漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

予告編 おまけ

2007年09月30日 19時19分49秒 | その他
 この人がパリで登場するG.G.ヲトコです。
もしかしたら物語中の「最恐キャラ」になるのかもしれません。
この人も小泉孝太郎さんや福田康夫現総理大臣と同じく、先の内閣総理大臣の息子さんです。

この人が出てきた事ですし、ここで一つ作者のぼやきをかまさせていただきたいのですが、

今の作者にはL.スターンやトリストラム・シャンディやヨリック牧師の気持ちよりも、
チャタトン少年の境遇と気持ちの方が理解と共感ができるわいつっ!

 ・・・つまりはバブルの頃は大金持ちだったけれども、
現在は格差社会でビンボーになってしまったという事ですな。

 今度の総理や国会議員の方々には、時代の影響をもろに受けやすい不幸な庶民を、
とりあえずは貧窮状態から救い出してもらえたらと思います。
その後は、バブルでも不景気でもない安定期ができる限り長く続きますように。

 作者はネットで死亡推定日を占ったのですが、2055年まで生きられるようです。「一病息災」という事でしょうか?
あと47年もの間、時代に振り回されて波乱万丈の生涯を送るのはもう沢山です。

〈第5話は10月6日が開始予定です。〉

第5話 予告

2007年09月30日 19時16分34秒 | 第5話/はぢめてのブチ切れ
大並木通り/パリ


 ハリソン&マルセル一行は、1765年10月11日(金)に
パリへと到着し、しばらく滞在予定の賃貸アバルトマンへと
向かいます。
 マルセルがハリソンの家庭環境を質問したために、
二人の間に再び緊張感が漂います。
 その後、散策に出かけますが、
マルセルはハリソンの奇矯な言動に振り回され、
タイトルの如く、「はぢめてのブチ切れ」
―をしてしまうのでした。

 絵の中央にいる若い男女は、ハリソンさんの親戚です。
左端の女性は、第4話 予告編おまけの貴婦人と同一人物です。
彼女の事を今は、「忍冬(すいかずら)の姫君」と、
「源氏物語」のお姫様風にでも呼んでおきましょうか・・・。

 


紳士のお仕事(12/12) To be continued.

2007年09月15日 12時24分34秒 | 第4話/紳士のお仕事

 一週間の間にご覧下さった方々、どうもありがとうございます。

 ハリソンさんの言っている内容はガセです。
本当は、紀元前4~5世紀頃に、パリジー族がセーヌ川の中州に移住して来て、
そこから集落が広がって行ったというのが語源らしいです。

 だから、ラブレー&ハリソンさんの言う事を信じて、
「トリビアの泉」のスペシャル番組のネタ募集なんてのがあっても、絶対に送らないよーに!
スライムの沼に沈められちまうぞっての!

 作者の家にある、パリのノートルダム寺院の歴史の本には、
ガルガンチュワがノートルダム寺院の正面側に登って、周りを取り囲むパリ市民を眺めながら、
「それじゃあ、いっちょ挨拶をしてやるかな!」といった所の絵が載っていました。
絵の作者はフランスの画家ギュスターヴ・ドレ(1832-83)。
この人は、「ドン・キホーテ」の挿絵も描いています。

 第5話では、ハリソンさん&マー坊の主従がパリに到着するのですが、
このページでハリソンさんが言っている、「ラブレーの話」がらみのオチが付くので、
もしよろしかったら、それまでに「ラブレー第1之書」のガルガンチュワがパリに行き、
市民に向かって放尿したという部分を探して読んでみて下さい。


 ところで、日本人は今でも、地方在住の人が上京する時に、
「んじゃ、お江戸へ行って来るよ!」
―なんて冗談好きのオジさんが言ったりしますが、
外国でもこういう冗談ってあるんでしょうか?


 パリに行く時にわざと古名で、「じゃ、リュセース(ルテチア)へ行って来るよ~。」
とかね。今はなくても、ローマ時代とかにはそういう事があったんでしょうか?




