monologue
夜明けに向けて
 



京都は千年の都だけど古くて新しい町で全国に先駆けてなにかが始まる。
ディスコやゴゴー喫茶も早かった。ライヴスポットも多かったが 「オペラ 」という ダンス喫茶 に弟と入ると「ユー・リアリー・ガット・ミー」や「オール・デイ・アンド・オール・オブ・ザ・ナイト」などキンクスの曲ばかり演奏しているロックバンドがあった。そのバンドのベースプレーヤーは途中から一点を見つめて憑依状態になり客席まで近づいて来て危ない感じだった。そのバンドのギタリストは日本人なのに髪を金色に染めブーツに細い縞ズボンでキンクスのギタリスト、デイヴ・デイヴィスそっくりだった。プロらしくパワーコードで演奏するのでキンクスの雰囲気がよく出ていた。そしてしばらくして「月世界」というゴーゴー喫茶に行くとそこでも「オペラ 」のバンドが演奏していた。弟がそのバンドのギタリスト「シバ マサキ」と仲良くなって家に連れてきたので一緒に演奏した。ベースも弾けるというのでわたしの反核反戦歌「そしてなにが残った」のベースを弾いてもらった。ビートルズの「レイン」でポールが弾いているような奏法で弾いてほしいと注文するとその通り弾いてくれた。それから「シバ マサキ」は家によくやってきた。髪はビールで色を抜くといっていた。万博会場でも演奏したという。わたしが渡米して以来接触がなくなったが今頃どうしているだろうか。「シバ マサキ」あの頃きみは時代の最先端を走っていた。かっこよかったよ。出会えてよかった。元気ならいつかまた会おう。
fumio

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