい、
ウォルポールさんとヒュームさんのケンカが早く見たいよ。

 ま、ともかくもアラベラさん、
ハリソンさんの気持ちが分かれば怒りも消えて行くんじゃないの。



 次回の更新は、6月5 ( 日 )日の予定。

第20話登場人物紹介

2011年05月29日 17時32分39秒 | 第20話/麗しのクレール


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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 予定より一日遅れとなりましたが、
昨日アップ予定だった人物紹介と、
今日アップ予定の1ページ目を、
一度にアップする事になりました。

 今話からは、現代では作家の方々が、
雑誌の中などでそういった事をするのは全くフツーになっているある事を、
ハリソンさんが出会った人達に対して取り行うようになるのでした。

 なので、2代目トリストラム・シャンディ氏であるハリソンさんは、
初代シャンディ氏よりもいくらか発展的で、
各人の問題の解決へと関与ができるように進化しているのでしたが、
各人の最終決断が果たして彼に無力感を与えなかったかどうかは――。