monologue
夜明けに向けて
 



友達関係仲間内の「なあ、なあ、」に陥らないためにプロデュース料を1000ドルに設定してアドヴァンスに500ドル、完成後に500ドル支払った。それでプロデューサーとしての宮下富実夫は真剣に仕事としてわたしたちのアルバムのプロデュースに全力で取り組んだのである。

 まず、リズムトラックとして宮下の自宅スタジオのティアック8トラック・レコーダーにリズムギターとベースを録音した。このティアック8トラック・レコーダーはファー・イーストファミリー・バンドを脱退した高橋正明(喜多郎)も購入してシンセサイザーの多重録音によってNHKの「シルク・ロード」 を盛り上げた名機種である。ビートルズの時代にやっと4トラックレコーダーができて多重録音が始まり、この頃の自宅スタジオは8トラックが主流になっていたのだ。

 そしてドラムスは出る音が多くて8トラックではとても対応できないし肝心のヴォーカルとピアノはまともな音で録るために、24チャンネルトラックレコーダーのスタジオを探した。有名スタジオはどこも高かった。ハリウッドにチャイニーズシアターという有名な映画館があってその向かいに老朽化したビルがあった。取り壊して新しくするという噂だった。その中の24チャンネルトラックスタジオのレコーディング料金が工事などの関係で安いということだった。
fumio



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