monologue
夜明けに向けて
 



 
「ブロークン・ウインドウ・セオリー」という言葉がある。きれいに揃った窓ガラスを初めて割るのは怖いが学校やビルの窓ガラスが一枚割れていると人は他のガラスも割っても良いように錯覚してしまう。そして気がつくとみんな割られてしまう。それを防ぐには常に美しい状態を保っておかねばならない。それに気付き実践したのがニューヨークのジュリアーニ市長だった。

  当時、世界最悪の犯罪率だったニューヨークはジュリアーニ市長(Rudolph William Louis "Rudy" Giuliani III )が地下鉄の落書きを消すことを提唱したことから電車内や壁の落書きの徹底消去が行われ、市民の意識が変化していった。街も美しくなってゆき人々の心にはびこっていた何をやってもいいんだという意識がうすれてすこしずつ、犯罪さえも発生させない市に生まれ変わった。

 新聞によると、ニューヨークで昨年初から12月27日までに発生した殺人事件は461件で、一昨年1年間の516件に比べ、50件以上も減少して1963年に統計を取り始めて以来最も少なかったということである。またFBIは、ニューヨークが今年最も治安の良い大都市になったとしているという。わたしたちの精神も「ブロークン・ウインドウ・セオリー」によって常に美しい状態を保つようにつとめればみんながより良く生きられるのかも…。
fumio

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