家族で行こうということになっていたものだから、全員のスケジュールが、とくに学校イベントの好きなカミさんとのスケジュールがあわずに、打ち切りすれすれの週になってしまった。
友人のSさんがブログでぼろくそ言っていたので、「いや、そんなことはない、絶対元をとってやる」と意気込んで観に行ったのだが、どうやら今週でほとんどの上映館が打ち切り。なんか嫌な予感がした。
ならば、どうせすいているだろうと、新宿ピカデリーに上映時間の40分ほど前に着く。
ところが、メッセージボードの目的の上映時間には「×」がつけられ、すでに満席。
この日はテレビドラマ『JIN-仁-』の最終回があり、どうしても9時前には帰りたかったので、「◎」がついている最終回は無理。一応録画は仕掛けてきたものの、リアルタイムで見たいじゃないですか、あれは。
あわてて、別の上映館、新宿バルト9に移動。
「ピカデリーが満席だったらバルト9は絶対無理だよ」とカミさんが言うのを「行ってみなきゃわかんないじゃない」と長女に押されて、急ぎ足で新宿三丁目に向かう。
すると、メッセージボードに「18」とあり、18席空きがあるという意味だ。
席はばらばらになったけど、とりあえず、観られた。
今週で打ち切られるのに、なんでこんなに満員なのか訳が分からない。
で、感想。
Sさんの評価は当たってた。「読んでから観たのが失敗だった」と言っていたが、読む前に観ても、やっぱりダメだった。
最初は「会計検査院」の隠し財産摘発物語に見えた。偽の従業員を仕込んで人件費をごまかす手口など、高木彬光の『白昼の死角』を思わせるスリリングな導入に、つい期待してしまったら、それはなんとなく尻切れとんぼで消滅。
さまざまな大仕掛けが、大阪独立にあるというのだが、その根拠がわからない。
沖縄が独立するなら根拠は明白だが。
豊臣家の末裔(王女)と言われる少女は、自分ではそれを知らず、ただ乱暴な少女で、その割には活躍しない。金属バットを背負っているので、『シャングリ・ラ』の北条國子みたいにやくざ相手に大活躍するのかと思ったら、十分な活躍の場を与えられないまま、「終了!」。
原作では少女の、性同一障害と思える少年も、果たしてその必要があったのか不明だし、王女とされる少女との関係もうやむやなまま。
ようするにすべてが中途半端なのだ。
会計検査院の調査官の一人、綾瀬はるかが顔に似合わぬ結構な巨乳で、ゆさゆさ走ったり、たこ焼きを落としたときの表情が可愛かったので、差し引きゼロとはいかないけれど、まあ、救われた。
いずれ、気をとりなおして万城目学の「最高傑作」(若い作家なのに評価が早すぎると思うが)と言われる原作を、いずれ読んでみたい。一応単行本が手元にあるが、この映画を見せられたあとではいささか手に取り難い。
ところで、トヨトミのシンボルとして瓢?が登場する。大阪国民決起の印でもある。
豊臣秀吉の馬印が「千成瓢?」だからだ。
なんと、カミさんも長女もなぜ瓢?なのかわからないという。
そうか、最近の若者(カミさんは若者ではないが)は『太閤記』など読まないのだ。だから知らない。
ここでちょっと解説しておこう。
豊臣秀吉は、馬印として瓢?を用いた。
「馬印」というのは、武将が自分の位置を知らしめるために、自分のいるそばに立てる。火消の纏(まとい)はこれが起源だ。
織田信長の配下にいた秀吉は、戦で味方を招き入れる合図に棒の先にくくりつけた瓢?を使っていた。瓢?は当時、酒を入れる目的で広く使われていた。
信長は秀吉を一人前の武将と見なしたとき、その瓢?を「馬印にするとよい」と、秀吉に馬印を用いることを許した。
そこで秀吉は瓢?を馬印とし、戦果を挙げるたびに瓢?の数を増やしていった。
やがて、秀吉の馬印の瓢?は鈴なりになり、「千成瓢?」となったのだ。
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【お知らせ】
元沖縄県知事の大田昌秀さんの講演です。86歳になられて、日本と沖縄の将来に向け、ますます力強くメッセージを送られます。東京での単独講演は滅多にない機会ですので、ぜひご参加ください。
予約は不要ですが、満員の場合はお断りすることもございますので、お早めにご来場ください。
お問い合わせは:090-1500-9886(新城)まで
同意ありがとうございます。
意見が合ってうれしいです。
直後に完成度の高い「JIN-じん-」の最終回など見ちゃったもので、つい比較してしまいました。