goo blog サービス終了のお知らせ 
monologue
夜明けに向けて
 




93/08/18 さて冥界の王は、青ざめた頬を光の方へ向けながら微笑み


 このメッセージ中には「ホー」という音が三回「頬、方、微笑み」と隠してあって冥界で鳴く「梟」の声を示唆しているのだが どうしてこの鳥がニギハヤヒと関わりをもつのかの意味を説明しておく。
 かれの幼名は「舊(フル)」であった。
饒速日尊(ニギハヤヒ)のことが記述されている「先代舊事本紀」も舊の字が使用されていたが今は旧の字で代用されることが多くそのために舊の字を眼にする機会が減って、その意味を知ろうとする人もあまりいなくなった。

「舊」の字を拡大鏡を覗くと、クサカンムリに見えるが
 わかりやすく太字で大きく書けば『━┫┣━』(カン)なのである。
これはあげまき(総角)という昔の子どもの髪の形のこと。
髪を左右に分けて頭上でわがね、双角状に両輪を作ったもの。
おさないことを示す。音のカンには還るや環(輪)の意がある。
『━┫┣━』は卵の古字という説もあり、生まれてまもなく、おさないことから転じてあげまきの意になったという。
この『━┫┣━』と隹(ふるとり)が重なった字はカンと読み、頭に毛の多い鳥の意になる。
 「隹」(ふるとり)音スイ、サイ、セ
(一)とり、尾の短い鳥の総称、ふふどり、きじばと。
(二)山の高大なさま。=崔
文字を構成するときは、鳥に関する字の意味で用いる。
「鳥(尾の長いとり)」「酉(ひよみのとり)」と区別して、
「舊(旧ふるい)の字中に隹があるので、ふるとりと称する。
 (大修館、新漢和辞典)
この隹(ふるとり)の解字を見ると宝珠の形の頭が乗っかった尻尾の短い、翼をもった鳥である。
「舊」の解字を見ると正面から見た鳥の姿になっている。
土台になっている臼(キュウ)が音を表し、鳥の鳴き声。
ふくろうの意で久に通じて、ふるい意に用いられる、とある。
 このことから、梟が冥府の使者としての舊(フル)、饒速日尊の象徴となったのである。
fumio



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )