漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

紳士のお仕事(7/12)  照男(テレマン)してんのかよ?!

2007年08月26日 16時21分58秒 | 第4話/紳士のお仕事

 ハリソンさん、マー坊の事を何度もハンサムと言っていますが、
見慣れてきたのと、この後、主にハリソンさん相手に失言を連発し、
遂には二人でボケ&突っ込みの役割を交代で行うようになるために、
美男キャラのカテゴリーではなくなるかもしれません。
(ほなぁ、「お笑い系」へ転向なんかいなぁ~?)

 しかしながら、美男キャラはまだ他にも(もしかしたらマー坊を軽く凌ぐ!?)
登場するかもしれませんので、
女性の方はちょっと期待しててみて下さい。

 ・・・まあ、こないだの「コザカシヲトコ」も美男ちゅーたらぁ美男なんですけんどねぇーっ、
ただねー、アイツもあーゆぅ性格の上に、身なりから成金ボンボンってのが透けてまんからなぁ~。

 このページ、ハリソンさんとマー坊の間でのちょっとした心の誤解が
描かれているんですよ。



 マー坊はハリソンさんに「ベル・オーム」と言われて、
照れているのですが、その一方で、

―ベル・オームなんて言い方、何かもったいぶった感じで、オジさんっぽいよ~。

・・・と「言葉の加齢臭」を感じて、ニヤニヤしてもいるのです。

 そしてそれを見たハリソンさんは、何とな、

―へっへっへ~っ、パリのフーゾクやシロートのオネェチャンちらと「ヨリドリミドリ両手に花」
と楽しくできるよ―って?
だんなのエッヂィ。アンタもスキねー。(・・・って加トチャンの「タブー」かいな!?)

 と自分の言葉をマー坊に勘違いしてとられたと思い、
「だからおしゃれとか・・・」とあわてて付け足しているのでした。

 まったく、ハリソンさんときたら見かけは「男性版干物系」なのに何考えてんだか。
(ハリソンさんにエロさを感じるヤツって存在するのかいな?)
マー坊は女性とは、仕事や近所付き合いですらまともに口がきけない程じゃないにしても、
結婚とか性愛とかいう目的で女性と接した事はまだないって設定で、そういう境遇に対しても、
今の所欲求不満でもないって訳で、多分そこまでは思い浮かばなかったと思いますよ。


 ところで、当時の大人気作曲家にゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767)という人がいましてね。
この物語の当時はドイツのハンブルク市で音楽監督をしていました。
大バッハ様ともヘンデルどんとも親友で、大バッハ様の次男坊の名付け親でした。

 亡くなった後は、世間ウケする作風が悪い方に作用して、急速に忘れ去られてしまったようです。
現代では、古楽ファンの方はよく知っているクラッシック系作曲家といった所でしょうか。

 ところがそれ以外の人となると、
―作者の学生時代の友人は、名前を聞いて「照れ屋の男」
と思ったのだそうです。


〈次回の更新は9月1・2日の予定です。〉







紳士のお仕事(6/12) フレンチ・ショート・コントかいな?

2007年08月25日 16時03分14秒 | 第4話/紳士のお仕事

 一週間の間にご覧下さった方々、どうもありがとうございます。

 もう10年くらい昔の事、フランスに旅行へと行くために、
TVのNHKフランス語会話を1年間録画して見ていましたが、
(放送・再放送が朝早いか、夜遅いかでリアルタイムでは見られませんでした~。
本ページはその時のテキストにあった会話のもじりです。

 その会話では、確か(現在ビデオの再生機がないために確認できません。)
女性に男性が「それ何?」と尋ね、
―「デッサンよ」
―「何描いてるの?」
―「あなたよ!」
という話だったと記憶しています。
ただね、女性は男性とは似ても似つかない、抽象画みたいな絵を描いていたような・・・。

 ご注意いただきたいのが、ハリソンさんがマー坊に対してここでは〈toi〉と言っている事です。
第1話2ページ目では〈vous〉となっているので、日本語ではどっちも「君」にしてありますが、
マー坊に対して、「心の内で親しみが深まりつつある」という所なんでしょうか?

