奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その903)

2019-02-13 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「平成精神史~天皇/災害/ナショナリズム(片山杜秀著・幻冬舎新書2018刊/小説幻冬2017.8~2018.6連載の新書化)」を読んだ。片山杜秀(かたやまもりひで1963生れ)氏は、慶應大学大学院(法学研究科)博士課程修了し、現在は慶應大学教授である。専門は近代政治思想史、政治文化論とのこと。-----
「平成精神史」は、大塩平八郎の流れをくむ陽明学者/安岡正篤(やすおかまさひろ1898~1983)に被(かぶ)れた戦後政治家などの名前を列挙すると共に、その教えが“錦旗革命論”であったとして、その稚拙な理論を紹介している。中華文明の中で成立した日本では、易姓革命を良しとせずに、万世一系の天皇制を信奉してきたのであるが、世界の目まぐるしい変遷に附いて行く時には、天皇自らが人臣を介して発声なさると説くのである。中曽根康弘(1918~)や瀬島龍三(1911~2007)はその先鋒であったのであると書いている。----
“日本会議”の正体についても、素人に分かり易く説明してくれている。米ソの冷戦中、日本の赤化を真に恐れていた支配層は、日本会議の前身母体で、日本を赤化から守る活動を営々と続けてきたのであると、然しながらソ連の社会主義体制の崩壊後は、その目的を喪失して、現在はある意味迷走状態となっているのではと分析している。-----
片山杜秀氏自身が右翼なのかそれとも左翼なのか、「平成の精神史」を読んでも定かではないが、慶應のご出身らしく、慶應の諸先輩の一人、“山本達雄(1856~1947)”をべた褒めしたりして、それ程、中立的な話題ばかりではなさそうだが、幻冬舎が喜びそうな興味深い話題を列挙して面白い本に仕上げている。----
天皇制に係わる話題が多いのだが、将来的に日本の財政が底をつけば、皇室とてもイギリス王室のように独立法人化せねばならなくなるだろうとの自説を披露している。
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