ギャラリー三昧

ギャラリー觀
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アイヌ民族衣装

2007年02月16日 | アート・文化

Img_2221 アイヌ刺子仕事着(麻)。今、古布を着る展にて。

アツシ

アイヌは木の皮から衣服を作った。アツシとは、アツでおおうもの、即ちアツの衣服という意味である。アツは、植物の内皮から作られた繊維の紐を意味する。こまやかな女性の感情をへらに託して織られた布は、もじり紬、おくみなしと、一切のむだを省いて仕立てられ、その上にアイヌは、さらに美しい模様を切り伏せた。切伏せとは、黒または紺の単純な色の木綿裂を、直線に伏せて模様を出し、周囲を縫い、さらに刺繍していくことをいう。左右均斉に置かれた模様は、傷みやすい部分の補強や、装飾性もさることながら、その部分から魔が入らないようにという信仰的な意味合いが強かったと思われる。一針一針精魂傾けて刺繍し、模様を作り上げることで、それが生き物になり、身に着ける人を守る、とアイヌの世界では信じられていた。