今日、友達と会って、私の好きな作家の話になった。
ほら、地味でシンプルだけど、味のある作家、芥川賞の選考委員もした、ほら、
黒なんとか……。 名前が出てこない。
黒だけじゃあねえ、と相手も返答に困っている。
会合場所へつき、机を並べいるときにようやく思い出した。
黒井千次! 「高く手を振る日」という小説がよかった。
帰り、別の友達と浮世絵の話になった。
今年の春ね、五十三次の展覧会に行ったのよ、
ほらほら、あれ、あれ、あのひとの……。
相手は、ああ、あれねえ、わかったけど、名前が出てこない……。
家に帰って風呂の中で、ようやく思いだした。
歌川広重! あああ、やれやれ。