 

紳士のお仕事(11/12)  そして<なぜか話はラブレーの方へと・・・

2007年09月09日 10時34分40秒 | 第4話/紳士のお仕事

 何か緊張感を一気に盛り上げておきながら、はぐらかされたような感じがするでしょうし、
ハリソンさんの話の転換の仕方も一見唐突ですよね。

 多分明日の午後にはパリの住居に到着する予定なので、
ここでいっちょパリの名前の由来の薀蓄でも披露しようぢゃないか
―とでも思ったんでしょうな~。
ハリソンさんが不機嫌になる質問をマー坊がする直前にもパリの話をしていた訳だし、まぁ話が元に戻ったといやぁ戻ったんでしょうけどね。


 ここからの二人のやりとりに出てくる話は、L.スターンの愛読書で、「トリストラム・シャンディ」にもよく出て来る、
フランソワ・ラブレー(1483-1553)の書いた「ガルガンチュワ/パンタグリュエル物語」からの出典です。

 作者の家にも岩波文庫ワイド版の「ラブレー第1~5之書」まであるのですが、
昔の人の訳(「第1後記1941年」なんてありましたが、第2次世界大戦真っ只中で、
こういう事やってて大丈夫だったって人もいたって事ですな~。)
―のためなのでしょうか、すごく重厚に感じるのですが。


 しかも元々のラブレーの文自体が薀蓄系で、1ページあたりの情報量がとても多いんです。
その上、その薀蓄についての訳注が本文の終わった後にまとめてドッサリとあるので、
本文を読んでいて不明な点があると、訳注№を頼りに、一々後ろに行って調べた後、
また戻って来て続きを読まなくてはならないんです。


 ・・・確かに面白い話だとは思うのですが、上記の事を几帳面にしていた苦痛感を伴って思い出す所が難点なのです。



 新訳(宮下志朗さん訳/ちくま文庫)も出たらしいのですが、実はまだ読んでいません。
去年だか、荻野アンナさんの「ラブレーで元気になる」は読んだのですが。
荻野さんの部分訳はとても軽やかなので、ラブレーさんが「軽い人」なのか「重い人」なのか分らなくなって来ました。
家にある「フランス名句辞典」には原文の抜粋が幾つか載っていて、
それをみる限りでは「重い人」には、今の所見えないのですが。

 ただ単に訳者のキャラが反映されているというだけなのでしょうか?
それとも時代の雰囲気が反映されているのでしょうか?
それにしても荻野アンナさんと渡辺一夫さんの訳は光と影の如くの違いなのです。
・・・作者はできれば荻野さんの新・新全訳が読んでみたいのですが・・・。


〈次回の更新は9月15・16日の予定です。〉

次回は第4話完結編/料理&エッセイ(ピカルディ風グラタン)となります。


 

紳士のお仕事(10/12)  ♪わたしゃカストリィ~♪

2007年09月08日 21時29分32秒 | 第4話/紳士のお仕事

 一週間の間にご覧下さった方々、ありがとうございます。

 ♪わたしゃ カストリィ~ 神(紙)に聞け チョイヤサ エーエンヤー・・・♪
―って「ソーラン節」かいな?「立つ鳥」と「波に聞け」だろうに。


 作者より若い年代(U40)の方がご覧になってらっしゃるとしたら、
「カストリ」って何の事だか分っかりますか~っ?


