グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

染め物ワークショップ Join 〜the community of the blind〜

2023-04-06 14:14:11 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の「見えにくい」をなくしたいデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。当社はメディア・ユニバーサルデザインにも配慮しています。メディア・ユニバーサルデザインとは、色を区別しづらい方、疾患のある方、高齢の方…それぞれのハンディーキャップにかかわらず、すべての人に正しく情報が伝わるようにするという考え方です。その一環として音声コード Uni-Voice(ユニボイス)も導入しました。


先日、視覚障がいの方のコミュニティサロン Join さんが主催の染め物ワークショップにお邪魔しました。サロン代表のペコさんはご自身が視覚障がいの方で、参加の皆さんはサロンメンバーの方が多いようでした。
講師は洋裁雑貨作家の「ことりと空」さん。皆さんからは空さんと呼ばれています。染め物ワークショップは今回が2回目だそうで、参加の方々とはすっかり顔なじみという感じです。
私はペコさんとも空さんともTwitterで繋がっていただいていたのですが、お会いするのは今回が初めてです。

今回私はオブザーバーといいますか、見学者の立場で同席させていただきました。
仕事では印刷物のユニバーサルデザインに取り組み、音声コード Uni-Voice(ユニボイス)を導入していますが、視覚障がいの方との接点はあまりありません。見えにくい方にも情報をお伝えするにはどういう方法・手段が良いのだろう。そんなことを少しでも知ることができたら。そう思ってお邪魔させていただきました。

参加の皆さんは視覚に障がいのある方々です。お一人でいらした方、ご家族といらした方、そして同行援護従業者(視覚障がい者ガイドヘルパー)とご一緒の方。白杖をお持ちの方もそうでない方もいらしたようです。
染めるのはこれからの季節に使える麻のストール。皆さんあらかじめ染めたい色をリクエストしていたそうで、講師の空さんはそれぞれの希望に沿った染料を用意されていました。
染める工程や楽しさを詳しくお伝えしたいところですが、長くなってしまいますのでここでは割愛。

視覚障がいと言っても見え方は人それぞれで、「蛍光灯が白く感じるくらい」「真ん中だけが見える」「片方は全然見えない」「色がわからない」などなど。でも皆さんとても明るくて、次回のワークショップや今後のイベントのことなど楽しそうに話してらっしゃいました。もちろん染め物も楽しんでいらっしゃいましたよ。

今回のワークショップでは、サポートの方の中にユニボイスにお詳しい方がいらっしゃいました。視覚障がい者ガイドヘルパーの資格もお持ちで、視覚障がいのための対応は都内でも区によって手厚さが違うこと、音声図書の存在、IT機器の訓練サポートなど、ユニボイスのこと以外にもいろいろ教えていただきました。
そして改めて思ったのは、ユニボイスは使い方も比較的簡単、コードの掲載も手軽で安価ということ。自治体だけでなく一般企業、それも中小企業でも取り組みやすいものであるということ。

機会があればまたお邪魔して、デザイン会社である当社が視覚障がいに対してできることをさらに考えていきたいと思います。
部外者を快く迎えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。


▲完成したストールを巻いた皆さん


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詳細は当社Webサイトの「無料トライアル 実施中」をご覧ください。

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白杖を体験しました(ダイアログ・イン・ザ・ダークにて)

2022-09-06 13:40:46 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」を解決するデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。
グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。メディアのユニバーサルデザインとは、さまざまな情報が誰にでも見やすく伝わりやすくするための配慮方法です。

「印刷物のユニバーサルデザインに取り組んでいて、色覚や視覚に配慮した印刷物制作を進めたい。音声コードで見えにくい方にも情報を届けたい」
ある方にそんなことを話したところ
「ダイアログインザダークを体験してみたら?」
聞いたことはあったけれどどんなもの?ということで体験してきました。


