ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

昨日今日のこと

2009年12月16日 | 日記・エッセイ・コラム
 東京大空襲訴訟
 約十万人が犠牲になった東京大空襲の被災者や遺族が国に謝罪と損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は原告の請求を棄却した。
 「進め一億火の玉だ!」などのスローガンを掲げ、全国民を巻き込んだ戦争で、軍人軍属には年金などの保証をしながら、その犠牲になった民間の被災者には何の救済もしていないことに対する訴訟だ。
 地裁は「心情的には理解できる」とか「戦争被害を記憶にとどめ、語り継いでいくためにも、できる限り配慮することは国家の道義的義務だといえる」などと、体のいい言葉を並べながら、「この問題は立法を通じて解決すべき問題」で国に救済義務はないとした。
 司法の責任を放棄する判決だ。
 鳩山内閣と同じ、どこにも波風をたたないように責任を放棄する。こうした優柔不断さがやがて、大嵐をまき起こすことは想像すらしていないのかもしれない。
 
 大江健三郎「定義集」
 大江氏の新作「水死」が刊行された。さっそくamazonに発注する。

 「半年にわたって長編小説の書き直しと数度の校正に熱中して、どこか非日常的な場所に長逗留しているようでした。それが冬日和の朝、起き出して来るとすることがなく、長椅子に横たわっています」
 そしてこうも、
 「いま何もしないでいる自分をせかせる力があるとすれば、これからどういう小説を書く・書かないということではなく、かつてない経験として待ちかまえているはずの、現実にやって来るものへの準備をどう始めるか、ということです。それはキッパリと決断して、という種類ではないとも感じる……」
 
 昨夜は、たまに集まる中学時代からの友人たち14名で会食をした。みな敗戦の年に生まれた同い年だ。リタイヤ組あり、夫君を失って女手一つで子を大学までやった女性もいる。
 還暦を過ぎて同様に思いを巡らせることは、まちがいなく「現実にやって来るもの」が決して遠くはないということだ。
 それでも、だれもが年相応の「今」を楽しんでいる。それが勇気づけられた。
 
◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆~~~~◆
◆あなたの本を待っている人がいます◆
・お手持ちの原稿を本にしませんか。
・自費出版から企画出版まで。
・きっとあなたのファンが出来る本作り。
■ご相談はメールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで
*上のメールアドレスをコピーするか、右下の「□メール送信」をクリックしてください。