風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

合流

2018-10-18 22:40:11 | はらから集いてソウル

 ソウルには金浦空港と仁川空港がある。

わたしと妹は仁川、弟は金浦に着くので、姪の遙ちゃん夫婦は

レンタカーを借りてダンナが金浦で弟を迎えたあと仁川に回って私たちと合流した。

二泊三日という短い旅のはじまりである。

「どこか行きたい所はありますか」とさっそくダンナが訊いてくれた。

「ほかにないけど、BTSの事務所の前でユウトくんと写真を撮りたい」というのが妹の希望である。

後部座席にいたユウトくんが、すかさず、いやです、と言った。

「おばあさんがひとりで写真撮ってもらうのは恥ずかしいから、ユウトくんつきあってよ」

 妹は懇願したが、

「ぼくはもっと恥ずかしいからいやです」

 ちなみにユウトくんは中学三年生である。

素直で心優しい少年だが、BTS事務所前での写真撮影だけは、きっぱりと断られた。

         

        

 

 

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妹の実力

2018-10-17 16:09:00 | はらから集いてソウル

 68歳になった妹は、昨年から韓国語を習いはじめた。

夜の教室なのでみんな妹より若い仲間である。

若いひとたちは覚えが早い。

妹は教室のみんなに迷惑をかけられないからとかなり必死になっている。

韓国ドラマも毎夜観ているし、Kポップにもくわしい。

つまり韓国が好きなのである。しかし、まだまだ会話が通じるところまではいかない。

広い仁川空港の到着口へ出るまで、飛行機で一緒だったひとの背中を

しっかりみて歩けと足の遅いわたしをせかす。

「あんた、ひとの背中見ないだって案内のハングルくらい読めないの?」

「読めるわけないじゃない」

ということで、到着口で姪の顔を見つけてようやくほっとした。

     

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あわや

2018-10-16 18:08:32 | はらから集いてソウル

 え? 知らない人のカードで決済されたのですか? 

係員の顔が険しくなった。

 日本の社員ならどんなときでもあくまでにこやかに対応してくれるが、

他国の航空会社の社員はかなり無愛想である。

にこりともしない係員は、役目上、あとには引かない。

このカードの持ち主と連絡がとれなければ搭乗させないと言われた。

まだ朝の八時ちょっとすぎで、広島の旅行社は始業前で連絡がとれない。

最悪、このチケットが無効の場合、空席があれば買い直してもらうと言われた。

 妹は、ああでもない、こうでもない、格安ではあるが間違いなく旅行社から買ったものであると

力説したが、相手は、カード確認が出来なければ乗せられないの一点張り。

妹は広島のおヨメゃんに電話をかけて助けを求めるやら、

すったもんだのあげく、旅行社の誰かと連絡がとれて、

離陸寸前、一番最後の客となって、ようやく乗せてもらえた。

 二時間も前に来ていたのに。滑り込みセーフ。

         

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チェックイン

2018-10-15 14:25:22 | はらから集いてソウル

 チェックインカウンターで妹が差し出したチケットは、

広島のチケットセンターで購入したものである。

航空チケットはカード決済が原則だそうだが、

妹はカードを持たないので現金で買った。

で、小さな旅行社の社長の××××名義のカードが決済に使われていた。

それで係の女性は、××××さんはあなたの知り合いですか、と妹に訊いた。

妹がハイと言っていたら問題はなかったのかもしれない。

ところが慌て者の妹は、いえいえ、知りません、そんなひとまったく知りませんと、

手を強く振って否定した。

 あとで妹に聞くと、ダブルブッキングかと思ったのだそうである。

    

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空港へ

2018-10-13 20:42:10 | はらから集いてソウル

 東京在住の弟は羽田から、広島の妹は福岡からわたしと一緒に発ち

ソウルで合流することになった。

 わたしは80歳である。妹は12歳年下である。

 若い妹に飛行機のチケットの手配をしてもらった。

 ソウルは福岡から一時間ちょっとである。東京より近いと気楽にかまえていた。

ところが前夜になって、はたと気づいた。ソウルは海外である。国際空港まで移動しないといけないのだ。

いや、それだけではないぞ、チェックイン、セキュリティチェック、出国手続きと厄介なことがある。

これはいかん、バアサン二人なので用心にこしたことはない。

よし、二時間前までには空港に着くことにしよう。

 前夜から泊まった妹と二人で、朝は五時半に起きて、タクシー、地下鉄、高速バスを乗り継ぎ、

早々と国際空港に到着した。よゆう、よゆうの到着であった。

      

    ハングル文字にもくずし字があるそうな。 料理屋の箸袋。

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おばあさん

2018-10-12 14:03:44 | ほのぼの

 長いつきあいの自転車屋さんへ古い自転車の点検をしてもらいに行った。

油を差して、空気を入れてもらったのに、料金は不要と言う。

気持だからと500円玉を差し出した。

 店主とはもう50年近い付き合いである。

いらんいらん、と言うのを、おばあさんの縁起ものだから……と言ったら、

ようやくにっこりして受け取ってくれた。

この手があったんだ。おばあさんになるのも悪くない。

        

    今夜はハロウインのカボチャの顔が少しはっきり撮れました。

      

     

 

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国際結婚

2018-10-11 11:20:28 | はらから集いてソウル

 弟の娘である遙ちゃんは、韓国出身のご主人が東京勤務だったころに結婚した。

息子のユウトくんが生まれたあと彼らは本社のある韓国へ戻った。

その数年後、またご主人の仕事の都合で今度はオーストラリアに移住した。

目下ユウトくんはオーストラリアの中学三年生である。

オーストラリアの学校の冬休みに彼らは浦項(ポハン)のお父さんの実家へ里帰りした。

このあと東京の実家である弟の家にまた彼らは移動する。

その束の間にわたしたちをソウルへ誘ってくれた。

      

 

 

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ハロウィン

2018-10-10 20:47:36 | 日記

                      

 我が家から徒歩一分の夜景

タワーのイルミネーションの色が刻々変わるこの中に

ハロウィンのカボチャのお面が五個あります。

ちゃちなデジカメの写真ですが、よ~~くみると見えます。

 タワーの写真はここからが一番と……とわたしは悦にいってます。

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きょうだい会

2018-10-10 15:10:48 | はらから集いてソウル

  東京在住の弟と広島在住の妹、それに福岡に住むわたしたちは、もう数年来会っていない。

80歳というわたしの年齢を考えたら、一緒に旅をするなら今しかない、

 ということで、ソウルにいる姪夫婦が招んでくれて、

この機会にそれぞれの地から二泊三日の旅に向かうことになった。

     

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きたやまおさむ コブのない駱駝

2018-10-07 19:40:57 | 読書

 やがて消えていく桜、夕焼け、蛍、花火。

はかなさは生きているのか、死んでいるのか、あるのか、ないのか。

その両方を切り結ぶ重要な概念。

   

 人の心には表の役を演じる自分の裏の楽屋がいる。

楽屋での無意味な充実、それは温泉かもしれないし、河原や海かもしれない。  

    (きたやま おさむ  コブのない駱駝より)  

                 

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