 親しみが行き過ぎて、仕舞にはハリソンさんがマー坊の事を、
「おめぇ」とか「てめぇ」とか呼んでしまいそうな気もするのですが・・・。 紳士様がそんな言葉使っちゃいけませんて。
フランス語ではどっちも〈tu〉なんですけどね。

 あとはマー坊が、
―「トレトレに(『すんっごく』という意味で、マー坊の口癖の一種らしい。)イカしてますよね。」
―と言っていますが、〈galant〉という単語、英語でも〈gallant〉というのがあって、同じような意味なので、
漫画用のフランス語を入力する時に、最初〈gallant〉と間違えてしまっていました~。


 
 ハリソンさんも絵が描けるんですね。
それにしても・・・似顔絵は抽象画でも、美化して描いたのでも、描かれた方は分からないって事ですかいな?





紳士のお仕事(5/12) カミナリは高い所に落ちるんだから、しょうがない

2007年08月19日 16時09分40秒 | 第4話/紳士のお仕事

 またしても18世紀の作曲家が並んでいますが、

ヨハン・ゴットフリート・エッカルト(1735-1809)
ヨハン・ショーベルト(1735-1767)
ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-1782)

・・・なぜかみんなタメ。
この人達、今日では最後の一人、オーストリア神童の名声の陰に隠れていて、
「影響を与えた人々」と控えめに評価されていますが、
当時はとても高い評価を受けて、人気を博していました。

 エッカルトの曲は神童の初期のピアノ協奏曲へと編曲されています。

 ショーベルトの曲は現在の所、
「チェンバロ・ヴァイオリンとチェロのための4つのソナタop.16」
「チェンバロ協奏曲第4番ハ長調op.15」
が収容されている、2つのCDを作者は見つけて聴く事ができました。
この人の曲も神童の初期のピアノ協奏曲へと編曲されています。

 クリスティアン・バッハは、L.スターンがコンサートに行った事があるのだそうです。
この人の曲は、NHKFM「バロックの森」で時々聴く事ができますが、
何度聴いても覚える事ができないくらい、軽やかな旋律です。
お父上大バッハ様の曲の重厚さと、インパクトが強過ぎるのとは、対照的です。

 お父様の曲、♪ちらり~ん ちらりら りーら~♪はショックを受けた時に、
みんなが口ずさんでしまう名曲です。小学校の低学年の人達もこの旋律は知っています。
(曲名とか、作った人が誰かとかは知らないかも知れませんが・・・。)

 息子のクリスティアンさんの作品は、現代日本では作者のような前古典派音楽全般の愛好家が聴いたり、
神童さん研究者やファンの方々が関連作品として聴いたり、
もしかしたら、L.スターン研究者やファンの方々が、「ぜひスターン聖下と同じ体験をしたい!」と願って聴くか、
「バロックの森」のリスナーが「・・・ついでに聴いてしまっていた。」とかいう所でしょうか?

 カール・フリードリッヒ・アーベル(1725-87)は、クリスティアン・バッハと1765年1月23日から、
ソーホー街のカーライルハウスでほぼ毎週の水曜日に「バッハ・アーベル・コンサート」を開いていたそうです。
この人の曲も「バロックの森」で時々聴く事ができます。

 神童のコンサートに行ったという話は、第16話の予定で、
マイケルとベリンダというのは、ハリソンさんとお友達の夫婦の事です。
マイケルさんは、主人公の大学時代の「ご学友」でした。

 カミナリが電気の放電(ベンジャミン・フランクリンが1752年に凧を使って証明)だとか、高い所に落ちるとか、
今では「普通そうでしょ。」と思われていますが、
当時の欧米では「 カミナリは悪人の上に天罰として落とされる 」と言われていました。


 フランクリンが避雷針を考案した時に、聖職者が「だから余計な事をするな。」
というような事を言ったらしいのですが、フランクリンは、
「でも、カミナリは教会によく落ちていますよ。」とかわしたのだそうです。
ユーモアと茶目っ気たっぷりな感じで言って、端で聞いていたら吹き出しそうな雰囲気だったんでしょうか?


