monologue
夜明けに向けて
 



なぜわたしがこのお盆からこの「生き物たちの記」を書き始めたのか不思議だったがどうやらピレニアンマウンテンドッグの「ポス」のせいらしい。ポスはピレネー山脈の雪のように白い大きな救助犬として1968年に生まれた。そしてわたしたち一家がその年新築して移転してきた京都府久御山町の家にやってきた。それからずっと毎日一緒に暮らした。性格の良い素晴らしい犬だった。純血種の常として犬が蚊に刺されて感染する心臓の寄生虫「フィラリア」に弱く予防注射をしたがかかってしまい心臓が弱くなった。お医者さんにきてもらって薬を食べさせたりしたが根治はできなかった。それで暑い時に走るのを嫌がったのだ。家族の一員として暮らすうちに散歩についてきた「コロ」という雑種のテリヤ犬とも仲良く過ごした。しかしある日コロは人を噛んでいなくなった。

  そしていつも散歩に連れて歩いたわたしが1976年11月に日本を離れ米国に渡った。するとポスは77年に9才で死んでしまったのである。わたしがこうしてポスのことを書けばそれでかれは存在したことになる。そう、名もない生き物たちもだれかに書かれることによって生きていた証をこの世に遺すのだ。そうだね、ポス!。
fumio

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