漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

標的(2/16) どっちに味方すればいい?

2008年04月27日 11時47分24秒 | 第8話/標的

 どっちの言っている事も一応正しいので―。

ちなみに「オトラントの城」というのは、中世イタリアの公国を舞台にした恐怖小説で、
「オトラント公マンフレディには、一男一女があった。」(←作者訳 : この部分に関しては、中学生くらいの英語力でOK。)
という出だしの、浮世離れした遠い世界へと行ってしまうといった感があるし、
一方のハリソンが擁護してしまう「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」は、
18世紀英国のそこそこ裕福な家のとはいえ、生活感がにじんでいるので、
一見相容れない世界観のようにも見えるのです。

ウォルポールさん、予告編のカラー絵とは雰囲気も違うみたい…。
予告編の方は、幼稚だけど、可愛い気はあるんじゃないの?―というか・・・。
でも、漫画の方は、高貴で知的で冷たそう…。


作者の描き慣れの問題だけじゃなくて、制作上の何か隠れた意図が
あるんじゃないですか?ママン。
フツー不細工なオヤジがこういう事やっていたらキモイ。


猫ちゃんがカワイイ。モデルの人も犬と猫を飼っていたのは本当らしいわよ。

そりゃ、金持ちだから飼ってるだろうよさ。作者みたいな爆貧菌保菌者でも飼えてんだし。

作者が貧乏なのは、
「小銭貯金が趣味で、特に500円玉と100円玉を集めるのが大好きで浪費している」
のが原因じゃ。全く訳が分らん!



次回はハリソンさんの「トリシャン」読者に対する、〈ギクリとする言葉その2〉と
口を滑らせて、ウォルポール氏から受ける鋭い突っ込み。

〈次回の更新は5月3日・4日の予定〉

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「オトラントの城」/ホレイス・ウォルポール(1717-97)作
国書刊行会「ゴシック業書」の中に井出弘之さん訳であります。

♪ きっと来るゥ~ ♪
― っぽいシーンも有り。
作者はその後、「ゴシック業書シリーズ」で、「イギリスの老男爵」「イタリアの惨劇」を図書館で借りて読み、
遂には、あの悪名高き「修道士」を買ってしまいました。
 





標的(1/16) そこまで言うのかっ?!

2008年04月26日 11時08分52秒 | 第8話/標的

 以前にも書きましたが、この物語は基本的にはフィクションで、
史実とそうでない物とがごっちゃになっています。

 今回から登場するウォルポール氏は、経歴、性格、容姿、趣味嗜好など、
実在の人物をモデルにしてはいますが、あくまでも同姓同名の創作上の人物としてお読み下さい。


オラオラ、また出たゾ!作者お得意の「顔はいいけど、性格の悪い男」が!

でも、モデルになった人の若い頃の肖像画を見てみたけど、うっとりしちゃうくらいの綺麗な人だったわよ。
本当に1日中眺めていたいくらい…。


―で、いったん口を開いたらゲンメツしてお終いってヤツ。でもよ、この若作りゴスヲタ・オヤジを前にしたら、
俺も少しはハリソンの事が好きになれるかもしれないって気が、もうすでにして来たぜ!


そのウォルポール殿とやらは、何だか予告編とは顔が違うようじゃな・・・。

確かにフィレモン様、表情が固いようですわね。きっとまだ、作者が描き慣れていなかったんでしょうね。


 ― 予告編はついこの間描いた物ですが、漫画の方は3年半前の物なので…。


ハリソンはどう反論するんでしょうか?今日の続きは明日。


















 

予告編おまけ

2008年04月20日 20時53分06秒 | 第8話/標的

 ウォルポール氏は親戚や、大勢いる知人友人の協力を得て、、
ハリソン&トリストラム・シャディ氏との関係を探り、
ハリソンをしだいに恐怖のどん底へと陥れて行きます。
しかし、その報いで彼自身もハリソンによって、
作り物ではない「本物の恐怖の世界」を
垣間見る事に…。

第8話は4月26日(土)からの開始となります。

第8話登場人物紹介

2008年04月20日 20時51分45秒 | 第8話/標的

第8話予告編

2008年04月20日 20時51分32秒 | 第8話/標的
 パリのロイヤルパーク・ホテルで、
ノートルダム寺院の動物彫刻の
       お土産用コピー品を眺めるウォルポール氏


 1765年の9月に故ロバート・ウォルポール(1676-1745)元首相の四男、
ホレイス・ウォルポール氏(1717-1797)はパリを訪れています。

 この人、「中世大好き人間」の原型的な人です。
ゴシック好きが高じて、自宅をゴシック時代風に改築してしまい、
ゴシック小説の元祖「オトラントの城」を書いて、大ヒット。
その後に来る、英国ゴシック小説大ブームの
先駆けとなるのでした。

 ハリソンは甥のジョージの頼みで、ウォルポール氏と
リュクサンブールの木立で出会います。

 ウォルポール氏が「トリストラム・シャンディ」を
あまりにけなすので、ハリソンはつい弁護へと回ってしまいます。

 その態度にウォルポール氏は作家の直感で、
ハリソンとシャンディ氏との胡散臭い関係を
感じ取ってしまい、ある罠をしかけようと
心の内で計画するのでした。