ギャラリー三昧

ギャラリー觀
〒963-8002 福島県郡山市駅前1-6-5
http://www.gallery-kan.com/

内田鋼一コレクション MADE IN JAPAN

2011年02月23日 | アート・文化

Utida_2

内田鋼一コレクション展「MADE IN JAPAN」 3月25日→9月4日as it isにて。

坂田さんの所から展覧会の案内が届く。内田さんのコレクション展ぜひ見に行かなければ。

コレクションは、木工品アリ、焼物アリで素材も時代もバラバラ、道端に落ちていても誰も気づかないような大安物の古い道具類。目を凝らしてみると、そこには、古さや、技術の完成度を誇ったり、希少性を売り物にするものは何一つない。この無言の集合体は、私の心の奥底にグサリと突き刺さり、激しく揺さぶった。私達が依ってきた、西洋近代の人達が考案し世界中に拡がった美術評価の基準である作家の自己表現の強さや、作品の骨格の有無、自立性なんてものはここでは完全に無視されている。権威的な美術館や美術評論家の人達が従来振りかざしてきた既成の評価基準に対する、これはもう見事な、そして明確な異議申し立てといってよいだろう。

一見、この種のものを選び提示するのは簡単なことだと思われがちだが、苦い痛いことも含む豊かな経験、権威や型に依らない自由な感覚、そして何よりも、ゆるぎない覚悟がないとこれは難しい。

利休は中国物一辺倒の時代、命をかけて侘び茶の方へ振り、柳宗悦は鑑賞陶器の全盛時代に日常工芸品の美の方へと揺さぶった。何ともまいもののなかから、何ともある心打つものを掬い上げる、このことこそが日本の美意識の根幹をなす大切な芯。内田コレクションはこれと深く重なり、また次の世代へ展開を指し示しているといえるだろう。

古道具坂田 坂田和實

ギャラリー觀での内田鋼一展は2011年7月1日→7月12日!!