 ゴシック寺院なんて、いかにも「カミナリさんいらっしゃ~い」って感じで、
尖塔が空に突き刺さって、誘導しているって感じですからね。

〈次回の更新は8月25・26日の予定です。〉


 

 

 



 

 

 


紳士のお仕事(4/12) ―そしてハリソンさんは、こう思ったそうな・・・

2007年08月18日 18時33分52秒 | 第4話/紳士のお仕事

 一週間の間にご覧下さった方々、どうもありがとうございます。

 ジャガイモは、元は南アメリカのインカ帝国で栽培されていたのを、
征服者のスペイン人が、16世紀の後半にヨーロッパへと伝えたのだそうです。

 ドイツ語圏では、プロイセン王国が17世紀後半に度々凶作に見舞われたため、
飢饉対策として国王が、耳と鼻の切断の罰で脅し、農民に栽培を広めさせたのだそうな。

 もう少し先の、1778年のバイエルン継承戦争でプロイセンは、
対戦国のオーストリアとジャガイモ畑を互いに荒らしまくったそうな。
・・・すごい嫌がらせ合戦ですな。


 L.スターンの「トリストラム・シャンディ」(4-31)で、
シャンディ家の地所オクスムーアで、ジャガイモが沢山取れるんじゃないかな。
―というような事が書いてあるので、18世紀初めの英国でもフツーに食べられていたって事でしょうか。
1586年までには英国に伝わっていたそうです。

 英国の地主がほとんどの土地を所有しているアイルランドでは、17世紀の中頃には定着していたそうです。
アイルランド生まれのスターンさんは、バラックだのキャンプだので、はじめて食されたのでしょうか?


 ハリソンさん、ああ言っていますが、イタリア音楽の優勢はずっと、
ハリソンさんが亡くなってからも、まだまだかなりの間続きますから全然大丈夫ですよ。
コザカシヲトコの全くの言う通りにはなりませんから。
音楽年表のトップの5人、「婆ーさん屁ー出るはいモツ弁当」
だけしか音楽家がいなかった訳じゃ決してないんですからね。

 それにしても、コザカシヲトコに比してマー坊は素直で本当にカワイイどすのォ。
こういう男の子の方が、老若男女いろんな人から自然に応援してもらえて、
総合的な幸福を獲得できるんじゃないかと、
作者はそう思いますけどね。

 ・・・この二人、実は同い年という設定なんです。
二人がその後それぞれどういう人生を辿るのか、「ジェントル・ウーマン」で
分かる事になるんじゃないかと。

 

 

紳士のお仕事(3/12) コザカシヲトコ、遂に舞い上がる!

2007年08月13日 14時54分19秒 | 第4話/紳士のお仕事

 あー、そーですか。そーですかっ。(^x^;)
ハリソンさんも、すっかりアミがかかって暗くなっちゃってるぢゃありませんか!

 このブログ、おそらく取り扱っている内容上、男性でご覧の方の方が多いのではないか
―と想定していますが、
われとわが心に問いかけてみて下さい。

こういう人と学校でお友達になりたいですか?職場にいてほしいですか?

 そして貴重なる女性の方々、
同じくわれとわが心に問いかけてみて下さい。

こういう人をカレシやオットにしたいですか?

