机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

美男・美女・今むかし

2019-04-28 05:18:00 | 映画の味方
 絵は特別に何かを意識して描いたわけではない。
この頃は古い映画、戦後戦前に撮られた映画をずっと観ている。
それでそういうイメージを描いてみた。



 今も清水宏監督の家庭日記を観ていた。
その前は同監督の男の償いを観た。
佐分利信・上原兼・桑野通子・高杉早苗・三宅邦子といった顔ぶれだ。

 この方たちの一部は戦後の高度成長期の頃にも活躍されていたから年配の方たちならご存じの方もいるだろう。

 映画の感想はさておき最近の映画もよく観る。
役者でいうと山崎賢人・野村周平・佐藤健・永野芽郁・有村架純・土屋太鳳と雑食だ。

 古今東西、邦画を観ていると今の役者と昔の役者の顔立ちが違うなと感じる。
それは時代も大きく違うし髪形やファッションも違うので当たり前だが、一番感じるのは昔の方は顎がしっかりしている。

 今の役者は総じて顎が細い、幼顔だ。そういうのが受けるのだろうか。
それとこれだけの高齢化社会で年配の役者が少ない。
爺さん婆さんのいい役者がいない。
これは不思議だ。巷には溢れているのに。

 昔の役者は顎がしっかりしていて面長で老け顔だ。
京マチ子・山本富士子にしても歯が丈夫そうだ。
老け役にしても沢山いた。浦辺 粂子は戦前から戦後とずっと老け役だ。
笠 智衆もそうだ。実年齢よりも老けた役を演じてきた。
そういう特殊な例ばかりではなく名前も憶えられないほどに昔の映画には名脇役老役者が多かった。
  
 今はけっこう実年齢より若く見える人が多くなってきた傾向にある。
役者もお化けみたいな人がいて皆若い。
昔なら腰が曲がっていても、おかしくない人が颯爽としている。

 絵の話しに戻そう。
上原兼や佐分利信を頭に思い浮かべて描いたのだが、こうしてみると佐田啓二に似ている。
女性は誰だろう?日活の女優さんの雰囲気だ。笹森礼子?かな。
いずれにしても戦後の映画の雰囲気だ。
下に小さく日傘の女性と学生風の若者を配して映画のポスター風にしてみた。
映画、武蔵野夫人といった風情か。田中絹代主演だ。

 題名はなんとしようか。
絵のレイアウトからして、そんなに長い題名は付けられない。
女性の胸あたりに「昔」とでも明朝体ででも入れようか。

 昔か。考えてみれば若い頃から昔のもの好きだった。
絵にしても漫画にしても音楽にしても。

 音楽は流行りのビートルズやベンチャーズには興味はなく古いジャズや古いブルースにのめり込んでいた。
絵にしても当時の漫画よりも挿し絵に憧れていた。

 いま、気がついてしまった。自分が昔になっている。

浦島太郎だ。

 自分はどんな龍宮城を彷徨ってきたのだろうか。

寂しい紫の煙だけが部屋に立ちこめている。