 ・・・あんまりいい言葉でない事は確かです。
先週の続きで、もし小学生の方が見ていて、「ママーッ、『カストリ』ってなーにー?」
―なんて聞かれたら、すんごくマズい。


 とはいえ、今時の小学生の親がそんな言葉知ってんだろうか?
中学生以上の方は、多分自分で国語辞典を調べるんでしょうが、
今時の字引には載っている言葉なのかどうか・・・。


 「カストリ」というのは、漢字では「粕取り」と書きます。
ネットで調べても「お酒の事」しか載っていないようです。
この言葉には他にも意味があるんです。

 家にある国語辞典によると、
「酒粕から作る焼酎、もしくは急造して酒粕だけを除いた下級の酒。」
そして「粕取りを三合飲めばつぶれるから」転じ、三号で廃刊になるような下等雑誌の事を
「粕取り雑誌」と呼ぶのだそうです。


 作者は昔、20代初めの初々しい鈴木京香さん目当てに見た、NHKTVドラマの「君の名は」
で聞いた言葉だったのですが。(京香さんがこれを叫んでいました。)
だから昭和20年代には使われていたんでしょうな~?
家にある国語辞典は昭和38年の初版なのですが、その頃も「粕取り雑誌」は
あったんでしょうか?
今はまんまでエロ雑誌とか言ってんでしょうけど。

 替え歌の続きの「神(紙)に聞け」の「神」については、

―for I begin with writing the first sentence
―and trusting to Almighty God for the second.

―その方法とは、私が最初の文章を書く事に始まって
―そんからお次の文については全能の神にオマカセなんですな。(トリシャン8-2)

の文章が関係あるのかもしれないですし、
「紙」については、作者がそうなんですけど、絵や文を書く時に、紙を見ていると画像や文が薄ーく浮かび上がって来て、
それをトレースすれば作品完成って事があるんですけど、他にこういう芸当ができる方っていらっしゃいますか?

 生憎、この漫画についてはそういう事があまりなくって。
いつもそうならすんごく楽でいいんですけどね~。
実を言うとデッサンは苦痛まみれなんですよ!
1話仕上げるのに5ヶ月かかる事もありますしね。



紳士のお仕事(9/12) それは・・・まだ聞いちゃあいけねぇよ!マルセル・トロワ

2007年09月02日 16時29分13秒 | 第4話/紳士のお仕事

 ところでこのブログ、ご覧になっていらっしゃる方々で、小学生の方っていらっしゃいますか?
真面目に「歴史漫画」として読んでいるとか・・・。

 このブログは「ブログ村」などの集合系サイトには現在の所では、一切登録していませんし、
作者の知人友人や親類や漫画好きの方やL.スターンやロココ好きの方への宣伝もやはり一切行っていません。
「相互リンクを貼ろうねー。」というお話をしたブログ仲間もいないので、
いったいどうやって見つけたんだろう―と不思議に感じているのですが。

 キーワードや言及人物/事件で引っかかったという偶然が多いのではないかと思うのですが、どうなのでしょう?
作者がこのブログを始めた時に、この程度の数の人が毎週平均して見ていてくれたらいいやと想定していた人数を、
今現在では約1.5倍上回っている所です。

 宣伝に関して活動的になれないのは、ブログ村にもオリジナル漫画のカテゴリーがあるのは知っていても、
不特定多数の小中学生でも見る可能性が高い所に出るのは、
(実際小学生の書いた漫画が今現在ランキング7位になっていました。)
内容的にもちょっと向かないかも・・・と考えているからなのです。

 偶然とはいえ、このブログを見つけて下さった方々の奇跡の確率にはいつもびっくりしていますし、
とても感謝しています。
そして、特に初日に見つけて下さった4台のパソコンの前にいらっしゃった方々、
その日から今でも見続けて下さっている方がもしいらっしゃいましたら、本当にありがとうございます。

 これからもしかしたら過激な表現があるかもしれないという事をお知らせしておきます。
(もうすでにどこそこが過激だよ―という箇所があったとしたら別ですが・・・。)
もし小中学生が見てしまったとしても、表面をスルーして内的過激感が伝導しないような書き方も工夫してみるつもりですが。
何年か後になってから意味が分かったりするように―とかね。

 ただねー、ワイセツ画像とかは無いと思いますよー。期待している方っています~?
この絵柄ぢゃあ合わないですよ~!!


