風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

配給

2018-07-12 10:23:23 | 昭和つれづれ

         

 戦中戦後の物不足時代は、鍋釜、衣類、食糧、石鹸からちり紙まで

すべて自由に入手できなかった。

 配給切符、通帳などで割り当てられた分しか公然とは買えなかった。

 ……高額にこっそり手に入れるのはヤミ、と呼んだ。

検事という職業柄、ヤミに手を染めずに餓死した高潔な人の話は有名である。

引っ越すとまず住民票と同時に米穀通帳が発行された。

写真は昭和41年、福岡へ引っ越したときに発行されたもので、

さすがにこのころは米も自由販売だったと思うが、

米穀通帳はほぼ歴史的資料になりつつあるか。

しかしこのころまではまだ、米は指定の米穀店でしか買えなかった。

米穀店では電話をすると必ず配達をしてくれた。

思えばあのころはいまのようにどこにでもスーパーマーケットや

コンビニやむろんマックもスタバもなかった。

酒は酒類小売業免許のある酒屋でしか買えなかった。

こちらも電話をしたら配達してくれた。