monologue
夜明けに向けて
 



幼い頃からのお母さんを亡くした小学生以来の友達、淵田茂美の家に新しいお母さんが来た。飲み屋で働いていたということで着物が似合う世なれた感じの人だった。茂美はべつにそのことに対してなにも言わなかった。わたしの方がその新しいお母さんになじめずあまり茂美の家に行かなくなった。わたしに衝撃を与えて音楽を志させた茂美は飽きたのかよく吹いていたハーモニカを吹かなくなった。ハーモニカはただの一時の遊び道具で音楽にはそれほど興味を持ってなかったのかもしれない。 わたしは中学二年になると隣のおじいさんがくれたただの竹の管のような尺八から苦労して音を出してその頃流行っていた「北上夜曲」を吹けるようになった。そして尺八の音階が使えるヨナ抜きの歌ならなんとか吹けるようになった。高校に入ると洋楽に目覚めギターを練習した。茂美は高校ではタイプクラブで活躍していた。それぞれ進む道は違ったようだ。淵田茂美、ありがとう。きみがあの日ハーモニカで動機を与えてくれたおかげで音楽を一生の仕事とすることができた。
口笛、指笛、尺八、ギター、ブルースハープ(ハーモニカ)、ベース、シンセサイザー、ヴォーカル、となんでもかんでもやってきた。その始まりにきみがいたことに感謝…。
fumio

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )