風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

いいのいいのお節介

2018-08-08 22:16:08 | 日記

          

 昼日中の天神のど真ん中の歩道で、中年男性が横たわっていた。

いったん横を通り過ぎかけたが、気にかかる。

誰かなんとかしてくれないかしらと立ち止まって見ても、みんな足早に通り過ぎるばかりである。

しかし、体力気力のない八十ばあさんが、声をかけて、もしも居直られてなにかあっても困る。

誰かいないかなあ、と目の前の事務所から出てきた白ワイシャツ姿の男性に、

すみません、と事情を話した。

う~~ん大丈夫じゃないですかあ、と彼は渋ったが、それでもばあさんの熱意に負けて、傍により、

大丈夫ですか? と声をかけてくれた。

横たわっていた男性はその声にむっくり起きあがった。

大丈夫でしたね、と笑顔の白ワイシャツの男性に、ありがとうございました、と礼を言ったのはわたしで、

路上から起き上がった男性はなんだか迷惑そうに黙っていた。

でも、いいのいいの、無事を確認できたのだから。