▲ダイアログインザダークの会場にて。体験中の写真は撮れません

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」とは、真っ暗な空間で視覚以外の感覚を使ってさまざまなことを体験するエンターテイメントです。
「コミュニケーション向上」「チームビルディング」「イノベーション能力向上」「リーダーシップ養成」「ダイバーシティ推進」等の目的で企業研修のワークショップもあるそうですが、一般向けでは「見えない」を体験するもの、という印象です。

詳細は公式サイトをご覧いただくとして、今回の体験を書いてみます。
定員は8名のようですが今回の参加者は6人。
荷物は貴重品も含め全てロッカーに預けます。腕時計や携帯・スマホなど、光を発するものの持ち込みは禁止。
持っていくのは白杖です。いろいろな長さの白杖があり迷いましたが「おヘソのちょっと上くらい」というアドバイスで選びました。

私たちを誘導(アテンド)してくれたのは全盲のニノさん。ちょっと緊張していた面々に「僕はニノです。でも嵐のニノじゃないよ!」と自己紹介してくれてみんなの緊張がほぐれます。
参加者もそれぞれニックネームで自己紹介。
薄暗い部屋で白杖の使い方を教えていただき、暗さに慣れたところでいよいよ真っ暗闇へ。

これほどまでに真っ暗なことは、記憶にある限り経験がありません。
私は自分が眼を開けているのか閉じているのかさえよくわからない感覚になりました。とにかく真っ暗。
停電で真っ暗といっても懐中電灯やスマホの光があります。月明かりや星が見えることもあるでしょう。
ここではそれらも一切なし。
本当に 本当に 本当に 真っ暗!
恐怖すら感じました。

そんな視覚を奪われた状態で体験したのは「秋を感じる見えない東北の旅」。
白杖や点字ブロック、アテンドのニノさんの声を頼りに進みます。
点字ブロックや路面状態の変化など、普段はあまり気にしていなかった足裏の感覚。
音量だけでなく方向や距離などにも注意を払って聴く音声。
形はもちろん質感や大きさ、柔らかさ、いろいろなことを感じる触覚。
慣れてくると白杖も周囲を知る手段となり、視覚以外から得られる情報を少しでも多く得ようとしていました。
参加の皆さんとは「こっちで〜す!」「○○さん来てますか〜?」とお互いに声をかけ合い、ときに手が触れ手を引き、次第に一体感のようなものを感じるようになりました。

90分という時間があっという間でした。人によって感じることや得るものは違うと思いますが、多くの方に体験してほしいと思いました。
何年も、もしかしたらずっと視覚を奪われた状態の方と、限られた時間だけ体験するのとは全然違うと思います。それでも体験してみることの価値はあると思いました。
ご興味のある方は「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の公式サイトをご覧になってみてください。
プログラムは季節によって変わるようなので、私もぜひまた体験したいと思います。

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高校生の体験活動

2019-07-08 10:43:00 | 小さな会社のひとりごと
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
高校1年の娘に、夏休みに体験活動をするという課題が出ました。「自分たちと社会や環境とのかかわりを見つめなおす」ということで、ボランティア活動やインターンシップ体験などをするのです。「自分で活動場所を探して活動する」というのがポイントで、公共の団体や施設などの受け入れ先を探し、アポをとって依頼するところから生徒が各自で行います。

娘がやってみたいことのいくつかは、とても高校生ボランティアなど受け入れてくれないことがわかり、ならばとりあえず受け入れてくれるところはないか、と行政の窓口を訪ねました。そこでは区のボランティアセンターを紹介され、その足でセンターを訪問。具体的な受け入れ先などの紹介はいただけず、雨の中しょんぼりと帰ってきました。
その後も考えたり調べたりしていましたが、小学生の頃に自分が体験したワークショップのお手伝いができないか、と、ある施設に連絡をとり受け入れていただけることになりました。実際の体験活動は夏休みに入ってからなのでどんな体験をし何を学んでくるのかはこれからですが、親としてもまずはホッとしました。



