漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

カノ紳version.おまけ

2008年03月27日 00時16分14秒 | その他
 これまで5回に分けて、この物語の〈裏主人公〉トリストラム・シャンディ氏が
書いたお話をざっとご紹介させていただきました。

 そういう訳で、「ハリソンさんはカノ紳士」については、
第7話までは「予言と降誕」といった所で、
「トリストラム・シャンディ」と関わってしまったばっかりに、
第8話からのハリソンさんには「受難と贖罪(しょくざい)」の世界が始まるのでした。

 ナポリでハリソンさんが、「トリストラム・シャンディ」がらみで遭遇する事件には、
考えるだけでヘナヘナ崩れ落ちそうですし、
英国に帰国してからの同じく「トリストラム・シャンディ」がからんだ一連の出来事には、
教育分析で鍛えた心でも耐えられるのかが心配です。
乗り切れたら♪ハ~レルヤ♪ですな。

 第8話は4月の遅くともGW頃には始めたいと思います。
予告用カラー絵が出来次第といった所でしょうか。
3月29日は古楽鑑賞&エッセイを書かせて下さい。

スケッチ・ギャラリー集つづき

2008年03月27日 00時12分19秒 | トリシャン・カノ紳version.


 昨日はパソコンがネットに接続できなくなってしまい、
アップできませんでした。

 スケッチ・ギャラリー②は1991年前後に描いた物や、
その後いろいろな時期に細切れに描いた物です。

 マーブリングは仕事用に作った物の中で、採用しなかった柄を
個人的に取って置いた物で、7年くらい前に制作しました。
画材店でマーブリングカラー1100円、マーブリング液150円、定着液100円、
コーム(液をかき混ぜるための櫛)980円を買いました。
準備も含めて2日もかかり、
液で部屋の床や自分の足や服がどろどろになった悲惨な記憶があって、
実はもうやりたくありませ~ん。

また、部分的にぼんやりした絵があるのォ~。

作者さんもトバイアスさんの事を結構気に入っているのかしらね?

それで多分ワザと女子受けするような容姿に描いたんだな!
前々からコマーシャル・アートを勉強したとかあってのアザトさが鼻についていたんだよな。


わたしはトリストラムさんがハンサムなのかどうか知りたいなー。
ウォルターさんもお年を召したポール・ベタニーさんぽくって、ステキじゃないって訳でもないわよ。
トリストラムさんは息子さんだからひょっとしたらベタニーさん似なのかもしれないわ。
「稀有な美貌」ってどこかに書いてあった!


スティーヴ・クーガンの間違いじゃないのか!?
おとといの続きだけど、「ハンサム」っていうのは全体の雰囲気も含めてって事なんだっての!
顔だけ良くても、服装センスが最悪で、トロくてズッコケた性格じゃあ「ハンサム」とは絶対言わんぞ!


で、今まで見てきた「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」って、
「ハリソンさんはカノ紳士」と何の関係があるのかしら?


それは、お次のページで作者が書くそうじゃ。





スケッチ・ギャラリー集

2008年03月24日 23時30分26秒 | トリシャン・カノ紳version.


 「走り書き」と「マーブリング」は、
スケッチ・ギャラリー②として、明日の分へと分割してアップする事に
変更しました。

 今日の分は1991年前後に作者が描いた物で、
必ずしも原作に忠実には描かれておりません。

 「ハエを窓から逃がすトバイアス」
 「そんな物が何の役に立つっていう訳!?」


の2つが比較的きっちり描いてあるのは、
絵の勉強をした所の課題提出に使用したためでした。

わしゃ~、絵の事はよく分らんが、
何か部分的にぼんやりしてるような絵が3枚あるがのォ~?


そうですわね、フィレモン様。トリストラムさんの顔が分る絵が一枚もありませんわね!
これじゃ背が高くて痩せてるって事くらいしか分らないわ。
あらすじにもあったお気の毒な事情からなら、無理に見せてと
言ってはいけないわね。

ハリソンさんは案外ハンサムかもしれないって
言ってたよー。

もしそーだとしてもさ、いかんせんファッションセンスが変だよ~。
黄色と赤の上着と赤いズボンに緑のベストの組み合わせみたいだけどね!
信号じゃあるまいし。


顔が分らんのは大方、作者の話を作る上での勝手な都合なのじゃろうて。

 ははは・・・バレたか。

 

カノ紳version.トバイアス&ウォドマン編

2008年03月23日 16時55分31秒 | トリシャン・カノ紳version.

 
 トバイアスとバトラーが自宅の庭に城塞を作っている場面も描いたのですが、
文章のまとまりの数や「ウォルター編」との長さの釣り合いが取れなくなるので、
「ハリソンさんはカノ紳士」の話の中で、その場面を描こうかなと思い割愛しました。
カラーとモノクロ2番目の絵のトバイアスとバトラーが着ているのは、なんちゃって軍服です。

 最上部カラー絵は、トバイアスが1704年にマールバラ公爵率いる英国と
サヴォイア公爵オイゲン率いる神聖ローマ帝国の連合軍が、ドナウ河畔のブレンハイムで、
タラール指揮下のフランス・バイエルン軍に大勝した戦いをシュミレーションしている場面をイメージして描きました。
そしてそこへとウォドマン夫人がやって来て、
自分達の合戦へと事態を転換させようと妖艶なほほ笑みを浮かべているといった所です。

 トバイアスが持っているパイプのモデルは、プロフの所にある写真のトルコ製パイプで、チイ兄ちゃんからもらったんでしょうな。

何か不幸な出来事があった時に、外側の問題にする事は、思考停止ができて実は楽な事なんじゃ。
問題は全て心の中にあるのじゃ。
 

男の人って年を取る程、自分の心の本当の問題と向き合うのが苦手になって来るのかしらね?
向き合うきっかけを与えてしまう境遇になった女性がウットいって訳?


