戦中戦後の物不足時代は、鍋釜、衣類、食糧、石鹸からちり紙まで
すべて自由に入手できなかった。
配給切符、通帳などで割り当てられた分しか公然とは買えなかった。
……高額にこっそり手に入れるのはヤミ、と呼んだ。
検事という職業柄、ヤミに手を染めずに餓死した高潔な人の話は有名である。
引っ越すとまず住民票と同時に米穀通帳が発行された。
写真は昭和41年、福岡へ引っ越したときに発行されたもので、
さすがにこのころは米も自由販売だったと思うが、
米穀通帳はほぼ歴史的資料になりつつあるか。
しかしこのころまではまだ、米は指定の米穀店でしか買えなかった。
米穀店では電話をすると必ず配達をしてくれた。
思えばあのころはいまのようにどこにでもスーパーマーケットや
コンビニやむろんマックもスタバもなかった。
酒は酒類小売業免許のある酒屋でしか買えなかった。
こちらも電話をしたら配達してくれた。