monologue
夜明けに向けて
 



 人は本来自分以外の生命体を求め愛する事で成長してゆく筈だが現状ではその機能が果たされていない。それは何故だろうか?と考えてみた事があるか?この事を調べていて、自分の生命を分かち与える行為を『愛する』と呼ぶという事が意外に知られていない事実に我々は気付いた。そして残念な事には『命』の意味するところのものを理解出来ていない人が殆どであるという事も判明した。

 『命』とは大きく分けて2つの流れで出来ている。それは『人』の要素と全く同じで、つまり物質的な要素とより精妙な霊的物質とで出来ていて双方の方向性はプラスとマイナスになっている。物質的肉体はその細胞生命維持と保全の為に機能し、霊体はその母胎である宇宙生命の流れに沿って肉体を含む全人格の進化を促進するために機能する。多くの人々は物質的な体の機能のみに拘泥している様子だ。これは大変情けない事だが、人間が物質文明の栄華を追う事に奔走し続けた結果と言うほか無い。物質文明の栄華に奔走した結果、『見えるもの、触れる事が可能なもの』つまり物質的なものしか信じない人種が成立してしまった。太古の昔から綿々と流れてきた精神文明と、その担い手である魂、或は心と呼ばれる人間の霊的な体の方は軽視されているのが現状だ。霊的な体の持つ宇宙指向性が機能していない人間の行き着く先は、人間が最も恐れているであろう破滅でしかない。

 物質的生命の機能が霊的生命の機能を上回っている状態の人間にとっての『愛する』行為は細胞生命維持機能に則したものでしかない。つまり平たく言えば細胞生命の意図する子孫繁栄指向性に裏付けられた行為が中心に据えられたものでしかない。

「ARION語録」より
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人間が最も恐れている破滅を回避するためには細胞生命維持のためではない自分の生命を分かち与える『愛する』と呼ぶ行為を実行するべきなのだろう。
fumio

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