
日本映画界の巨匠、市川崑監督が亡くなりました。92歳だそうです。
つい先頃、『犬神家の一族』のリメーク版が公開されたと思っていたのですが、もう92歳にもなっていたんですね。

ぼくが初めて市川崑監督の作品を映画館で観たのは、『太平洋ひとりぼっち』(1963年)でした。
石原裕次郎の主演で、小さなヨットに乗って単独で太平洋を横断した堀江謙一さんの冒険を映画化したもので、波風の音や船のきしむ音、小さなヨットの中での微細なカメラワークに、すごい映画だなあと感心したものです。

*『東京オリンピック』を撮影中の市川崑監督。(1964年)
有名な『東京オリンピック』はだれと観に行ったのか覚えていませんが、ズシンと落ちるハンマーや、ほほにめり込む砲丸、ヒタヒタとただひたすら走り続ける孤独なランナーなど、今までの記録映画にはない映像が、とても印象的に目に焼き付いています。
この映画は当時のオリンピック担当大臣だった河野一郎が「あれではだめだ、記録映画になっていない、作り直せ」とこき下ろしたことが報道されました。
ぼくはそのとき、「だったら市川崑に頼む意味がない」と憤慨したことをおぼえています。
昨年、BS放送で『東京オリンピック』をやっていたので、改めて観ました。最近のデジタル映像に慣れるといかにも画面が荒れていますが、それでも市川崑監督の演出は今でも十分輝いていました。
中村敦夫氏が「人には寿命があるが、この人だけは不死身だと思っていた」(朝日新聞)と言うように、最後の最後まで創作意欲を失わない人でした。
ご冥福をお祈りします。
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