奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その892)

2019-02-02 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「古墳時代に魅せられて(都出比呂志・大阪大学出版会2018刊)」を読んだ。都出比呂志(つでひろし1942生れ)氏は、京大(文学部)卒で、同大学院(考古学専攻)博士課程を修了し、滋賀大を経て、大阪大学(文学部)教授を務め、現在は阪大名誉教授である。阪大の初代・考古学研究室の教授となる。考古学は日本では、京大だけにその講座が設けられていたが、阪大はそれに次ぐ地位を考古学については得ている。-----
助教授時代(1979~)から、発掘調査に携わったりして、研究を始めて今に至るまでの阪大考古学教室の研究成果を一般向けに図書とした良書に仕上がっている。東大や京大と違って考古学の先達たちの歴史が阪大には無かったので、都出比呂志氏たちは文科省などの制約を受けることなく自由に思うままに研究をなさったようであり、とても先進的な成果をあげてこられたようである。唯、阪大考古学教室の研究論文のエッセンスの集大成なので、雑多な感が否めないがそれを我慢すれば様々な知見が各ページからきらきらと毀(こぼ)れ落ちそうなほどに鏤(ちりば)められていて、考古学を必要とする公務員などの関係者は座右におくととても役立つことだろうと思った。-----
戦前の皇国史観からの繋がりも、考古学からの視点ではあるが手抜きをせずに書いてくれていて親切だと思った。
コメント
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