それから数日して会社に1本の電話がありました。「都立K高校1年の○○と言いますが、自分の興味のある分野のお仕事についてインタビューをさせていただきたいのですが」。ここにも夏休みの課題を抱え、受け入れ先を探している高校生がいました!
とても小さなデザイン会社で高校生の参考になるような企業とは言えませんが、それでもいいというお返事。はたしてお役に立つのかわかりませんが、自分の娘が人様にお世話になるのにお断りできるはずもなく、「当社で良いのなら」とお引き受けすることにしました。

以前、デザイン系の専門学校の学生さんからインタビューを受けたことがありますが、今回は高校1年生。同じ歳の娘を見ている限り、まだ具体的な職業を考えている様子はありません。そんな年頃の生徒さんに何を伝えるべきかわかりませんが、この夏、親子で「体験活動」を体験します。


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たばこと塩の博物館

2012-08-26 23:01:59 | 親子つれづれ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
「たばこと塩の博物館」に行きました。
夏休み中は「塩の学習室」として、子ども向けの展示やワークショップになっています。体験コーナーや塩を使った実験もあり、なかなか楽しめます。

我が娘は今夏2回目の入場。何が気に入ったのかと思えば「買い物ゲームで塩さがし」というコーナーです。
まるで街のスーパーのように、さまざまな品物が並んでいて、塩を使っている品物を探します。


5点選んで「レジ」に持っていきバーコードを読み取ると、塩の使い方によってポイントが表示されます。明らかに塩を使っていると分かるものより、一見塩を使っていないようでも製造工程で塩を使っている、というもののほうが高ポイントが付きます。


娘は10回やると言っていた言葉どおり10回トライし、最高得点は5000ポイントを越えました。でもある程度ポイントのとれる品物が分かってくると、ポイントをとることだけが目的になり、そういう品物ばかりを選んできます。「塩を使っていないと思うものを選んでみて、ほんとに塩を使っていないかどうか調べてみたら?」とアドバイス。新たな目的にそって選んだ品物も、革製品や紙・ノートなど、まさかと思うものに製造工程で塩が使われていて大人もびっくりでした。

楽しみながら勉強にもなる展示会、夏休みには最適ですね!




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作って楽しい「製本体験」

2012-08-08 18:00:44 | 楽しくレッスン
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
本日は東京都文京区水道にある印刷博物館にお邪魔しました。こちらでは印刷の役割や意義を、さまざまな歴史的な展示物とともに学ぶことができます。また、最近の印刷技術のすばらしさなども分かりやすく紹介しています。

今は夏休み期間ということで「夏休み体験教室 今すぐやってみたくなる!夏のワークショップ!」を開催中。
・製本体験 マイノートをつくろう
・活版印刷体験 カラフルなかき氷をつくろう
・実験 寒天をつかって印刷しよう
のいずれかが体験できます。8月8日はたまたま「製本体験」「寒天印刷」の両方を体験できました。

「製本体験」では大きな紙を折っていってB5判サイズのページを作り、ノートとして完成させます。大きな紙からはB5のページが表裏合わせて32ページ分が作れます。裁断する分もありましたからB1よりも一回り大きいサイズですね。一見ランダムに数字が印刷されているようでしたが、言われたとおりに折っていくとちゃんとページ順に数字が並びます。

表紙はいくつかのデザインが用意されている中から自分で選びます。



大きなホチキスで「中綴じ」してもらい、3つの辺を裁断したらオリジナルノートのできあがり! 「中綴じ本」の仕組みも分かり、できあがったノートは子どもたちの格好のお土産にもなる、楽しいワークショップでした。博物館の皆さま、どうもありがとうございました。

当社の「おしゃれフォトレッスン」でも「夏休みスペシャル編」ではステキなお土産が作れますよ♪ どうぞご参加ください。




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