ちょっと大げさに云うと、人生の路上で、これまでいったいどれだけのトンネルをくぐってきたのであろうかと考えることが多い・・・・。
それは長距離通勤の思わぬ産物でもあったのだが、
キッカケはやはりあの中央自動車道笹子トンネルの天井版崩落の大惨事
完成後35年を経過していたのだという。
戦後復興から高度成長期を経て、我が国のインフラは列島改造論に代表される、国土整備という名の高速自動車道の縦横化が次々と行われてきた。
その結果、用地買収に取り組みやすい山間地を主体に路線が決定されていったのだが、比例して山の中を潜り抜けるトンネルが日本中に、数多く出現することにもなった。
私たちはインフラの整備により、確かにスピードという快適な暮らしを手に入れた。
それは内需拡大という経済効果もあり、土建業者に富と潤いをもたらしもした。
土建屋の社長さん方は、工事が終わると毎月のように海外旅行を楽しんでおられた。
今では古き良き時代でもあったのだが・・・・、
この私たちが税金を払って整備してきた利便性・インフラというのは、当然のことながら、建てっぱなしではなく、その後もきちんと維持をしていかねばならないのである。
経済の成長が止まってしまった現在、それは私たちの国民負担として重くのしかかっていくことであろう。
国交省の試算では橋梁やトンネル、道路の交通体系にかかるインフラの維持管理だけで、なんと2030年までに180兆円もの費用がかかるというのである。
経済が比較的順調な時代ならいざ知らず、国の借金がGDPの2倍といわれる昨今、これはとんでもない負担ではある。
しかも先進諸国が挙ってインフラ維持費用に頭を抱えているというのだから、便利な生活も考え物ではある。
しかしまあ、4.7kmにも及ぶ長いトンネルの天井版が落下するなど前代未聞
同様構造の高速道路トンネルが、全国にまだ49か所も存在するというのだから、恐ろしいものである。身近なところでは、関門海峡トンネルも同じ工法なのだそうで・・・・。
ところで、私も佐世保通勤の途中高速道で4か所
国道を通れば6か所のトンネルにお世話になっている。
とりわけ佐世保市街地に入る天神山トンネルをくぐり抜ける時は、ちょっとプレッシャーを感じるようになった。
何とはなしに笹子トンネルに感じが似ているのがその理由。
ほら、こんな風なんである。
では、笹子トンネルは・・・・・。
ねっ、ねっ、よく似てるでしょ・・・・。といってもトンネルは似たようなもんではあるけれど・・・。
しかし、似ているのは気味が悪い。だから首をすぼめて運転しているんであります。
しかも速度は70キロというのも一緒なんですよ。
まあ、このほかにも、ゴルフの長いスランプというトンネルもまだ抜けていないし・・・・。
最近では糖尿というやっかいなトンネルにも入ってしまったし・・・・。
人生にトンネルはつきものなのかも知れません。
しかし、こんな悲惨な結末にだけは遭遇したくないものであります。
絶対に崩れないトンネルというものが最近の技術の進歩で喧伝されていますが、
高度な技術立国をめざす我が国ではありますが、国土の90%以上が山という環境を踏まえると、安全安心に支払うお金はまだまだかかりそうです。
自然の力に対して、大いなる畏怖の念を抱きつつ、技術を過信せずに生きていかねばならないのだと思います。
地震国家たるわが日本列島に、平穏な日々が訪れるのは一体いつになるのでしょう。
笹子トンネルで被害に遭われ、お亡くなりになった9名の方々に対しまして、心よりお悔やみを申し上げ、併せてご冥福を祈ります。