 もしかしたら端から見る分には、この新キャラさんは面白いキャラなのかもしれません。
そのせいかどうかは分かりませんが、昨日はいつもより、ご覧になって下さった方が増えていました。
(もしかしたら・・・グレート・ヘンデルどんの御威光のお陰なのかもしれませんが・・・。

 以前ハリソンさんの性格の悪さを弁護する必要があると思った時にも書きましたが、
作者はこの物語の全ての登場人物の親です。
だから、いい所も悪い所もできる限り公平に見てあげなければなりません。
この人も今までの3ページの間では、どう見てもイヤ汁たらたらヤローです。
でも、これはこの人の一面でしかありません。

 この人にもいい所はあって、職人から一生懸命働いて、奇跡的に裕福になった父親の苦労を見て育って来ました。
そして将来のためにと、気持ち良く海外での勉強に送り出してくれた父親に感謝しています。
帰国したら尊敬する父親の事業を手伝い、支えていこうと固く心に誓っています。

 彼はこのページで一旦物語の表舞台から退去しますが、またいつか復活します。
彼は温厚な父親のある願いをかなえるために奔走しますが、なかなか上手く行きません。
そしてハリソンさんが(ハリソンさん自身は自分から何をしたという訳でもないのに―誤解されやすい雰囲気を持っているためか)
父親の願いをかなえる事の障碍になっていると思い込みます。

 ・・・そしてハリソンさんがピンチに陥るような、自分の職場の部下が考えた、
あるトンデモな計画に加担してしまうのでした。
―となる予定です。

〈次回の更新は8月18・19日の予定です。〉
 





 


 

紳士のお仕事(2/12) コザカシヲトコ、熱く語る

2007年08月12日 16時31分22秒 | 第4話/紳士のお仕事

 「小賢し男」が前ページで言っている最後のセリフの中に出て来る、
ハンデルというのは、ヘンデル(1685-1759)の事です。

 ゲオルク・フリードリッヒ・ヘンデルは小賢し男のセリフにもあるように、英国に帰化(1727年)して、
ジョージ・フレデリック・ハンデルとなりました。
当時はよそ者扱いもされて、凄まじい意地悪をされたなんて話も残っていますが、
現代の英国クラシック音楽界では、バロック系室内管弦楽団へと
演奏会&CD録音用の曲を提供する、安定した人気を誇る作曲家の一人となっているのでしょう。

 前ページにある音楽年表では大バッハ様の後に載っていますが、大バッハ様が1685年の9月の5日にご生誕、
ヘンデルどんはタメの2月23日なので、生まれ順で載っているのではない事が確実です。

 あとは今の所、ヘンデルどんについて作者の語れる事は3つあって、
1つは古畑任三郎さんが(パート幾つの第何話だったか忘れましたが)、「ヘンデルの肖像画が怖い。」と言っていた事。
これについては、一般に出回っている年を取ってからのヘンデルどんの肖像画の事なのでしょうが、若い頃の肖像画も残っているらしくて、
・・・どうやら「金髪の美男子だった。」・・・らしいとの情報もあります。

 2つ目は、TVドラマ「101回目のプロポーズ」で武田鉄也さん演じる主人公が、ヒロインとのお見合いの席で、
オケ弾きチェロ奏者のヒロインに気に入られようと話を無理に合わそうとして、ヘンデルどんと「ヘンゼルとグレーテル」とを混同してしまい、
同行していたヒロインの妹に激しく笑われてしまった事。
ちなみに冬ソナ女優さんのリメイク版を調べてみたら、そのシーンはありませんでした~。

 ・・・作者も実はヘンデルどんの事を、「この人偉い人だよねー、子供の頃には親に森へ妹と一緒に捨てられて、
お菓子の家に住む魔法使いのバーサンに食べられそうになったものの、何とか脱出して、その後歴史に残る大音楽家になったんだねー、
すごいんだねーウッウッ。

 ―なんて中3の時にオラトリオ「メサイア」(1743年作曲)の「そして主の栄光が現れて」を聴いて、
デジャ・ヴしてしまい、「自分は前世でこの曲を聴いた事がある!」
と思い出すまで (ホンマかいな?)そう思っていました。

