風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

母の俳句教室(続また続)

2018-08-14 12:09:13 | 俳句、川柳、エッセイ

 母をにわか先生にしての俳句教室は、

月に一度、三人の奥さまがたが楽しみに通われてくるようになった。

相変わらずわたしと伯母は、素知らぬ顔で、母を「先生」と呼んでとぼけていた。

ある日、句会のあとのお茶の時間に、奥さまのひとりが、

「お母様やお姉さまがたと共通のご趣味がおありでよろしいですね」と言われた。

ありゃりゃである。ばればれなのに、茶番につきあってくれていたのである。

「そりゃあ、わかりますよ、みなさんよく似ておられますもの、オホホホ」

とのことであった。

           

            やがて色づくのが楽しみな千両の実