漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

全然逸脱ではありませんから

2010年01月31日 22時29分19秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 第15話 「 トリシャン・コード 」 の本題と、
この導入部分とに何の関係があるんだっ?!

 昔、美貌を褒めそやされたフランス貴族のバアさんと、
年の割には容姿端麗な、英国人独身貴族のオツサンの、
背後がモソモソ痒 ( かゆ ) くなって来るよーな、
恋愛エピによーっ!

 完全に逸脱なんじゃないか~っ?!
― と、おっしゃる方もあると思いますが…。

 ♪ 何をおっしゃる兎さん~ ♪ で、
専門医の力も借りて、
自らを実験台にして、
心理分析を学んだ作者には分かるのです。

 必ず、 「 トリシャン・コード 」 とも、
本物語の原作の一つである、 「 トリストラム・シャンディ 」 とも
どこかで繋がっていると確信しております。


 〈 次回の更新は、2月6日 ( 土 ) の予定。 〉

一番は、死ぬまであなた

2010年01月24日 16時24分04秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 いや~ここから何ページかは、
かなり難易度の高い描写力が求められるので、
ホント~に大変DEATH★ ( ← ってグレちゃんか? )

 本物語のウォルポールさんのモデルの一人となった、
史実上実在の人物、ホレイス・ウォルポールさんも、
1765年にパリへと行った時に、デュ・デファン侯爵夫人と知り合い、
彼女から片想いされ、それを知りつつも彼女の求愛活動は受け流し、
彼女が80年に亡くなるまで、訪問・文通の交際は続けたという事だそうです。

 ちなみに、ウォルポールさんとは従兄弟同士である、
前パリ大使の下で働いていて、
第10話に出て来たヒュームさんは、
ウォルポールさんとは真逆で、
ブフレル伯爵夫人に熱烈な片想いをした挙句、
何と彼女自身から他の貴族男性との再婚の取り持ちを頼まれ、
失恋してしまったのでした~。

 御方様は、上記のデファン夫人がモデルになっております。

 御方様は、貴族の家の出の美貌の才媛でしたが、
今はもう他界したダンナ侯爵は、いい人過ぎて退屈だったらしいですな。
で、他の男性の何人かと恋愛関係を持ったらしく、
恋愛以外でもサロンを開いて、
才能のある男性を集め、華やかな社交生活を送って
老齢に達したのですが ―。

 どうも、そんな歳月に虚無感が蓄積していたらしく、
そこへとウォルポールさんが現れて、
どこがいいと思ったんだか … 生涯で一番好きな男性になってしまった。
― という話なんです。

 〈 次回の更新は、1月31日(日)の予定 〉



 

 

あの男みたいな女が…

2010年01月17日 22時50分39秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 第11話のラストの部分で、
ハリソンさんとランズバーグさんが、
新任大使のお披露目を兼ねた、
パリ在住英国人の親睦会会場で勝手にダンスを踊り出す場面。

 アルカンジェロ・コレルリの合奏協奏曲ニ長調Op.6-4
第3楽章で踊っていて、
最後近くになって曲の速度が上がったように聞こえる所で、
二人は、 「 タイタニック 」 のローズ&ジャックのように
高速回転をした後、離れて、
ハリソンさんは2回転-2回転のコンビネーション・ジャンプで
〆ました。

 ランズバーグさんは… このペチコート ― ( 当時はスカートの事を
こう呼んでいました。 ) ― の丈と広がり状態では、
「 トリストラム・シャンディ 」 7巻ラストでペタンコスカートはいてる
ナネットさんとは違って、貴婦人には見えても、
コンビネーション・ジャンプはとうてい無理そうだし、
たとえ単独でもトリプル・アクセルは絶対無理でしょう。
( つーか、アクセルさん生まれてないし~。 )

 1回転半ジャンプと両足を付いて1回転した後、
フィギュアスケート選手の鈴木明子さんが、
フリー・スケーティング時に、
ウェストサイド物語のラストでやってたポーズで〆ていました。


 〈 次回の更新予定は、1月24日 ( 日 ) の予定。 〉

私、嫉妬に燃えています

2010年01月11日 21時52分57秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ウォルポールさんとランズバーグさんは、
1765年のコスプレ世界選手権 ― ( 日本は鎖国のため出場辞退 )
― が開かれるパリへと、英国代表として来ていたのでした。

 ― ってのはウソです。
ウォルポールさんが泊ってる、ロイヤル・パーク・ホテルの部屋で、
多分仮装パーティに参加する時の衣装合わせをしてたんだと思います。
その時にハリソンさんへの対応も、
二人で話し合っていたのでしょう。

 最初のコマの、ジョージ・ブリングストン伯爵とハリソンさんの会話は、
第8話の中にあります。


 〈 次回の更新は、1月17日 ( 日 ) の予定 〉

第15話 登場人物紹介

2010年01月09日 21時46分39秒 | 第15話/トリシャン・コード

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*** 今までのあらすじ ***

 18世紀60年代のヨーロッパが舞台。 

 人生もノヴェライズ作家としても崖っぷちのハリソン氏。
流行の旅行記を書いて起死回生を図ろうと思い、
取材も兼ねてフランス経由でイタリアのローマを目指している。

 パリで甥夫婦&友人一行と合流し、
甥の紹介でウォルポールと知りあうが、
互いに相手の中に自分には無い物を見て、
敵意を持ち合ってしまう。

 ハリソンのある発言の言葉尻から、
ウォルポールはハリソンが謎の作家トリストラム・シャンディ
なのでは ― と、いう疑いを持ち、
遂に確信へと達してしまう。

 ウォルポールは知人友人らの手を借りて、
ハリソンを追い詰めようと決意するのだったが ― 。

予告編 おまけ

2010年01月04日 22時35分01秒 | 第15話/トリシャン・コード

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 今年も、主人公のハリソンさんを差し置いて、
最初の話の冒頭は、カラーでウォルポールさんの
ちょっとびっくりなロマンス。


 第15話は1月9日 ( 土 ) 登場人物紹介。
   本編は10日 ( 日 ) から。


第15話 / トリシャン・コード 予告編

2010年01月04日 22時33分57秒 | 第15話/トリシャン・コード

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *


 
 「 トリストラム・シャンディ 」 では、
同じ文章のはずなのに、なぜか読む人によって、
話の内容が天と地ほども違ってしまう箇所が
全巻の中でいくつもあります。

 リヨンでハリソンさんは、
この町に商用で滞在している、
ウォルポールさんの又従弟のハモンド氏と出会います。

 ハモンド氏は、 「 トリストラム・シャンディ 」 を
ウォルポールさんの紹介で読んでいて、
大ファンでした。

 二人は内容について語り合うのでしたが、
上記のダブル・プロットの解釈の違いから、
緊張感が生まれてしまうのでした。




もう気が変になりそう!

2010年01月02日 19時18分53秒 | トリシャン・カノ紳version.

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 第8巻24章から。

 トゥビーとトリムの話を聞いた後、
ウォドマン夫人は、トゥビーを自分との恋に落とす方法を
思いつく。

 トリムがその場から去った後、
哨兵詰所と呼ばれている小屋に一人でいるトゥビーに近付いて行き、
恋の戦の火蓋を切る。

 「 何か目に入ってしまったので見て下さい。 」

ただの一度も

2010年01月02日 00時10分57秒 | トリシャン・カノ紳version.

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 第8巻20章より。
 
トリムことジェイムズ・バトラーは、
トバイアス・シャンディ大尉が現役軍人だった頃からの使用人だった。

 欧州大陸のとある戦闘でひざを撃ち抜かれて、
現地の農家でベギン派の尼僧から手当てを受けている内に、
恋愛感情が芽生え、思いが高まってしまう。

 その思い出話をトゥビーにしていた時、
トゥビーに恋をしている近所の裕福な家の未亡人ウォドマンが、
木立の蔭に隠れて聞き耳を立てていた。


 ベギン会は12世紀に出現。
祈りと機織り・レース編み・
老人や病人の看護などを労働活動としていました。

 財産の私有・昼間の町への外出は自由。
結婚後の退会も認められていました。

 女性に結婚するか修道院に入るかの道しかなかった時代には、
彼女たちの生き方は革命的とされていて、
ローマ教会が対応を何度も協議していたらしいです。

 現在では、信仰心の衰退、女性の職場進出、
欧州各国が福祉の充実を図るようになった事により、
活躍の場が激減し、もうわずかな人数の
老齢女性しかいないらしいです。