 3つ目はL.スターンのライバル、トバイアス・スモレット(1721-71)作の劇「アルチェステ」に付随音楽(1749~50年)を作曲した事。
この劇はどうもスモレットさんがケンカっ早い性格で、劇場支配人さんとのバトルがあったらしく、
その上自然災害(地震との事ですが、やっぱ英国でもあるんだよな~。)でロンドンがパニクってしまっていたせいで、
上演されなかったらしいのです。

 音楽の中では、「優しいモルペウス」(英語ではモーフィアス、あの作者もお気に入りの映画「マトリックス」の登場人物と同じ名じゃ!)
―が一番知られているらしいです。NHKFMラジオで毎朝6時から放送している、「バロックの森」は毎週土日がリクエストの日となっています。
ネットかハガキで曲名(「優しいモルペウス」or「アルチェステ組曲」)を送れば、いつか聴く事ができるかもしれません。

〈次回の更新は8月14日です。〉

 



 

 


 



 

紳士のお仕事(1/12) コザカシヲトコ

2007年08月11日 19時06分59秒 | 第4話/紳士のお仕事

 一週間の間にご覧下さった方々、どうもありがとうございます。

 知らっなねぇーよ!そんな名前のヤツらなんてっ!
―っていう、いきなり日本人には馴染みでないピープルが並んでいますが。

 この人達、18世紀の英国で活躍していた作曲家なんです。
義務教育と高校の音楽室、もしかしたら音大の校舎内のどこかにも貼ってあるのかもしれない、
あのヨハン・セバスティアン・大バッハ様から始まる音楽年表には当然ながら載っていません。

 比較的有名なのは、トーマス・オーガスティン・アーン(1725-78)です。
日本ではほとんど知られていませんが、多分英国では有名なんでしょう。
作者は英国の方々がコンサートホールで、ユニオンジャックを振りながら、
この人が作曲した曲の歌詞を歌っているのをTVで見た事があります。

‘Rule,Britannia,rule the waves:
Britons never will be slaves.’

 歌詞は全部で4番まであって、各番の最後に上記の部分を合唱で歌うみたいです。他の所は女性歌手が独唱で歌っていました。
仮面劇「アルフレッド」(1740年作曲)の中の一曲らしいです。
現代では、ド派手な編曲のオーケストラ伴奏で歌われてるようです。

 「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」(1745年に王立劇場で演奏されて以来、国歌として歌われていてると音楽百科にありました。)
―もタイトルからしてハッキリしていますが、「ルール・ブリタニア」もこれまたタイトル内容共にはっきりしています。

 毎年この時期になると、夏の終わりと終戦の記憶が重なって、日本人にはもの哀しいものなのですが、
やっぱり負けたからダメなんでしょうか?

 それとも、内容が曖昧で複数の解釈の余地があるから、攻撃の対象になってしまうのでしょうか?
ハイドンの「皇帝賛歌」は、歌詞を変えて生き残りました。
曲自体に問題がないのなら、歌詞を変えたらOKになるのでしょうか?

 「ルール・ブリタニア」や「ラ・マルセイエーズ」(1792年作曲)
の方が、ずーっと挑戦的な歌詞です。
挑戦的なのがまずいのなら、「♪私達は廃墟の中から立ち上がったのダぁ~!」
とか歌って・・・戦後の発展を自慢しまくればいいんですよ。きっと。

 ・・・トーゼン最後の〆は「美しい国」でね。









 



 

第4話 予告編おまけ

2007年08月05日 20時56分33秒 | その他
 今の所男性キャラしか登場していません。(英国ホテルのメイドさんは別として。)
「少年・成年男性漫画やBLで慣れているよ。」とおっしゃって下さる方もいるかもしれませんが・・・。
もう少し先で、女性キャラもちゃんと出て来る予定なんです。

