風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

胃が痛いっ!

2011年11月03日 22時25分50秒 | 風竿日記

「温泉deビートルズ音楽祭」の間、あれほどキリキリと痛んでいた胃が、今日のところは不思議と鳴りをひそめてくれている。

胃痛の原因は判っている。9日間にも及んだ町おこしイベントと並行して、弟の死と言うショックが尾を引いているのだ。

弟の急逝に伴う実家の残務整理は並大抵ではなく、おまけに母親の介護ホームの心配と、苦労性は生まれつきのようだ。

11月というのに季節外れの夏日の今日は、とても嬉しい「ノー・スケジュール」

昨夜は久しぶりに遠来、近場のお客様が入り乱れて、遅くまで杯を傾けて午前様であったので、遅めに起きて、実家の残務整理に出掛けた。

 

11月3日文化の日は、亡父の誕生日でもあり、仏壇に念入りにお参りをした。存命ならば84歳になっている。

さて、このところ人が一人亡くなるということの大変さを、一手に引き受けて事後処理に追われている。

弟自身、こんなに速く人生を終えるなどと思ってもみなかったのだろう。その分、没後の整理が大変なんである。

市役所の関係だけでもとんでもない・・・・。

結婚していなかった弟は、わずかばかり財産を母親が相続するのだが、その手続きもすべて私に委ねられている。

母が弟のために加入していた生命保険、年金の類も

おまけに母の大切な預金や財産の管理も・・・・。責任重大なんである。

昼過ぎからは昼食を抜いたまま、友人のお家カフェで珈琲を一杯啜ると、母親の介護ホームへ

認知症の彼女は私の姿を見つけると、嬉しそうに手をふる。

そして、この瞬間がなにより私を嬉しくさせる。

母は私を頼っているのだ。

色んな、とるに足らないよもやま話を重ねて、これまでの母との距離を縮める時間は、けして無駄なものではない。

中学校の教諭をしていた母は、耳も達者で、判断能力も一応人並みなのだが、唯一物忘れが酷いというのが認知症の所以たるところ。

残務整理の書類を書かせて、そのしっかりしている素振りに思わず

「これで物忘れだけなけりゃ、家に帰れるのにねぇ・・・。」

と母の耳元で囁いた私。

「人間は忘れるからいいのよ・・・・。」

と母が応える。

「そう、そう・・・。」と相槌を打ちながら、本当にそうだなあと思わされた。

お腹を痛めた我が子の亡くなったことも忘れてしまえば、それはそのまま彼女にとっては幸せなことなんである。

「それはお母さん、名言バイ・・・・。」

誉めてあげて、少し筋が張っていた肩を揉み解してあげて、ホームを後にした。

母親はグループホームに移して、少しプライバシーの確保をしてあけようと思っている。

人間だから大勢の人たちと触れ合っているのも、それはそれで愉しいのだろうが、

やはり一人になりたい時だってあるだろうからと思うから、自分の部屋があるグループホームの方が、年老いた母も楽しく生きられるのではと考えるからである。

せめても、母の胃が痛くならないようにしてあげたいものだ。