若い時も、興味のある物で自分を囲って、考える暇を作らんようにしとる者もおるのかもしらんな。↑上の元軍人さんみたいにのォ~。

…でも、いつかは考えないといけない時が来るって事でしょう?
↑上の話からすると。


 実際にしてみようとすると、性別に関わらず、それはとても大変な事なのです。
ちなみに女性の場合は、それをしないで済ますためにはと、身の回りの弱者虐めへと
方向転換がなされる事があります。

 「それをするくらいなら…!」と死を選択する人だって実はいるのです!
作者の父がそうでした。
生涯の最後についにその時が来て―。
表向きは病死でしたが、心の世界で、ガンコな父は自ら死を選んだのです。





カノ紳version.ウォルター&エリザベス編

2008年03月22日 22時48分49秒 | トリシャン・カノ紳version.


 作者以外にもそう思った人がいらっしゃるかもしれませんが、
あらすじの分け方とタイトルが、

「ベルばら」の
「オスカルとアンドレ編」
「フェルゼンとマリー・アントワネット編」


みたいだ~。

確か1991年にNHKで放映したのを爺は見た覚えがあるのぢゃ。 
ウォルターの髪型がまるでオスカル様だが、アンドレはおらんようぢゃのォ~。
それからトバイアスがルイ16世で、ウォドマンがアントワネットかのォ~?
…ほんじゃあ二人の仲が、例え祝言を挙げても上手く行く訳ゃないわのォ~!


 ウォルターさんは、原作では次男トリストラムがヘンな子なのは、
エリザベスが受胎した時に余計な一言を言ったせいだと一方的に決め付けて
いるのですが―。

視点を変えてみれば、実はその数年前(最上部カラー絵の時、8巻の終わり~9巻初めの部分)、
に既に原因があった事が分かろうし、さらにそれ以前にだってお互い同じような事を
言ったりしたりして、幾度もムカツキ合っていたのだろうと思うんぢゃがのォ~。


 けれどもそれはほんの小さな事だと考え、または思い、「相手に伝わるような言葉での表現」を
お互い知らないか、磨こうとせずにいたのかが、積み重なって「結果」となったのでしょう。

 それを1巻の初めでトリストラムさん、あんな謎めいた話し方をしなくてはならなかったなんて、
それで2半世紀も人間性を疑われているなんて、
こんな不幸はありませんがなっ!

何でもかんでも、上っ面の凸凹の問題にしたがる、* ン * 教信奉者は、
鼻の周りに癌ができた、ジークムント・フロイト先生の葉巻タバコを吸っている写真と枕を並べて
昇天していなさいっ!

ママンはあなたをそんな子に育てた覚えはありませんよ!





登場人物相関図

2008年03月20日 22時52分27秒 | トリシャン・カノ紳version.

 240年前のおととい、3月18日の金曜日の日暮れ時の事でしたが、
原作者スターン聖下が亡くなってしまったので、
学者さん達がどんなにその生涯をかけて熱心に研究されたとしても、
聖下の御心の内について、本当の所はどうだったのかは、永遠の謎なのです―。

 「ハリソンさんはカノ紳士」の中のシャンディ氏は、原作者の文とほぼ同じ文を書いてはいるのですが、
彼自身の頭の中では、原作者よりも実はさらに細かく作り込んでいたという設定です。

 そして、「ハリソンさんはカノ紳士」の中でシャンディ氏は、
トバイアスの謎めいたケガの位置について、自身の口からはっきりと語ります。

 ウォルターとトバイアスは「本当の所どこがダメダメだったのか」も、
文を書いている内にちゃんと気付き、最終的には「自分のどこが同じくダメダメなのか、
ダメダメじゃなくなるにはどうしたらいいのか?」という答えにも
きちんと到達するのでした。

 だからこちらの話をもーたわいのない * * コ話だと思っている、未熟者のお坊ちゃまがいたら、
豆腐の角に頭をぶつけて死んでおしまいなさい!
ママンはあなたをそんな子に育てた覚えはありませんよ!


 逆に、原作の「あまりの悪評」にビビッて、こちらの展開にも疑いの目を向けているお嬢さま方がいらっしゃいますのでしょうか?
作者、女性の恐さについてはもー知り尽くしていますし、女性に嫌悪感を持たせる描写については、できる限り気を使っていますので。
これでも絵柄については作者、仕事で描いたカットが「上品過ぎる」という理由でボツになった事があるくらいなんですからね~。
だから安心して下さい。マーティン・ローソンさんみたいに、いきなりナントかカンとかが出て来て、
「目が釘付け」…いや「目がテン」なんて事はない筈ですから。


 ハリソンさんが、「あくまでも主人公は自分だ!」と、
めずらしく強硬に言い張っているので、元旦にアップした
「パリ編」の相関図の方も、(よく見たら誤字も見つかったので)
作り直しました。色数を増やし、もう少し詳しい内容にしましたので、こちらもご覧下さい。

紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見、ハリソンさんはカノ紳士version.予告編

2008年03月19日 22時48分11秒 | トリシャン・カノ紳version.

 ↑上記のような予定でアップしますので、どうぞご覧下さい。
一番上の絵は凄まじい読書の果てに確立した、己の珍奇な学説を力説する兄ウォルターと、
あきれて口笛を吹く、傷痍退役軍人の弟トバイアスです。
1991年に描いた物なので、
描いた当時、バロック音楽関係者の間で、「英国のモーツァルト」と称えられる、
ヘンリー・パーセル(1658-1695)作曲の楽譜が
入手できていなかったために、音符がテキトーです。
現在は、楽譜が手元にあるので、頭の中で鳴り響かせる事ができるのですが…。