 あと、せっかく18世紀が舞台なのに、平民ばっかで王侯貴族の方々が出て来ないでどうすんのサ!
―というのもあるかもしれません。
・・・上のコマの女性は貴族階級出身のトンデモ姫で、パリで登場します。

〈次回の更新は8月11・12日の予定です。〉

 

 

第4話 予告編

2007年08月05日 20時24分42秒 | 第4話/紳士のお仕事
あともう少しで到着/アミアン


 ハリソンとマルセルは、アミアン市内へと入り、食事の後で大聖堂を見学し、
宿泊先へと向かいます。

 宿でマルセルは、ハリソンが現在はとある職業に就いていると人から聞いていたため、
軽い気持ちで尋ねてみますが、とたんにハリソンはキゲンが悪くなり、過激な事を言うかと思うと、
全く関係のないと思われる話へと飛んで、マルセルをとまどわせるのでした。

 一見マー坊は、王子様っぽい外見なんですが、ハリソンさんの方がそこはもう40ウン年英国紳士階級に属していましたから、
それなりの気品はあってか、たとえ汚れ隠しに黒い服を着ていても、途中でマー坊の家庭教師とか執事とかに
見間違われるなんて事はなかったようです。

 第1話のカラーページで、ハリソンさんの足元にあった居眠り用毛布がここで使われています。
第3話で馬車に乗り込む前に抱えていたお座布は―英国ホテル内の売店で買ったんですが、
(ついでにマー坊のお座布&毛布も買ってやったらしいです。)―頭の所にあります。
マーブリング柄のヘンなクッションはきっとお尻の下に敷いているんでしょう。

待ち人(10/10) To be continued.

2007年08月04日 15時00分07秒 | 第3話/待ち人

 一週間の間にご覧下さった方々、どうもありがとうございます。

 デサン殿のモデルになった英国館の経営者、ムッシュー・デサンは、
L.スターンの小説「センテイメンタル・ジャーニィ」で、強欲なユダヤ人みたいな顔とか乱暴者のトルコ人みたい
―とか書かれています。

 日本人は歴史背景上、この二つの民族には、この小説の主人公とは別の印象を持っていると思われ、
ムッシュー・デサンよりも二つの民族の方々に対してひょっとして失礼な表現なのでは?
―と思ってしまうかも知れませんが―。
(…トンデモ本ビリーバーの方々はまた違った意見かもしれません。)

 この漫画のデサン殿の髪型―18世紀~19世紀の初め頃までのこういう髪型している人を、
現代人は西洋時代劇や歴史ドキュメンタリー系番組の再現ドラマで見かけますが、
今こういう髪型を、特別な職業や場所以外でしていたら絶対ヘンですよね。
こういう髪型って地毛でもできるのでしょうか?カーラーできつく巻いて、スプレーで固めといたりとかすれば。
…できない事はないでしょうが、キープするのが大変でしょうな。

 トリエント公会議とは―トリエント公爵様が主催した…ではありませんでした。
1545年12月13日から1563年12月4日までの18年間、北イタリアのトリエント(現在名はトレント)
という場所で行われた宗教会議の事です。
カトリックとプロテスタントの和解のために当初計画されたのですが、プロテスタント側がいろいろ事情があって出席せず、
カトリック側のみで教会内の様々な問題について大激論していたらしいですな。

 そこから転じて自分とは違う比ゆ的な意味での宗旨(好み・ライフスタイル・主義主張)の人と話し合いをしようとしたけど・・・
―という意味でも使えそうな言葉なんですがね。
ハリソンさんは比ゆ的ではない本来の意味での「宗旨」として話をしています。
これと同じような使用法は、1760年にスイスで生まれた、ヨハン・ペーター・ヘーベルが作った暦話集の「改宗」という話の中にあります。

 ハリソンさんの宗派を特定する範囲がまた狭まりましたね。