一緒に旅行、などといえばいかにも仲良しきょうだいのようだが、そうでもない。
東京、広島、福岡、と離れていることもあるが、実をいえば五年ぶりの再会で、
その間、ほとんど音信不通にちかい。
弟は、もうお互い齢だからこれが最後と思って誘ってくれたのかもしれない。
電話したってさ、足が痛い、腰が痛いって言い合ったところで
面白くもなんともないでしょ、というのが弟の言い分である。
ごもっともである。
妹のところは亭主が十数年前に脳腫瘍で倒れて以来、
彼女が掃除のおばさんで家計を支えている。
近くに世帯をもつ息子たちから孫の世話を頼まれることもある。
このごろは韓国語も習いはじめた。
つまり暇なお姉ちゃんの電話相手などする暇はないのである。
仁寺洞を歩くと韓服姿の男女によく出会う、借り着屋が結構繁盛しているらしい。
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