ヒンメリはフィンランドの伝統装飾
語源でもある「天」へと、純粋に捧げる気持ちで結び合わせること。その行為は「祈り」であり、ヒンメリは「祈りの結晶」ともいえる。
大地から離れてひとときの間、眠っていた麦わら。自然から授かった依り代でもある麦わらに、人の手と心を合わせることで結ばれる造形物は、光と影を内在させている。
調和をはらんだその新たないのちは、天から吊るされることによって、自然界を構成するものたちの無条件の愛と一体となり、核となる調和のエネルギーをおのずと増幅させていく。
一本の麦わらが新たな造形物となり静と動を繰り返し、生命力を帯びたヒンメリがうまれる。
光と影、太陽と月。火と水。静と動。しして天と地。
相対を結ぶヒンメリは調和のしるし。
それは時代や人種、国境を越えた根源において普遍的である。