Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

米国映画「オッペンハイマー」は、少々難解だが見応えある映画です。

2024年04月06日 | 映画・コンサート

 アカデミー賞で七冠を達成した話題の映画「オッペンハイマー」が封切されたので、さっそく最寄りの映画館へ観に出掛けた。オッペンハイマーはご存じのとおり広島、長崎へ投下した原爆の開発をした物理学者で、ある意味日本人にとっては宿敵のような存在です。

 映画は彼のサクセスストーリーを描いたものかと思ったが、そんな簡単な筋書ではなかった。主人公のオッペンハイマーは戦前に共産主義者との関りを持ち、米国政府の期待と嫌疑の狭間で、原爆製造の責任者として開発を進めていく。

 戦争末期、米国はドイツやソ連との開発競争に勝ち、人類で初めて原爆を完成させる。そして原爆の比類なき威力で、最後まで戦う日本を降伏させ戦争は終結する。しかしオッペンハイマーが作った原爆は、その後の核兵器開発競争へと繋がり、全人類を数十回皆殺しにできるほど核兵器が存在する恐怖の世界へ変わった。

 戦争終結のヒーローとなったオッペンハイマーだったが、共産主義との関りから査問委員会で追及され、核開発の研究にも非協力的だった為その後の人生は冷遇される。

 映画の中で圧巻は、人類最初の原爆「トリニティ」が核爆発を起こすシーンで、その恐るべき爆発力に圧倒される。本来の核心であるべき広島、長崎への原爆投下シーンを省いたのは、日本への配慮があったからだろうか。「原爆で戦争を早く終結させれば、より多くの人命が救われる」という米国大統領の言葉が、日本人として複雑な思いにとらわれる。

 映画の展開がやや難解で理解し難い場面もあったが、終始緊迫感に満ちた見応えある映画でした。しかし3時間の長編なので、最後の方は尿意に耐えながら観た。頻尿の方は直前に済ませてから、この映画をご観覧ください。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする