monologue
夜明けに向けて
 



父はセキセイインコだけで満足せず、オカメインコやルリコシインコなど大きめの数種のインコも買ってきて茶の間の同じ鳥籠に入れた。すると紛争が勃発した。一番大きくおだやかなオカメインコが色鮮やかで美しく気の強いルリコシインコに追われるのだ。見かけと性格がずいぶん違って意外だった。見ていられないので父は日曜大工で庭に大きな鳥小屋を作った。手乗りになったセキセイインコだけは茶の間の籠に置き、あとのインコたちを庭の鳥小屋に移したのである。その中では棲み分けができてあまり喧嘩は起こらないようだった。どこかで飼われていたセキセイインコが逃げてきて仲間を見てその小屋にとまると一緒に入れてやったりしたものだった。小屋を地球としてみるとそこの鳥たちの姿は人類の民族の縮図のようだった。
fumio

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