吉田宏介作「黒柿結界」。ギャラリー觀にて開催中。吉田さん親子は両人とも日本工芸会正会員というすばらしい腕の持ち主。腕もすばらしいが長年掛けて集めている希少な木タチ(素材)もすごいです。
「黒柿」について。
樹齢150年を越える「柿」の古木のうち、さらに限られた条件によって、幹の内部に黒緑色、あるいは黒褐色の模様を生じる木がある。これを黒柿という。
主に、東北・中部・中国地方の一部に黒柿の発生が見られるが、現在、その材質・美しさ・品格において最も上質なのが東北の一部地域に残る「大柿」「蓑柿」といった「昔柿」の黒柿材である。
黒柿は古来より、その雅味あふれる模様が珍重され、古くは天平時代(710~784年)の有力者の家具調度として使われ、今日正倉院御物の中にも多く残っている。