昭和51年の4月19日夫が会社組織にしたらどうかというので、何も判らないまま
夫の言う通り、株式会社を設立しました。
いろはの ”い”の字からわからないということと、初心を忘れずにと言う意味で、
”いろは商事株式会社”としたのです。
資本金150万円の名前ばかりの会社でした。 株式会社にするためには7人の名前が
必要でしたので、夫や私の兄弟の名前を借りました。
夫は経理の事も何も知らないで、ただ株式会社にしろと言っただけでしたし、私も、全く
わからないまま決めてしまったので、このお蔭でこの後、毎年自分で決算書類を書き上げ、
税務署に届けるのには本当に苦労しましたが、マア、自業自得で誰に文句を言う事も出来
なかったのです。
株式会社と有限会社では書類の質が全く違うので、有限会社にしておけば、決算書を作る
苦労をあまりしないですんだのでしょうが、経理の”ケ”の字もしらなかった私には
本当に苦痛以外の何ものでもありませんでした。
最初はいろいろと経理の本を買い揃えましたが、これは殆ど ”積ん読”だけで、たまに
読んでもちっとも頭に入らず、面白くも、おかしくも何ともないので、どなたがこんな
つまらない事を考えたのかなんて、八つ当たりしてはやめるのが落ちでした。
実家の父が会計マンだったので、少し教えてもらおうと父に頼みましたが
”自分で苦労しなければ身につかない。お父さんだって、若い頃、急に上司が刑務所入り
になって、仕方なく毎日、会社の経理を全部自分で調べてこういう風にやるのかと勉強
したんだ。 それがためになった。 自分で勉強するしかない。”とにべもなくはねつけ
られてしまったのです。
毎年決算期の頃になると、憂鬱で、憂鬱で、仕事をやめたくなりました。
もう体中が、なんだか、嫌だ嫌だと言い始めるのです。 3月決算にしたのですが、年が
あけると、もう頭の中は決算でいっぱいで、毎日、家具の事を考えている時は楽しいの
ですが、其の後は本当に、体のどこを切っても”嫌だ”という言葉が出てくるだろうなと
自分で思っていたくらいでした。
大体、私は日本の会社にお勤めをしたことがなかったので、日本語の書類は、あまり、ご縁
がなかったので、税務署からごっそり届けられる用紙を見ただけで、食欲がげんなりしそう
でしたが、儲かっている会社なら、専門の方をお願いできるのですが、赤字続きの会社では、
人頼み出来るわけもありませんで、ほっとくわけにも行かず、法人会に教えを請いに言ったり、
税務署に直接伺って教えをいただいたのですが、でもびっくりしたのは専門家のはずなのに、
皆さんお考えが違った事でした。
前年の決算書を持って、多分これでいいのかとお伺いを立てると、いつも、この記入の仕方
はまちがっている、このように書けといわれる事が多くて、びっくりしたものです。
(つづく)
夫の言う通り、株式会社を設立しました。
いろはの ”い”の字からわからないということと、初心を忘れずにと言う意味で、
”いろは商事株式会社”としたのです。
資本金150万円の名前ばかりの会社でした。 株式会社にするためには7人の名前が
必要でしたので、夫や私の兄弟の名前を借りました。
夫は経理の事も何も知らないで、ただ株式会社にしろと言っただけでしたし、私も、全く
わからないまま決めてしまったので、このお蔭でこの後、毎年自分で決算書類を書き上げ、
税務署に届けるのには本当に苦労しましたが、マア、自業自得で誰に文句を言う事も出来
なかったのです。
株式会社と有限会社では書類の質が全く違うので、有限会社にしておけば、決算書を作る
苦労をあまりしないですんだのでしょうが、経理の”ケ”の字もしらなかった私には
本当に苦痛以外の何ものでもありませんでした。
最初はいろいろと経理の本を買い揃えましたが、これは殆ど ”積ん読”だけで、たまに
読んでもちっとも頭に入らず、面白くも、おかしくも何ともないので、どなたがこんな
つまらない事を考えたのかなんて、八つ当たりしてはやめるのが落ちでした。
実家の父が会計マンだったので、少し教えてもらおうと父に頼みましたが
”自分で苦労しなければ身につかない。お父さんだって、若い頃、急に上司が刑務所入り
になって、仕方なく毎日、会社の経理を全部自分で調べてこういう風にやるのかと勉強
したんだ。 それがためになった。 自分で勉強するしかない。”とにべもなくはねつけ
られてしまったのです。
毎年決算期の頃になると、憂鬱で、憂鬱で、仕事をやめたくなりました。
もう体中が、なんだか、嫌だ嫌だと言い始めるのです。 3月決算にしたのですが、年が
あけると、もう頭の中は決算でいっぱいで、毎日、家具の事を考えている時は楽しいの
ですが、其の後は本当に、体のどこを切っても”嫌だ”という言葉が出てくるだろうなと
自分で思っていたくらいでした。
大体、私は日本の会社にお勤めをしたことがなかったので、日本語の書類は、あまり、ご縁
がなかったので、税務署からごっそり届けられる用紙を見ただけで、食欲がげんなりしそう
でしたが、儲かっている会社なら、専門の方をお願いできるのですが、赤字続きの会社では、
人頼み出来るわけもありませんで、ほっとくわけにも行かず、法人会に教えを請いに言ったり、
税務署に直接伺って教えをいただいたのですが、でもびっくりしたのは専門家のはずなのに、
皆さんお考えが違った事でした。
前年の決算書を持って、多分これでいいのかとお伺いを立てると、いつも、この記入の仕方
はまちがっている、このように書けといわれる事が多くて、びっくりしたものです。
(つづく)