 そちらを期待している方は、まだご覧になっていらっしゃらなかったら、
マーティン・ローソンさん作の漫画版「トリストラム・シャンディ」をお読み下さい。
ネットでも購入できるようですが、何しろ作者は、たとえ日本語画面ででもネットでの買い物には不慣れなので、
洋書の輸入専門店にお願いして取り寄せて、参考文献として読みましたが。

 実はその漫画値段が高くて、買った時の日本円で4980円もしたんですよ!
英米の本屋さんでは、成人向け漫画ではなくて、美術書の棚にでも並んでいるのでしょうか?
(ちなみに作者の家にある、葛飾北斎の漫画画集は3800円でした。)

 こっちの漫画では、普通とは違う、独特のエロさみたいな表現はもしかしたらあるかもしれませんが・・・。

 
 次ページではハリソンさんが、マー坊とのほのぼのムードが一転して不機嫌になり、
とんでもない事を言い出します。


〈次回の更新は9月8・9日です。〉
 

 

紳士のお仕事(8/12) お引き出し・為替・信用状は、テルソン銀行パリ支店をご利用下さい

2007年09月01日 16時07分37秒 | 第4話/紳士のお仕事

 一週間の間にご覧下さった方々、どうもありがとうございます。

 現在の海外旅行では、トラベラーズ・チェックとかドルやユーロなど、
銀行や空港で取り扱っている貨幣に変えてもらって出かけます。


 18世紀の頃の英国では、為替手形を国の銀行で作成してもらい、
海外旅行先の受け取り予定の銀行へと行って換金していたようです。
すぐに換金してもらえるタイプと、旅行者の到着日によっては銀行間での連絡が上手くいかずに、
すぐに支払ってもらえない事もあるタイプとがあったようですが。

 他にも取引銀行から信用状を出してもらって、取引銀行が海外で取引している銀行へと
持って行って換金してもらうという方法もあったようです。


 ハリソンさんが利用している方法は信用状に近くて、
同じ銀行内の本店と支店間での現金の出し入れを、本店からの証明書を使って行うというものらしいです。
サンジェルマン街にあるパリ支店は、ロンドン・シティーのテンプル・バーにある本店から、
ハリソンさんの引き出し金額を請求する事になっています。

 ハリソンさんはセコくて細かい事にウルサイ所がある一方で、
大ざっぱで気前が良くて、見栄っ張りな所もあるので、何だかんだで想定外の出費をしてしまい、
「旅行から帰ったら、ロンドン本店にある預金口座がマイナスになってしまっていて、こりゃ大変だー!」
―なんて事にもなってしまうかもしれません。

 それをとりあえず何とかするために、友人から借金なんて事もあったりして・・・。
そしてそれでも心の中と一致しているのかは端から全然分からないのですが、
「借金王」と豪語なんだか自虐なんだか
―元気ハツラツで自らを呼んでいるなんて事もありそうです。


 ハリソンさん、マー坊に「服は古着を買ってあげる。」と言っていますが、
新品のオーダーメイドではベラボーに高額だったようで、
年収数千~何万ポンドなんて収入はない(推定ウン百ポンドくらい)ハリソンさんには、そこまでは気前良くは
なれなかったようです。


 「海外」「銀行」と聞いて、作者が今でも思い出す度に冷や汗タラタラなのは、
間違って2箇所にサインしたトラベラーズ・チェックを銀行窓口に出してしまった事です。
南フランスのニースでの事でしたが。
アホー!アホー!


 銀行員のお姉さんは、別紙に作者の名前をサインさせ、それを照合して換金してくれました。
一応ツタナイながらもフランス語で話をしたから、向こうも何とかしてくれたのかもしれませんが・・・。
もし、英語を使っていたら
「知らねーよ!」
―と冷酷にアシラワれたのかもしれません。


 フランス国内、もしくはフランス人の前で英語を話したばっかりに意地悪された事が作者はありますからね!
現代フランス人のプライドの高さを表現するために、作られたジョークかと思っていましたが、実際にあるんですね。
その事はまた書く事もあるかもしれませんが。