漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

大仕事は済んだ

2012年05月21日 20時18分05秒 | 第21話/薬包紙
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 マー坊、最初はオテルのおかみさんに失礼千万な事言っていながらも、
最後は豊臣秀吉さんが織田信長さんの顔を立てたかの如くに、
おかみさんに花を持たそうとしています。

 これで少なくともこの話内では、不潔極まりない場面はもう出て来ないと思われるので、
そういうのがキライな方は、どうかご安心ください。

 今までの経験からしてこういった内容の時は、
閲覧数が激減するのがもう充分に分かっていて、
逆の意味で反響があったと取っていますので。

 ―― という訳で、作者は全然滅入ったりとか、
後悔もしてはいないのでした。

 物語は、ハリソンさんが休んでいる部屋へと戻って、
マー坊がクレールさんトコで買った薬をハリソンさんに飲ませようとしているのでした。

 ハリソンさんはいい匂いがすると言っています。
マー坊が今までしていた事からすると反対の反応じゃないのといった感じですが、
本当にいい匂いがしているようです。
何故なんでしょうか?


 また続きは出来次第。でも…もしかしたら大脱線するかも。

 

 

これは僕の家のオキテだから…

2012年05月20日 19時41分37秒 | 第21話/薬包紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 飲食店でトイレが汚れていたらそこへ2度とは行かないと言っている人が結構いるようです。

 18世紀は、ファッションや芸能や文化などの外観の華やかさとは裏腹に、
不潔かつ下品さにも満ち溢れていたので、
マー坊や、今後のハリソンさんの言動などからすると、
2人は当時の平均的な人々からはニューロシス ( ノイローゼ ) 扱いクラスの清潔好きなのかもしれません。

 マー坊の家は、港町カレー市で魚料理の店を開いていますが、
マー坊自身は家業を継ぐつもりは無く、
他に思う所があって第1話~3話にあったように、
しつこく売り込みしてまで旅行について来たようで、
思う所についての詳細はフランス編の最終話で描かれる事でしょう。

 マー坊は、 「 金運が上がるから。 」 などという、
近年日本で大流行した欲深い理由でトイレ掃除していたのでは全然無くて、
お家での厳しいプロ意識から来る躾によって身に付いた物で、
そうせずにはいられなかったからのようです。

 マー坊については、何か今後、行く先々でトイレ掃除とその蘊蓄も披露しながら、
自分の夢に向かっても成長して行くという、
少年マンガ的要素もあるのかもしれませんが ―― 。

 一方で主人公のハリソンさんについては、最初っから成長は不要。
むしろ逆に当時の世間が成長してハリソンさんを理解すればめでたしめでたしというのが、
この物語の趣旨なのでした。

 あと、トリストラム・シャンディさんにもハリソンさんを理解して成長していただく予定です。
原作群の中の一小説の内容からして不本意 & どうやってそうさせるのかと思っている方もいらっしゃるでしょうが。

 ―― していただきます。


 めずらしく、今日の続きは明日。

Lasana, pulchra esto.

2012年05月05日 13時26分35秒 | 第21話/薬包紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



  タイトルはラテン語で、

「 トイレよ、美しくあれ。 」

―― でした。

 読み方は、

ラサナ プルクラ エスト―

―― と、読むそうです。

 ラサナというのは、古代ローマ時代の腰かけ型ボットン式トイレの事なのでした。
水洗トイレもあったらしく、
公衆用はクロアキナ ( Cloacina ) 、個人住宅用はラトリナ ( Latrina ) と呼ばれていたようです。

 画面には、( 舞台がフランスという事もあって ) 印象派処理が施されています。
実際の原稿ではかなり露骨に描かれていて、
作者が見た事がある、日本の某駅のトイレをモデルにしているのでした。

 & 作者がアヴィニヨンで泊った ●● 庁ホテルさんとこは、
トイレが壊れている部屋を平気で客に提供していた。
―― という事に対する恨みも籠っているのでした。

 今みたいなトイレットペーパーが無い頃、
古代ローマ時代では、棒に付けたスポンジでぬぐっていたようです。

 ラブレーさんの 「 ガルガンチュワ物語 」 の第13章にも、
幼いガルガンチュワ君が、グラングージェパパリンに自慢する形で、
いろいろな拭き方が書かれてあります。

 本物語では、○○使い捨ての○○布で○○拭いて○○いる○○ようで、
それが○○オテルの○○女将さんの○○言う所、
○○忙し過ぎて○○トイレ○○掃除まで○○手が○○回らなくて、
こまめに○○捨てに○○行けない○○ために○○溜まり○○まくって、
○○汚○○物○○入れから○○溢れて○○そこら中に○○転がり、
便○○座○○にも○○カスや○○滴りが○○くっ付いて○○いて、
腰掛け○○られた○○もん○○じゃない○○といった○○様子なのでした。

 男子の○○方は○○マー坊の○○格好○○以外にも、
立って○○的を○○はずす○○という○○事も○○している○○らしく、
それで○○蓋も○○閉めては○○いない、
& ○○薬草で○○消臭○○対策も○○して○○いない○○ようで、
悪○○臭が○○満ち満ちる○○ままな○○ようです。

 と、香り立つ内容を少しでも鎮めようと、
まあ、トリストラム・シャンディさん調アスタリスク伏せ字でもいいのですが、
今回は宮武外骨さん( 1867-1955 ) の滑稽新聞調にしてみました。
いかがでしょうか? 

 By the way, 以前、ヴェルサイユ宮殿の見取り図にトイレが無いと書いたのでしたが、
トイレ自体は実際はあったらしく、詳しい事は、
「 ヴェルサイユ宮殿に暮らす 優雅で悲惨な宮廷生活 」 / ウィリアム・リッチー・ニュートンさん著
/ 北浦春香さん訳 / 白水社刊
という本にも書いてあります。
その他の本も調べた所によりますと、
フランス革命で民衆が宮殿に侵入した時に破壊されたから、
「 ヴェルサイユ宮殿にはトイレが無かった。 」 という俗説が生まれたらしいのでした。

 それらは水洗式で、「 英国式椅子の部屋 」 と呼ばれていたらしく、
ちなみに、近代水洗式トイレの発明者は、サー・ジョン・ハリントンさん ( 1561-1621 )
という人なのだそうで、故国に敬意を表してそう呼ばれていたとの事。


 オスカル様やアントワネット様のそんな姿なんて、
想像したくもないわー。
そんなページあったら他のページと釣り合い取れないし、
破って捨てちゃう。

 シャンディ殿も5巻で言っておるが、
作品の調子が始終で合っている事は大切な事じゃ。
ベルばらは 「真実よりも美しさを良し 」 とするもんじゃからの。
 

 だとするとじゃあこっちの話では、
作者はそうする気が無いんじゃね?!

 どう工夫したっても汚ないもんの話は汚たないよ。 

 ラテン語なんて…、わたしゃ阿部ちゃん主演の映画のタイトルしか分からんわっ!


 続きはまた出来次第。
クレールさんの不幸をハリソンさんが救済&
彼女の不幸に付け込んだ悪人に対して奇抜な方法で復讐する話はまだまだ先の事になりそう。